第81期定時株主総会招集ご通知 証券コード : 1861
株式会社熊谷組今後のわが国経済は、北朝鮮情勢や欧米諸国における政治の混迷、中国をはじめアジア新興国等の経済の減速などがリスクとして存在しますが、雇用・所得環境の改善が続くなかで各種政策の効果もあり、景気は引き続き緩やかに回復していくことが期待されます。
建設業界におきましては、住宅投資は当面、弱含みで推移することが予想されますが、民間設備投資は企業収益の改善や成長分野への対応等を背景に増加を続け、公共投資も前年度補正予算や今年度予算に「防災・減災対策、インフラ老朽化への対応」などの公共事業関連費が多く盛り込まれるなど、事業環境は引き続き良好な状況で推移すると思われます。一方で建設技術者・技能者不足の進行やコスト高といったリスクには引き続き留意する必要があります。
現下の建設市場は、激甚化する自然災害に備えた防災・減災対策事業や高度経済成長期に整備された社会インフラの老朽化対策事業の拡大に加え、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に伴う関連投資など、中期的には一定の需要が見込まれる環境にあります。しかしながら将来的には、人口減少による国内建設需要の縮小や財政制約により公共投資の抑制が予測されることから、建設市場は新設が減少し維持更新やPPP(Public Private Partnership)/PFI(Private Finance Initiative)/コンセッションが増加するなど質的・量的に変化していくことが予想されます。
このような状況のもと、当社グループは昨年11月に中長期経営方針を定めるとともに、その一環として住友林業株式会社と資本業務提携契約を締結し、同社を割当先とする第三者割当による新株式の発行及び自己株式の処分により総額346億円の資金を調達いたしました。また、当社も同社株式を約100億円で取得いたしました。
本方針に基づき、本年3月に①建設工事請負事業の維持・拡大、②新たな事業の創出、③他社との戦略的提携を戦略の柱とする『熊谷組グループ 中期経営計画(2018~2020年度)~成長への挑戦~』を策定しました。
『熊谷組グループ 中期経営計画(2018~2020年度)~成長への挑戦~』(要旨)
戦略①:建設工事請負事業の維持・拡大
提案力を強化して受注を拡大し、技術開発を推進して生産性を高め、中核事業である建設工事請負事業の収益力の維持・向上を図る。
戦略②:新たな事業の創出
グループが保有する技術・経験・ノウハウを活用するとともに、効果的な出資・投資を行い、建設工事請負事業以外の新たな収益源を創出する。
戦略③:他社との戦略的連携
グループ連携による成長に加え、グループの枠を超えた協業を推進し、シナジー創出による更なる成長を目指す。
本計画期間中(2018~2020年度)に目指す4つの指標
中長期経営方針で定める2022年度に連結売上高5,000億円・連結営業利益500億円の実現に向けて、本計画期間中、4つの指標について以下の水準達成を目指す。
連結売上高 | 4,600億円 |
連結営業利益 | 330億円 |
ROE | 12% |
配当性向 | 30% |
投資計画
競争力維持・拡大と収益源多様化のため、成長領域に計画期間3年間で600億円規模の投資を行う。
国内/海外アライアンス | 230億円 |
再生可能エネルギー事業/PFI等 | 70億円 |
国内不動産 | 210億円 |
海外不動産 | 30億円 |
技術開発等 | 60億円 |
ESG課題への取り組みを強化
建設を核とした事業活動を通して社会的課題の解決に貢献し、企業価値の向上を目指す。
住友林業との協業取り組み
昨年11月に中長期経営方針の一環として資本業務提携に関する契約を締結した、住友林業株式会社と各分野で協業を促進し、シナジー創出を見込む。
協業分野 | 木化・緑化関連建設事業 |
再生可能エネルギー事業 | |
海外事業 | |
周辺事業領域(ヘルスケア・開発商品販売他) | |
共同研究開発(新工法・部材・ロボティクス他) |
当社グループとしては、“新生 熊谷組グループ”一丸となって本計画を着実に実行し、更なる成長へ挑戦してまいります。
建造物の外形的・機能的な品質はもちろんのこと、そこに集う人、そこを使う人が満足し続けられる「しあわせ品質」を実現すべく「全員参加の経営」をスローガンに、お客様に最高の"感動"をお届けする『建設サービス業』を目指してまいります。
なお、平成26年に当社の施工不良が判明した横浜市所在のマンションに関して、多額の偶発損失引当金を計上しております。当該マンションの管理組合総会決議に基づき建替工事に着手しておりますが、工事施工にあたっては、安全で高い品質の住まいを早期にお引渡しできるよう、全社をあげて誠心誠意、取り組んでまいります。
株主の皆様におかれましては、今後とも一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申しあげます。