事業の経過及びその成果

 当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益が高水準にありながらも改善に足踏みがみられましたが、設備投資は増加基調を維持し、雇用や所得水準の着実な改善を背景に個人消費が底堅く推移するなど、景気は緩やかながら回復を続けました。
 建設業界におきましては、住宅建設は概ね横ばいとなっているものの、企業の建設投資は緩やかながら増加しているほか、公共投資も高水準を維持し、良好な事業環境が継続しました。
 当社グループはこのような状況のもと、2018年3月に策定した①建設工事請負事業の維持・拡大、②新たな事業の創出、③他社との戦略的連携を戦略の柱とする『熊谷組グループ中期経営計画(2018~2020年度)~成長への挑戦~』に熊谷組グループ一丸となって取り組み、さらなる成長に向けて挑戦しているところであります。
 当連結会計年度における当社グループの連結業績につきましては、売上高は、前連結会計年度比4.0%増の3,890億円となりました。利益は、売上総利益率の改善により、営業利益は264億円となり、経常利益は265億円となりました。また、独占禁止法関連損失引当金繰入額等の特別損失の計上などにより親会社株主に帰属する当期純利益は133億円となりました。
 当社の業績につきましては、以下のとおりであります。
 受注高は、土木工事、建築工事ともに増加し前年度比18.9%増の4,540億円となりました。このうち、土木工事は1,557億円、建築工事は2,982億円であり、これらの発注者別内訳は官庁16.9%、民間83.1%であります。
 売上高は、同4.2%増の3,070億円となりました。このうち、土木工事は1,116億円、建築工事は1,954億円であり、これらの発注者別内訳は官庁28.3%、民間71.7%であります。
 翌事業年度への繰越高は、同34.7%増の5,703億円となりました。
 利益につきましては、売上総利益率等の改善により経常利益は217億円となり、当期純利益は141億円となりました。

 当社の部門別の状況は以下のとおりであります。
〔土木〕
 土木の受注高は前年度比19.9%増の1,557億円となりました。
 主な受注工事は、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構:北海道新幹線、羊蹄トンネル(有島)他(北海道)、株式会社門前クリーンパーク:(仮称)門前クリーンパーク最終処分場(土木)工事(石川県)、パシフィコ・エナジー赤穂合同会社:パシフィコ・エナジー赤穂メガソーラー発電所建設工事(兵庫県)、東日本高速道路株式会社:東北自動車道 十和田管内高速道路リニューアル工事(岩手県)等であります。
 完成工事高は同4.5%増の1,116億円となりました。
 主な完成工事は、東日本高速道路株式会社:東北中央自動車道 やまがたざおうトンネル工事(山形県)、東日本高速道路株式会社:東関東自動車道 鳥栖工事(茨城県)、中日本高速道路株式会社:中部横断自動車道 高山工事(静岡県)、東日本高速道路株式会社:上信越自動車道 観音平トンネル工事(新潟県)等であります。

〔建築〕
 建築の受注高は前年度比18.4%増の2,982億円となりました。
 主な受注工事は、東急不動産株式会社・株式会社NIPPO・大成有楽不動産株式会社・JR西日本プロパティーズ株式会社:(仮称)江東区豊洲五丁目計画(東京都)、学校法人名城大学:名城大学天白キャンパス研究実験棟Ⅲ・Ⅳ(仮称)新築他工事(愛知県)、医療法人徳洲会:(仮称)仙台徳洲会病院移転新築工事(宮城県)、地方独立行政法人くまもと県北病院機構:地方独立行政法人くまもと県北病院機構新病院整備事業に係る設計及び施工業務(熊本県)等であります。
 完成工事高は同4.1%増の1,954億円となりました。
 主な完成工事は、RW久喜特定目的会社:(仮称)レッドウッド久喜ディストリビューションセンター新築工事(埼玉県)、三井不動産レジデンシャル株式会社・野村不動産株式会社・三菱地所レジデンス株式会社・伊藤忠都市開発株式会社・東方地所株式会社・株式会社富士見地所・袖ヶ浦興業株式会社:(仮称)幕張新都心若葉住宅地区計画(B7街区)(千葉県)、アイデン株式会社:(仮称)サカエ理研工業株式会社 伊勢崎工場 新築工事(群馬県)、合同会社AYG:(仮称)木屋町三条計画(京都府)等であります。

(参考)当社の部門別受注高・売上高・繰越高

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2019/06/27 12:00:00 +0900
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