1.提案の理由及び当該報酬等を相当とする理由
当社は、2018年6月19日開催の第15回定時株主総会において、当社の取締役及び執行役員(社外取締役及び国内非居住者を除く。)を対象とする業績連動型株式報酬制度(以下「本制度」という。)を導入し、また、2021年6月18日開催の第18回定時株主総会において本制度を一部見直すことについて株主の皆様にご承認いただき、今日に至っておりますが、第2号議案「定款一部変更の件」が原案どおり承認可決された場合には監査等委員会設置会社へ移行することに伴い、本制度の継続及び一部改定につきご承認をお願いするものであります。なお、本議案は、第5号議案「取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬総額決定の件」においてご承認をお願いしている報酬枠とは別枠で設定するものです。
今般、当社は、新たに「中期経営計画2026」を策定したことから、当該計画の目標を達成し、当社グループの中長期的な業績及び企業価値向上への取締役等の貢献意欲をさらに高めることを目的に、2024年3月開催の取締役会において、第2号議案及び本議案が可決されることを条件として、取締役及び執行役員(社外取締役、監査等委員である取締役及び国内非居住者を除く。以下これらを総称して「取締役等」という。)の株式報酬比率を高めるなど、「役員報酬ポリシー」を見直すことといたしました。その概要は本議案の末尾のとおりですが、本議案は、当該方針に沿う内容の取締役等の個人別の報酬等を支給するために必要、かつ、合理的な内容となっております。また、本議案については、社外取締役を委員長とし、社外取締役が過半数を占める報酬委員会の審議を経て、取締役会にて決議しております。以上から、本議案の内容は相当であると考えております。
本制度の対象となる取締役の員数は、第3号議案「取締役(監査等委員である取締役を除く。)7名選任の件」をご承認いただきますと、本株主総会終結の時において4名となります。また、本制度は執行役員も対象としており、本制度の対象となる取締役を兼務しない執行役員の員数は本株主総会終結の時において22名となる予定です。本制度に基づく報酬には執行役員に対する報酬も含んでおりますが、本制度は、取締役に対する株式報酬と執行役員に対する株式報酬とを一体として取り扱うものであるため、本議案は、本制度に基づく報酬の全体につき取締役等の報酬等として提案するものであります。
なお、本議案は、第2号議案における定款変更の効力が生じた時をもって、その効力を生じるものといたします。
2.本制度における報酬等の額・株式数の上限等
(1)本制度の概要
本制度は、取締役等に対して、中期経営計画等の目標達成度等に基づき算定される当社株式及び当社株式の換価処分金相当額の金銭(以下「当社株式等」という。)並びに当社株式に生じる配当金の交付及び給付(以下「交付等」という。)を、当社が設定した信託(以下「本信託」という。)を通じて行う株式報酬制度です(詳細は後述(2)以降のとおり。)。なお、本制度は中期経営計画の対象となる3事業年度(以下「対象期間」という。)を対象としております。
(2)当社が拠出する金員の上限等
本制度の対象期間中、当社は取締役等の報酬として、対象期間毎に上限額を36億円として信託金を拠出し、受益者要件を充足する取締役等を受益者として対象期間に相当する期間の本信託を設定します。本信託は、信託管理人の指図に従い、信託金を原資として当社(自己株式の処分)又は株式市場から取得します。なお、本制度の改定後の対象期間は、2025年3月末日で終了する事業年度から、2027年3月末日で終了する事業年度までの3事業年度とします。
当社は信託期間中、取締役等に対しポイント(後述(3)のとおり。)を付与し、本信託は、一定の受益者要件を満たす取締役等に対し、取締役等の退任後に当社株式等の交付等を行います。
また、本信託の信託期間の満了時において、信託契約の変更及び追加信託を行うことにより本信託を継続することがあります。その場合、さらに本信託の信託期間を3年間延長し、当社は延長された信託期間毎に、本株主総会の承認決議を得た信託金の上限額の範囲内で追加拠出を行い、引き続き延長された信託期間中、取締役等に対し、ポイントの付与を継続します。ただし、係る追加拠出を行う場合において、延長する前の信託期間の末日に信託財産内に残存する当社株式(取締役等に付与されたポイントに相当する当社株式で交付等が未了であるものを除く。)及び金銭(以下「残存株式等」という。)があるときは、残存株式等の金額と追加拠出される信託金の合計額は、本株主総会で承認決議を得た金員の上限額の範囲内とします。この信託期間の延長は、一度だけに限らず、その後も同様に本信託を再継続することがあります。
本信託を終了する場合においても、信託期間(本信託の継続が行われた場合には、延長後の信託期間)の満了時に、受益者要件を満たす可能性のある取締役等が在任している場合には、ただちに本信託を終了させずに、当該取締役等が退任し、当社株式等の交付等が完了するまで、最長で10年間、本信託の信託期間を延長します。ただし、その場合には、取締役等に対する新たなポイントの付与は行いません。
(3)取締役等に交付等が行われる当社株式等の数の上限等
毎年6月に、役位に基づいた基準ポイントを付与し、対象期間の終了後、累積された基準ポイント(以下「累積ポイント」という。)に、評価指標の達成度に基づく業績連動係数を乗じて計算されるポイント(以下「株式交付ポイント」という。)に応じて取締役等に交付等が行われる当社株式等の数が決定されます(※)。対象期間の途中で退任(死亡を含む。)し、又は非居住者となった場合は、その時点の累積ポイントを株式交付ポイントとします。なお、目標達成時を100%として、60~200%の範囲で変動するよう設計しています。
本信託の信託期間中に取締役等に対して付与される株式交付ポイントの総数の上限は、3事業年度毎に150万ポイント(150万株相当)といたします。この株式交付ポイントの総数の上限は、前述(2)の信託金の上限額を踏まえて、直近の株価等を参考に設定しています。なお、株式交付ポイントの総数の上限の当社発行済株式総数(2024年3月31日現在、自己株式控除後)に対する割合は約0.7%です。
取締役等に交付等が行われる当社株式等は、在任中に付与された株式交付ポイントの累積ポイント数(以下「累積株式交付ポイント」という。)に応じて、1ポイントにつき当社株式1株として決定します。なお、本信託に属する当社株式が株式の分割、株式の無償割当て、株式の併合等によって、増加又は減少した場合、当社は、その増加又は減少の割合に応じて、1ポイント当たりに交付等が行われる当社株式等の数を調整します。
※ 2027年3月31日で終了する事業年度までの対象期間については、連結当期純利益の累計額、当社株式成長率及びESG関連指標(脱炭素、社会課題への対応、多様性、社員意識調査(主要項目)の伸び等)を評価指標とし、当該指標の目標達成度に応じて、60~200%の範囲で変動いたします。2028年3月31日に終了する事業年度以降の評価指標は、取締役会において別途決定するものとします。
(4)取締役等に対する当社株式等の交付等の方法及び時期その他株式交付条件
受益者要件を満たす取締役等は、退任後(死亡時は除く)に、上記(3)に基づき算定される累積株式交付ポイント数のうち一定の割合に相当する株数の当社株式(単元未満株式については切り捨て)の交付を受け、残りの当該ポイント数に相当する株数の当社株式については、換価した上で、その換価処分金相当額の金銭の給付を受けるものとします。
また、信託期間中に受益者要件を満たす取締役等が死亡した場合は、その時点での累積株式交付ポイント数に応じた株数の当社株式について、その全てを本信託内で換価した上で、その換価処分金相当額の金銭について、当該取締役等の相続人が本信託から給付を受けるものとします。
なお、受益者要件を充足する場合であっても、重大な会計の誤りや不正による決算の事後修正が取締役会で決議された場合、又は取締役等による非違行為等が取締役会で確認された場合には、全部もしくは一部の当社株式等の交付等を行わず、又は交付等を行った当社株式等もしくはその相当額の全部もしくは一部の返還を求めることができるものとします。
(5)本信託内の当社株式に関する議決権行使
本信託内にある当社株式(取締役等に交付等が行われる前の当社株式)については、経営への中立性を確保するため、信託期間中、議決権を行使しないものとします。
(6)本信託内の当社株式の配当の取扱い
本信託内の当社株式について支払われた配当は、本信託が受領した後、本信託の信託報酬・信託費用に充てられるほか、配当基準日における取締役等の保有するポイント数に応じて、1ポイント当たり1株の配当額に相当する金額を留保し、前述(4)により交付等が行われる当社株式等と共に取締役等に給付されます。
(7)その他の本制度の内容
本制度のその他の内容については、本信託の設定、信託契約の変更及び本信託への追加拠出の都度、取締役会にて定めます。
(ご参考)
<業績連動に係る各指標の目標を100%達成した場合の報酬割合>
(注1)親会社の所有者に帰属する当期純利益を指します。
(注2)各指標の実績が目標値の40%未満の場合、当該指標に係る報酬は支給されません。
(注3)当社のTotal Shareholders Return(TSR:株主総利回り)と配当込みTOPIXとの相対比較で評価を行います。
(注4) 中期経営計画に掲げたESG目標(脱炭素、社会課題への対応、多様性、社員意識調査(主要項目)の伸び等)の達成度を報酬委員会が評価を行います。
※ 2028年3月末日に終了する事業年度以降の評価指標は、取締役会において別途決定します。
<当社代表取締役社長の報酬イメージ(100%目標達成時)>
※1 総報酬支給額は業績連動に係る各指標の達成度に応じて、目標達成時を100%とした場合、約64%~約150%で変動します。
※2 業績連動報酬(中長期)は、BIP信託による株式交付ポイント付与相当額を報酬としています。
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