第23回 定時株主総会 招集ご通知 証券コード : 2768

②「中期経営計画2026」の進捗状況

1)「中期経営計画2026 - Set for Next Stage -」について
 当社は2030年の目指す姿として、「事業や人材を創造し続ける総合商社」を掲げており、Next Stageとして当期利益2,000億円と時価総額2兆円に成長させることをターゲットとしております。本中計は、このNext Stageを見据えて、成長基盤と人的資本の強化に取り組む中期経営計画と位置づけています。Next Stageに到達するためのキーメッセージとなる「双日らしい成長ストーリー」の実現に向け、成長基盤と人材への積極投資を行っていきます。

 本中計の具体的な定量目標として3点を掲げています。一つ目は、将来の成長に向けて、財務規律を堅持した上で6,000億円の投資を実行します。二つ目に、3ヵ年平均でROE12%超・当期利益1,200億円超をそれぞれ確保し、企業価値と株主価値の向上を図ります。三つ目に、基礎的営業キャッシュ・フローの3割程度を株主還元に充当します。

※基礎的営業キャッシュ・フロー:会計上の営業キャッシュ・フローから運転資金増減等を控除したもの
※株主資本DOE:支払配当÷株主資本
※株主資本:その他の資本の構成要素を除外した前期末自己資本

 双日らしい成長ストーリーの実現ならびに定量目標の達成のためには、当社の独自性や強みをさらに磨き上げ、競争優位を生み出すことが不可欠です。既存領域を核としてさらに磨き上げるとともに、多数の事業である「点」をつなぎ合わせ、掛け合わせることによって事業と収益の「カタマリ」構築を進めてまいります。また、全ての事業領域に必要不可欠な要素として「DX(デジタルトランスフォーメーション)」領域を全社横断的に強化しています。
 加えて、収益力の強化・競争優位の源泉として、継続して人的資本・ヒトの魅力(ちから)を強化してまいります。多様なスキル・経験を持つ自立した個の確立や、個の力を最大化する組織・カルチャーの組成に向けてヒトへの投資を積極的に進めています。

2)成長基盤の強化
 「中期経営計画2026」では競争優位性や独自性を追求し、高度な成長戦略を実行するための共通の考え方として「KATI(カチ)モデル」を設定し、事業の「カタマリ」を複数構築することに重点を置いております。これは、当社が知見や実績を有する事業を起点に、機能の拡張・応用や新領域への挑戦を通じて、個別の取り組みを持続的な収益基盤となる事業の「カタマリ」へ発展させていく考え方です。当社はこのモデルに基づき、勝ち筋のある事業領域において、新規投資の拡大、既存事業の磨き込み、外部パートナーとの共創を通じた事業再編を進める一方、事業の改善や勝ち筋の確立が見込めない事業については、撤退を含めた見直しを行うことで、構造改革を推進、収益成長と資本効率を両立し、Next Stageに向けた事業ポートフォリオへの変革を推進しております。

-エネルギーソリューション事業-
 米国において従来の電力・インフラ事業で培った知見・人材を活用し、McClure社の買収によりエネルギーソリューション事業へ参入しました。さらに、McClure社とは顧客基盤及び提供サービスが異なるFreestate社へのボルトオン投資を通じて、提供地域、顧客接点及び事業領域の拡大を進めております。また、豪州においてもEllis Air社、Climatech社などの買収により、省エネやデータセンター関連サービスを含むエネルギーソリューション事業を展開し、米国・豪州におけるカタマリ化を図っております。

-豪州インフラ開発事業-
 従来の共同デベロッパーに留まらず、主体的な収益機会の確保及び収益構造の多層化を狙い、豪州PPP事業のリードデベロッパーであるCapella社を買収しました。同社が有する豪州PPP領域での開発実績、豊富なノウハウ及び高度専門人材を取り込むことで、インフラ事業の開発・投資・運営を一体で手がける体制を強化しております。今後は、同社のリードデベロッパー機能と当社の資金力・運営力・グローバルネットワークを組み合わせることで、エネルギーインフラなどの新事業領域や豪州外の地域への展開も進めてまいります。

-化学事業-
 5,000社を超える顧客基盤及び長年培ったトレード実績をもとに、業界再編、地政学リスク、サプライチェーンの変化を先読みし、トレード機能の強靭化と収益機会の拡大を図っております。日本エイアンドエルの買収はリチウムイオン電池部材などの長年にわたるトレードを通じて蓄積した知見をもとに製造領域へ展開したものであり、既存の販売網及び顧客基盤との相乗効果を追求することで、事業の競争力強化と収益基盤の拡充に取り組みます。また、レアアースなどのクリティカルミネラルについても、経済安全保障の重要性を踏まえ、サプライチェーンの多角化を進めております。

 既存事業についても、勝ち筋のある事業では、機能の拡張や外部パートナーとの共創を通じて収益力及び資本効率の向上を図っております。船舶事業、北米貨車リース事業、国内商業開発運営事業などでは、ベストオーナーとなり得る外部パートナーへ事業の一部をシェアアウトしつつ、当社の強みである機能を提供することで、パートナーとともに事業を成長させ、持続的な成長を図る体制を構築しております。一方、豪州中古車事業、国内ディーラー事業、豪州原料炭事業など、事業の改善や勝ち筋の確立が見込めない事業については、撤退を含めた見直しを行い、構造改革を推進します。

-DX-
 当社は、全ての事業とデジタルの一体化を目指した“Digital-in-All”を掲げ、AI・デジタル技術の活用による価値創出を経営戦略の中心に据えています。
 当社事業とAI・デジタルを掛け合わせたプロジェクトとしては、IoT・AI画像解析を用いた本マグロ養殖事業における経営管理高度化、タイの農業プラットフォームでのAI土壌分析や単収最大化支援、デジタルスキャンによる中古車査定自動化、化学品トレードでのGraph-RAGとAIを用いた商機創出など、全7営業本部でAI・デジタル技術による価値創造を推進しています。
 また、当社は双日グループ全体でのAI利用拡大に対応する形でAIガバナンス体制を構築しています。加えて、CISO(最高情報責任者)を中心に商社特有の広範なサプライチェーン全体を保護するセキュリティ体制を敷いています。
 変革を担うデジタル人材育成は、実践重視のカリキュラムへと刷新させた新たなデジタル人材育成体系をスタートさせています。2026年3月末時点で応用レベルは825人(進捗率82%)、エキスパート136人(同68%)と育成は順調に進捗しています。本プログラムには各営業本部をけん引する本部長も参加し、AI・デジタル技術を駆使しながらDXをけん引しています。
 これらの取り組みが総合的に評価され、当社は「DX銘柄2026」に選定されています(2年連続、通算3回目)。今後も“Digital-in-All”による価値創造の取り組みを推進します。

3)キャッシュ・フロー・マネジメント
 基礎的営業キャッシュ・フローと資産入替を原資に、さらなる成長に向けた成長・ヒト投資と株主還元を実行します。基礎的営業キャッシュ・フローの7割程度を成長・ヒト投資に、3割程度を株主還元に充当します。
 これを踏まえ、2025年度の実績は以下のとおりとなりました。

※1 基礎的営業CF=会計上の営業CFから運転資金増減等を控除したもの
※2 自己株式取得を含む
※3 基礎的CF=基礎的営業CF+調整後投資CF-支払配当金-自己株式取得(調整後投資CF=会計上の投資CFに長期性の営業資産等の増減を調整したもの)

4)剰余金の配当等の決定に関する方針
 「中期経営計画2026」期間累計の基礎的営業キャッシュ・フローの3割程度を株主還元する方針です。
(a)配当
 ・安定的かつ継続的な配当を行うため株主資本DOE4.5%を配当方針とし、業績変動や株価・為替による影響を最小限に抑える
 ・当期純利益による株主資本の積み上げが、株主還元による株主資本の減少幅を上回る限りにおいて、累進的に増配となる配当方針

(b)自己株式取得
 ・キャッシュ・フロー・マネジメント方針に基づき、「中期経営計画2026」期間を通じて機動的に自己株式取得を実施

 この方針に基づき、当期の期末配当金につきましては、1株当たり82.5円とします。1株当たり82.5円の中間配当を実施していますので、当期の年間配当金は1株当たり165円となります。
 また、当期においては、2025年5月2日~2025年7月31日の期間中に自己株式2,800,000株を9,956,291,082円にて取得しました。2025年8月29日には、15,000,000株(消却前の発行済株式総数に対する割合約6.7%)の消却を行っております。
 なお、当社は会社法第459条第1項の規定に基づき、剰余金の配当を取締役会決議により行うことができるよう定款に定めております。

5)人的資本の強化
 人的資本を通じた価値創出の考え方

 当社グループでは、Next Stageの達成に向け、「個を強くする」「個を活かす組織」を人材・組織変革の軸に据えています。一人ひとりが自ら考え、挑戦を通じて学び続けることが個と組織の成長スピードを高め、事業創出力と事業経営力の向上につながると考えています。
 こうした考え方の背景には、事業を取り巻く環境変化があります。生成AIをはじめとする技術革新の加速度的な進展により、ビジネスの前提や競争条件が常に変化する中、持続的な価値創出を実現していくためには、従来の延長線上にとどまらない思考と、実行の質及びスピードを高めていくことが求められています。
 当社グループは、2030年の目指す姿である「事業や人材を創造し続ける総合商社」の実現に向け、人材戦略基本方針として「自らの意思で挑戦・成長し続ける多様な個」「多様な個の力を最大化するミドルマネジメントの強化」「環境変化を先読みした機動的な人材配置・抜擢」の3点を掲げ、各種取り組みを進めています。
 個の成長には、自律的に挑戦・行動と改善を繰り返すサイクルが重要であり、その成長スピードを一層加速させるべく、双方向・多方向の「フィードバック」を個の成長を実現する中核的な取り組みと位置づけています。互いに高め合う組織文化のもと、気づきを与え、それを傾聴・受け止め、考えるといった対話を通じ成長へとつなげます。フィードバックの定着・浸透を通じて、自律的な思考と実行力の質を高め、変化を先読みして価値を提供できる人材と組織を基盤とした双日らしい成長ストーリーの実現を目指します。

6)サステナビリティに関する考え方及び取り組み
(a)サステナビリティ チャレンジ
 当社は、「双日グループ企業理念」に基づき、事業を通じて当社グループと社会の持続的な成長を実現し、「2つの価値(双日が得る価値と社会が得る価値)」の最大化を目指しています。
 この2つの価値の最大化に向け、当社はサステナビリティを重要な経営課題と位置づけ、「マテリアリティ(サステナビリティ重要課題)」を、中期経営計画をはじめとする経営戦略・事業戦略に反映しています。
 また、2050年に向けた長期ビジョンとして「サステナビリティ チャレンジ」を策定し、「サプライチェーンを含む人権尊重」及び「脱炭素社会実現への挑戦」を重点テーマとして取り組んでいます。
 詳しくは、当社ウェブサイトをご参照ください。
 https://www.sojitz.com/jp/sustainability/policy/basic/
 https://www.sojitz.com/jp/sustainability/materiality/

(b)サプライチェーンを含む人権尊重
 当社グループは、グローバルに事業を展開していることから、国・地域や産業を問わず、サプライチェーンにおける人権尊重を重要な経営課題と認識し、人権リスクの把握及び低減に取り組んでいます。また、当社グループは、「国際人権章典」及び国際労働機関(ILO)の「労働における基本的原則及び権利に関する宣言」を支持するとともに、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」フレームワークに沿って人権尊重への対応を行っています。
 方針の策定・共有
 当社グループは、「双日グループ人権方針」や「双日グループサプライチェーンCSR行動指針」を策定し、グループ会社や取引先に対して周知・浸透を図っています。2025年度は、本社従業員を対象とした人権に関するe-ラーニングを実施し、約2,000人が受講しました。また、海外は主に中東・アフリカ及び東南アジアの拠点、国内は中核事業会社等を対象として研修や対話を実施しました(計28回、約400人参加)。
 リスク評価
 当社グループは、多様な地域・事業にまたがるサプライチェーンに関与していることを踏まえ、リスクベースアプローチにより人権リスクの特定・評価を行い、リスクの高い事業分野を特定のうえ、定期的な見直しを行っています。これにより、サプライチェーン全体での人権リスクを分析・確認し、必要な対応につなげています。
 改善・救済
 当社グループは、サプライチェーンにおける人権に関する負の影響を早期に把握し、是正・救済につなげるため、グリーバンスメカニズムを整備し、人権に関するご相談やお問い合わせ窓口を通じて適切な対応を行うことで、人権への負の影響の防止・軽減に努めています。

(c)脱炭素社会実現への挑戦
 当社は、「サステナビリティ チャレンジ」の達成に向けて、気候変動対応を重要な経営課題の一つと位置づけ、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを進めています。Scope1及びScope2については、2050年までのネットゼロ達成を長期目標として掲げています。また、従来の中間目標として、2019年度時点の事業を対象に、エネルギー起源CO2を2030年までに2019年度比6割削減する目標を設定しており、2024年度時点で4割程度の削減を達成しました。
 また、事業ポートフォリオの変化を踏まえ、2024年度時点の事業を対象とした、新たな中間目標を策定し、2035年までにGHG排出量を2024年度比で4割削減し、このうちScope2については2035年までにネットインパクトゼロを目指しています。
 Scope3については、サプライチェーン上のリスクであると同時に、脱炭素社会への移行に伴う新たな事業機会でもあると認識しており、特に排出の多い資源権益に関しては削減目標を定めています。一般炭権益はすでに約9割の削減を達成しています。
 当社は自社の排出削減にとどまらず、総合商社ならではのネットワークと事業間連携による事業創出こそが、脱炭素社会実現への貢献であると考えており、社会全体のGHG削減に貢献する「削減貢献」を今後も拡充していく方針です。具体的には、再生可能エネルギーによる発電、バイオガス製造、高効率ガス火力や、森林保全・吸収に関する事業による直接的な貢献に加え、省エネルギーサービス、電力小売、化学分野における脱炭素・環境対応型ビジネス等を通じた間接的な貢献も含まれます。当社は、これらの取り組みを通じて、脱炭素社会への移行を当社グループの持続的な成長につなげていきます。

■Scope1、Scope2の目標と進捗

双日単体、国内外全連結子会社及び経営支配力アプローチにて報告対象となるUnincorporated JV(注4)が対象。石炭火力発電は現在保有なし、今後も保有しない。

(注)
  1. 2019年度を基準年としてエネルギー起源CO2対象
  2. 2024年度を基準年としてGHG対象
  3. ネットインパクトゼロ:自社の排出量から、吸収除去・オフセット量と、事業を通じて実現した削減貢献量を差し引き、ゼロとする考え方
  4. Unincorporated Joint Venture:共同支配事業

■Scope3(資源権益事業)の目標と進捗

(注)

2018年を基準とした権益資産の簿価ベース

(d)自然資本(生物多様性、水リスク)への対応
 当社グループは、生物多様性を含む自然資本の維持・保全が事業の持続性に重要であると認識しており、国際的なガイダンスを参照しつつ、事業活動における自然資本への依存及び影響の分析を実施しています。
 特に、当社グループの事業と関係性の深い自然資本として「水」に着目しており、当年度は当社グループにおいて自然資本とのかかわりが大きい水産バリューチェーンを対象に、TNFD(注)フレームワークに基づくLEAP(Locate、Evaluate、Assess、Prepare)分析を実施しました。具体的には、マグロの養殖を行う双日ツナファーム鷹島、水産品加工を行うマリンフーズ、トライ産業等を対象として、自然関連リスク及び機会についてシナリオ分析と重要性評価を実施するとともに、関連する指標及び目標を設定しました。また、当社グループはTNFDアダプターとして登録し、同フレームワークに沿った開示及び分析の高度化を推進しています。今後も、内外環境の変化を踏まえた定期的な評価を継続し、必要に応じて具体的な対応を検討していきます。

(注)

Taskforce on Nature-related Financial Disclosures:国連開発計画(UNDP)などによって設立された「自然関連財務情報開示タスクフォース」の略称であり、企業が投資家や市場に対して自然に関連するリスクや機会等を開示するためのフレームワークを策定している。

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2026/06/30 11:00:00 +0900
2026/06/30 13:00:00 +0900
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