当事業年度の事業の状況

① 事業の経過及び成果

 当社のグループ経営理念は『価値ある豊かさの創造』でありますが、「ひとりでも多くのお客様に安くておいしい料理を気持ちのよいサービスで清潔な店舗で味わっていただく」という私達のミッションを実現し、お客様の生活がより豊かになり、より快適に過ごしていただけるよう、地域に根差した店舗づくりを推進しております。

 昨今の厳しい外部環境の中、継続的なお客様の支持を頂くため、2019年も「店舗と従業員への投資」を最重要経営方針と位置付け実行してまいりました。

 すかいらーくグループのブランドポートフォリオを通じてお客様の多様なライフスタイルや地域毎のお客様ニーズへ対応し、お客様に最高の店舗体験を味わって頂くために、グループ全体で86店舗の新規出店、62店舗の業態転換、175店舗のリモデル(時代に即したデザインへの刷新)(注1)を行いました。主なハイライトとして、新型ファミリーレストランのポジションにある「しゃぶ葉」やテイクアウト需要にも対応する「から好し」の急速な多店舗展開(2019年度末店舗数「しゃぶ葉」268店舗、「から好し」66店舗)、滞在型の「むさしの森珈琲」の出店、シニア向け「藍屋」・「夢庵」個室化リモデル実施、「バーミヤン」の地方出店の再開等を積極的に推進いたしました。また店舗環境改善の為の修繕や消耗品への支出強化を行い、お客様の店舗体験改善に努めました。デリバリー事業(宅配)もお客様のオーダーシステムの改善や配送効率化による配達時間の短縮化に取り組み、前年同期比+7.4%の売上成長を実現しました。

 また、従業員の働く環境を整えワークライフバランスを向上させるため、店舗営業時間の見直しを行っています。2019年の年末は、従業員が年末年始という大切な時間を家族と過ごせるよう、大みそかから翌日の元旦にかけて全店舗の80%にあたる約2,700店で営業時間を短縮しました。2020年も、2020年1月20日に発表した24時間営業の全店廃止を皮切りに、さらなる営業時間の最適化を図ってまいります。また、2019年9月1日より、グループ全店舗(約3,200店)で敷地内禁煙を実施しています。お客様、そして働く従業員の健康増進と職場環境の改善を目的として、法令に先立ち実施いたしました。

 このように、すかいらーくグループは店舗と従業員への投資を積極的に行い、店舗環境の改善と従業員のワークライフバランスの改善に積極的に取り組んでいます。

 次に、コスト削減についてですが、まず原価対策として、購買・加工・物流における最適化を継続的に実施しております。店舗で加工していた食材をセントラルキッチンで集中して加工することで生産性を高め、さらにその生産ラインに設備投資を行って生産を自動化するなど、購買から加工、物流、店舗での料理提供に至るまでの全工程を最適化し、業界トップクラスの原価率を実現しています。なお、2019年度の原価率は前年同期比同水準の30.4%となりました。

 一般経費は、店舗数の増加、最低賃金の上昇や正社員のベースアップなどを要因とし人件費が増加し、店舗労働時間・水光熱使用量を抑えましたが、販売費及び一般管理費の売上高比率は前年同期より0.2%悪化し63.1%となりました。

 人件費に関しましては、継続的な単価上昇と採用難の高止まりが予測されるため、複合的な対応が必要と考えております。店舗の作業負荷を軽減し従業員が働きやすい職場環境を構築するとともに、デジタル化によるビジネス基盤の強化を図ることで生産性の向上を推進し、人件費の高騰に対応していきたいと考えております。

 なお、当連結会計年度では無形固定資産のうち13億58百万円を減損損失として計上しています。これは、店舗システム開発において、店舗のテーブル端末(デジタルメニューブック)やキャッシュレス決済等の新規機能を追加するなどの方針変更により、改修や転用ができない部分の見積りがおおよそ確定したためであります。

 以上の結果、当連結会計年度の売上収益は3,753億94百万円(前年同期比90億34百万円増)、営業利益は205億62百万円(前年同期比22億95百万円減)、税引前利益は167億29百万円(前年同期比18億67百万円減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は94億87百万円(前年同期比19億51百万円減)となりました。EBITDA(注2)は719億41百万円(前年同期比347億15百万円増)、調整後EBITDA(注3)は762億37百万円(前年同期比369億61百万円増)、調整後当期利益(注4)は100億67百万円(前年同期比27億48百万円減)となりました。なお、EBITDA及び調整後EBITDAの大幅な増加はIFRS第16号「リース」の適用によるものであります。当連結会計年度末時点での店舗数は3,258店舗(期首時点は3,200店舗)となりました。


(注1)リモデルとは店舗内外の改装であり、当社は毎年約100~200店舗のリモデルを行っております。
(注2)EBITDA=税引前利益+支払利息+期限前弁済に伴う借入金償還損及び付随するヘッジ関連損益+その他の金融関連費用(期限前弁済に伴う借入金償還損及び付随するヘッジ関連損益を除く)-受取利息-その他の金融関連収益+減価償却費及び償却費+長期前払費用償却費+長期前払費用(保証金)償却費
・その他の金融関連費用は、連結純損益計算書上はその他の費用として記載しています。
・その他の金融関連収益は、連結純損益計算書上のその他の収益のうち、債務時効消滅益を除いた金額となります。なお、第3期から第5期まで及び第7期から第9期のその他の金融関連収益の額は、連結純損益計算書上のその他の収益の額と一致しております。
(注3)調整後EBITDA=EBITDA+固定資産除却損+非金融資産の減損損失-非金融資産の減損損失の戻入れ+BCPLマネジメント契約に基づくアドバイザリー報酬額(定期報酬含む)+上場及び売出関連費用(上場記念賞与含む)+適格上場に伴う会計上の見積変更額
(注4)調整後当期利益=当期利益+BCPLマネジメント契約に基づくアドバイザリー報酬額(定期報酬含む)+上場及び売出関連費用(上場記念賞与含む)+期限前弁済に伴う借入金償還損及び付随するヘッジ関連損益+適格上場に伴う会計上の見積変更額+IFRS第9号「金融商品」(2014)適用に伴う金融負債の条件変更に係る関連損益(会計方針変更による遡及適用に伴う影響額の再調整含む)+調整項目の税効果調整
(注5)BCPLマネジメント契約とは、当社とベインキャピタル・パートナーズ・LLCの間のマネジメント契約を意味します。なお、同契約につきましては、2014年7月17日に締結した変更契約に基づき、当社が上場した時点で終了しております。
(注6)上場及び売出関連費用とは、当社株式の上場及び売出し時に発生したアドバイザリー報酬額、上場記念品購入費用等の一時的な費用であり、下記(注7)に記載の適格上場に伴う会計上の見積変更額を含んでおりません。
(注7)当社株式が適格上場(適用される証券法に基づく届出書により、又は当社株式が日本の証券取引所に上場することにより、当社の議決権の過半数に係る株式について金銭を対価とする公募又は売出しがなされることをいう。以下同じ。)の要件を満たすことにより、①当社が当社の役員及び従業員に付与した持分決済型の株式報酬(第1回新株予約権、第2回新株予約権及び第3回新株予約権)(以下「SO」という)及び②当社が当社の役員及び従業員との間で締結したCash-Settled Stock Appreciation Right Agreement(以下「SAR契約」という)に基づき、当該役員等による現金決済型株式評価益権(以下「SAR」という)の全部又は一部の行使が可能となり、また、③当社が当社の役員及び従業員との間で締結したDeferred Compensation Agreement(以下「DC契約」という)に基づき、当社はDC契約の相手方に対し、当該契約で定められた額の金銭(以下「DC」という)を交付する義務が生じることとなりました。SO、SAR及びDCの会計処理に用いる見積りに関しては、適格上場の成立が重要な影響を及ぼしており、当社株式が適格上場の要件を満たしたことに伴い、当該会計処理に用いる見積りに変更が生じました。「適格上場に伴う会計上の見積変更額」とは、SO、SAR及びDCに関する権利確定期間及び失効数の見積りの変更に伴う、当該会計処理に用いる見積りに対する影響額をいいます。


② 設備投資の状況

 当連結会計年度の設備投資は総額203億86百万円であります(使用権資産の取得を除く)。
 その主なものは、新規出店(86店)とブランド転換工事(62店)、リモデル(175店)を含む店舗設備、工場機械装置の入替を含む工場設備及び本部設備等であります。
 所要資金については自己資金及び借入金を充当いたしました。


③ 資金調達の状況

 当社は当連結会計年度に、既存借入金の借換を目的として1,070億円、新規出店等の設備投資計画の実行のため30億円の合計1,100億円の借入を行いました。


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2020/03/27 12:00:00 +0900
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