事業報告

対処すべき課題

 今後のわが国経済の動向につきましては、きわめて緩和的な金融環境と政府の経済対策および2020年東京オリンピックに向けた堅調な設備投資動向に加え、雇用・所得環境の改善が進む見込みであることなどから引き続き緩やかな回復基調を維持するものと思われます。ただし、中国や欧州経済の動向、朝鮮半島動向、為替動向など不確実な海外要因については引き続き十分な注意が必要と考えられます。

 こうした環境下、当社は中期経営計画「Bridge to the Future ~未来への架け橋~」に基づき、「財務体質の強化」「プロパー事業の強固な基盤作り」と「利益の底上げ」を最優先課題として取り組み着実に成果を挙げつつあります。さらに、昨今の業績の回復状況や今後の見通しを踏まえ、当社株式の魅力を高め、より多くの皆様に中長期的に保有していただけることを目的として株主優待制度を導入いたしました。

 かかる中、次期におきましては、順調な商業施設事業に支えられ引き続き安定的な黒字基調で推移する見通しであることから前期比増収増益の計画となりますものの、昨今の事業環境を踏まえ、想定に比べて伸び悩んでいる繊維・アパレル事業とヘルスケア事業の売上高を保守的に見積もることが妥当と判断し中期経営計画を下方修正することといたしました。


 なお、中期経営計画の財務目標(①経常利益率5%以上、②ROE5%以上、③流動比率120%以上、④自己資本比率25%以上)は、引き続き達成出来る見通しに変わりなく修正はありません。

 以上を踏まえ、当社グループの対処すべき課題は以下のとおりであります。

  • ・財務体質の強化
     シンジケートローンにより長期安定資金を調達したことや最終黒字が定着してきていることなどを主因に、財務体質は概ね計画に沿って改善してきております。今後とも財務戦略に則り、各種財務目標の達成に向けて取り組んでまいります。
  • ・商業施設事業
     静岡県下有数の商業施設である「サントムーン柿田川」におきまして、ライバルを凌駕するポジションを持続させ競争優位を固めることが課題です。そのため、平成29年2月にスタートさせた株式会社シードとの資本業務提携を軸に、次期中期経営計画を睨みつつ、「サントムーン柿田川」の追加開発の検討など新たなステージで商業施設事業を一段と成長させていきたいと考えております。
  • ・ヘルスケア事業
     当社の事業戦略である「健康長寿社会への貢献をテーマに取引先とのアライアンスを含めた協業を推進する」との方針に則り、平成29年2月に100年以上の業歴を有する医療機器メーカーである伊藤超短波株式会社と資本業務提携をスタートさせました。今後は、資本業務提携を軸に据えて、ペット関連のヘルスケアや医療機器分野への本格的参画など、次期中期経営計画を睨んだ新しいヘルスケア事業分野の開拓も推進していきたいと考えております。また、当社の強みである国内グループ工場活用によるJapanクオリティの訴求や当社技術を基にしたEウールなどの機能性素材を一層活用して取り組んでいく考えでございます。
  • ・繊維・アパレル事業
     構造改革後の事業再構築により成長軌道に乗る準備を進めており、構造改革に伴う経費削減効果により10期ぶりのセグメント営業損益の黒字化を達成いたしました。今後は、祖業の毛織物に由来するニット事業やユニフォーム事業での売上高伸長に向け営業力強化を進めるとともに、引き続き経費を抑制し利益率を維持向上させるべく取り組む考えでございます。
  • ・コーポレートガバナンス・コードに沿った経営推進
     株主を始めとするステークホルダーの立場を踏まえて、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うとともに、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上のための自律的な対応を推進します。当社は平成28年6月に監査等委員会設置会社に移行しており、そのチェック機能を十分に活かした経営推進を行う考えでございます。
  • ・人材戦略
     HRミッション(社会的人材の育成に対する企業の使命)への取り組みを進め、当社事業ひいては社会に貢献できる人材を育成する考えであり、特に若手や女性戦力の活用や経営人材の育成に関する取り組みを強化いたします。

 以上のとおり、当社グループは、120年間にわたり脈々と受け継がれた経営理念である「進取の精神」と世の為人の為に尽くす「自利利他の心」を柱に、グループ一丸となって、中期経営計画「Bridge to the Future ~未来への架け橋~」を推進し、企業価値の一層の向上に邁進する所存でございますので、株主の皆様には倍旧のご支援・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。