第23期定時株主総会招集ご通知 証券コード : 3825
当社グループは、これまで社会が変化するタイミングで、投資・事業開発を積極的に進めてまいりました。当社の事業セグメントは、デジタルアセットマネジメント事業、エネルギー事業、蓄電ソリューション事業及びその他事業となっております。
当社が電力小売業を展開するエネルギー事業の分野においては、電力需給がひっ迫する夏季・冬季における電力取引価格が著しく高騰する傾向にあり、また、国際紛争がエネルギー価格に与える影響など電力取引価格の動向は引き続き不透明であるものの、ロシアによるウクライナ侵攻直後と比較すると、落ち着きを見せておりました。しかしながら、今年2月28日に行われた米国とイスラエルによるイランへの大規模な軍事攻撃を契機にホルムズ海峡が実質的に封鎖状態となりました。これらの影響により2月末から原油価格が上昇し、現在も中東情勢の先行きが不透明であることから、引き続き原油価格は高い水準で推移しております。我が国の電源構成は、火力発電が約7割を占めており、電源構成全体のうち1割程度が石油、3割はLNGによって発電されています。日本のLNG調達価格の多くは、長期契約において原油価格と連動する仕組みとなっているため、原油価格が上昇した場合、時間差はあるもののLNG調達コストにも影響が及ぶことから、今後の電力価格への影響が懸念されております。
また、将来にわたって日本全体の電力供給力(kW)を確保する目的で創設された容量市場は、需要家や発電事業者だけでなく、当社のような小売電気事業者にとってもメリットがある制度であるものの、容量拠出金の拠出額水準によっては経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。さらに、エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律(以下、「エネルギー供給構造高度化法」といいます)は、一定規模以上の小売電気事業者に対して販売量に応じた非化石証書の調達義務を課しており、具体的には、2030年には、供給電力の非化石電源比率44%以上という目標が定められ、目標達成の確度を高めるために、国は毎年事業者ごとに中間目標を設定しております。当社ではNon-FIT低圧太陽光発電所の開発を進めておりますが、今後、非化石証書の調達が過大な負担となることも考えられます。加えて、2030年には、「量的な供給能力確保義務」が課せられることが予定されております。これは、小売電気事業者に「実需給の3年度前に想定需要の5割、1年度前に7割」を「現物電源」で確保することを義務化するもので、これにより小規模事業者は事業継続が困難となる可能性も示唆されております。当社は、これらの課題に対し、長期的な相対電源の確保や適切な商品ミックスの構築による収益モデルの見直しなど適切に対応してまいります。
またデジタルアセットマネジメント事業における暗号資産投資につきましては、暗号資産価格のボラティリティが高く、経済情勢、暗号資産に関わる市場環境や金融市場の動向の影響を受けるため、暗号資産価格の変動が損益に過大な影響を与える可能性があります。
(1)デジタルアセットマネジメント事業における課題
デジタルアセットマネジメント事業は、主に暗号資産の取得・保有・運用等を推進しております。デジタルアセットマネジメント事業を取り巻く事業環境といたしましては、ブロックチェーン技術を利用したサービスの提供は中長期的には拡大が予想され、それに伴って暗号資産の存在感もさらに増していくと考えております。近年においては、米国における金融政策の動向や、地政学リスク等による外国為替市場の動向も注視されている一方で、中東情勢の緊迫化やホルムズ海峡の事実上の封鎖による原油価格高騰など、依然として景気後退懸念や地政学リスクが常態化しており、暗号資産市場は引き続き先行きが不透明な状況が続いています。資産価値の中長期的な保全の観点からも保有暗号資産の多くを中長期的に保有するとともに、保有する暗号資産を重要な事業アセットと捉え、暗号資産を活用した収益獲得機会の創出等を図っていくことが課題となります。
(2)エネルギー事業における課題
中長期的には、2050年カーボンニュートラル達成に向けての電源の低炭素化推進、再生可能エネルギー発電の活用や環境価値の高い電力供給プランなどがありますが、短期的には、事業利益が、変動する電力調達価額や2025年3月期より開始された容量拠出金の拠出額に左右されぬよう、需要家に価格変動リスクを適切に転嫁する商品ごとの設計や電力調達の仕組みの構築があげられます。また、エネルギー供給構造高度化法で電気事業者に求められている非化石電源比率(中間目標)への対応のほか、2030年に義務化予定の「量的な供給能力確保義務」への対応として、長期的な相対電源の確保や適切な商品ミックスの構築による収益モデルの見直しなど適切に対応してまいります。
(3)蓄電ソリューション事業における課題
蓄電ソリューション事業は、主に蓄電池事業及び省エネルギー化支援コンサルティング事業から構成されております。蓄電池事業は、代理店を通じて顧客に販売されるBtoB取引が主となります。よって、販路拡大のために蓄電池販売を得意とし販売力のある代理店を獲得することが課題となります。
また、蓄電ソリューション事業においては、今後、従来型の蓄電池販売事業だけでなく、FIP転化事業や系統用蓄電池事業も展開しております。事業の収益化のためには、案件の仕入段階から出口戦略の実行に至るまで、社内外との綿密な連携を図り、スムーズな業務遂行とキャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)の最適化が課題となります。
省エネコンサルティング事業では、これまでの事業者向けのエネルギー使用合理化・省エネ関連のソリューションに加え、BCP(事業継続計画)対策や家庭における防災・減災対策として、再生可能エネルギー、蓄電池及び発電機の組み合わせなどによる提案を積極的に展開してまいります。省エネルギーや防災・減災といった一部の効用にとどまらず、レジリエンス向上を促すための取り組みを推進してまいります。
(4)経営環境の変化への機動的な対応、これによる事業機会及び収益の追求
将来にわたる持続的な成長を実現するため、事業規模及び収益の拡大を戦略的に推進する必要があります。当社グループは、市場のニーズやウォンツを的確に捉え、社会・時代の変化に機動的に対応し、既存事業の強化、派生ビジネスへの取り組み、新しい発想・視点による新規の事業機会の創出をたえず行ってまいります。さらに、事業ポートフォリオを定期的に見直し、収益力及び効率性の向上を推進し、中長期的な成長基盤の確立を図ってまいります。また、成長を加速するために、その時々の経営環境を鑑み、特に、脱炭素を志向する環境意識の高い企業との協業等を含めた他の企業グループとの連携や戦略的な投資を推進してまいります。
(5)内部管理体制の拡充並びにコンプライアンス及びリスクマネジメントの強化
当社グループは、社会的責任を果たし、持続的な成長と企業価値向上を図るために、実効的なコーポレート・ガバナンスを実現することを目的として、2017年12月に策定した「コーポレート・ガバナンス基本方針」(2021年12月及び2025年7月一部改訂)において、コンプライアンスの徹底及びリスクマネジメントに対し積極的な取り組みを行う姿勢を明確にいたしました。コーポレートガバナンス・コードの改訂その他事業環境の変化に応じて、当社グループにふさわしいコーポレート・ガバナンスの実現に努めてまいります。また、引き続き、グループ全体において、継続的な啓発活動及び教育研修を実施し、一人ひとりが高い倫理観を醸成し、良識と責任のある行動をとることのできる企業風土を形成してまいります。
(6)優秀な人財の確保・育成
当社グループは、中長期的な経営戦略の遂行及び対処すべき課題への取り組みに際して、事業環境の変化に円滑に対応して社会的な価値を創出することのできる優秀な人財の確保・育成が必須であると考えております。業容拡大のもと、意欲のある経験値の高い人財を確保するとともに、持続的な成長を支える人財の育成、個々のパフォーマンスの最大化のため、就業環境の整備・改善に注力してまいります。
(7)ダイバーシティの推進
当社グループでは、これまで複数の国籍の人財を登用してまいりましたが、今まで以上に、グローバル化の推進、個性の尊重、人財の経験・スキルの多様性の向上、信頼関係作りの強化に取り組んでまいります。また、取締役だけではなく、執行役員、部長などの経営幹部への女性登用の拡大を推進してまいります。そのために、多様な個々の従業員が意欲をもって活躍できるための就労環境の整備、職場コミュニケーションの改革、人財育成等の人事・労務施策の実施に努めてまいります。