第30回定時株主総会招集ご通知

拝啓
時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
また、平素より当社グループの事業活動に賜っております格別のご支援とご高配に対し、謹んで御礼申し上げます。

当社はこのたび、2025年5月期をもちまして、創業30周年というひとつの節目を迎えるに至りました。
この30年という歳月の厚みが、単なる時間の積層にとどまらず、変化の波に抗い、あるいはそれを機会と捉えながら、自らを変え、前へと歩み続けてきた「選択」の集積であったことを、あらためて噛みしめております。

技術革新がめざましく進行する中で、私たちが拠りどころとしてきたのは、いかなる時代にあっても、結局のところ人間が人間として思考し、行動し、そして創造する力にほかなりませんでした。
すなわち「人間力」と「創造力」こそが、私たちが社会と真摯に向き合い、新たな価値をかたちにしてきた原動であり、それは今なお当社グループの根幹に息づいております。

経営体制においても、私たちは刷新の途上にあります。
変化に先んじ、俊敏にして柔軟な意思決定を可能とする構造へと組織を再定義する中で、重要なのは、変わることを恐れず、むしろ変わり続けることに美学を見出す精神、すなわち、創業のときより私たちの内奥に脈打ち続けるDNAをいかに今のかたちに変奏できるか、という問いにほかなりません。

迎える第31期は、単なる通過点ではなく、「次の30年」への第一歩としての象徴的時間と捉えております。
世界は今、「技術の進化」と「社会課題の複雑化」という二重のうねりの中にあり、AI、クラウド、サイバーセキュリティ、そしてデジタルガバメントといった領域は、もはや特定の産業にとどまらず、社会そのものの輪郭を変えつつあります。

かかる環境において、当社グループの存在意義もまた、静かに、しかし確かに変容を求められております。私たちはこれを自己革新の契機と捉え、時代に応じた新たな輪郭を自ら描いてまいります。

その中核に据えるもの――それは、「サステナビリティ経営」と「人的資本への戦略的投資」であります。
環境・社会・ガバナンスという多元的視点からの実践を深化させると同時に、多様な人材が成長し続け、挑戦を自らの選択として受け止められる組織づくりを推進してまいります。
人が育つ場であること、すなわち、企業が未来に希望を語り得る唯一の根拠であることを、私たちは経営の本質として掲げております。

結びにあたり、この30年にわたり、当社の歩みを支え、共に未来を見てくださった株主の皆さまに、あらためて深く感謝申し上げます。
そして、これからの30年という時間が、過去の延長ではなく、新たな価値創造の地平として切り拓かれていくために、私たち自身もまた、問い続け、学び続け、変わり続ける覚悟を胸に、進んでまいります。

今後とも、変わらぬご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

敬具