事業の経過およびその成果

 当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善が続くなかで、個人消費に持ち直しの動きが見られるなど、緩やかな回復基調が続きました。
 国内化粧品市場においては、訪日観光客のインバウンド消費が年間を通じて堅調に推移しましたが、足元の伸長は鈍化傾向にあります。なお、インバウンド消費を除く市場規模は縮小していると推察されます。海外化粧品市場においては、中国を中心に、アジアでは堅調に成長し、緩やかな拡大傾向が続いております。
 このような市場環境のもと、2017年からスタートした4ヶ年中期経営計画(2017年から2020年)に基づき、国内のさらなる収益性向上と海外事業での黒字化、次世代の成長ブランド創出を達成すべく、取り組みを進めてまいりました。
 以上の結果、当連結会計年度における業績は次のとおりとなりました。
 売上高は、基幹ブランドであるPOLAブランドに加え、育成ブランドであるTHREEブランド及びDECENCIAブランドの好調により、前年同期比1.7%増の248,574百万円となりました。営業利益は、売上高増による売上総利益増加により、前年同期比1.6%増の39,496百万円、経常利益は、円高に伴う為替差損の計上により、前年同期比0.8%減の38,954百万円となりました。以上の結果に加え、Jurliqueブランドに係る固定資産の減損損失及び医薬品事業からの撤退決定に伴う事業整理損を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比69.1%減の8,388百万円となりました。


 各事業別セグメントの業績は以下のとおりであります。

 ビューティケア事業は、基幹ブランドとして「POLA」「ORBIS」を、海外ブランドとして「Jurlique」「H2O PLUS」を、育成ブランドとして「THREE」「DECENCIA」に加え、新たに「Amplitude」「ITRIM」「FIVEISM×THREE」を展開しております。
 POLAブランドでは、ブランド認知向上を足がかりにさらなる事業基盤強化、ブランド価値向上を進めるべく、高機能商品の投入及び育成、戦略的な店舗網の拡大に取り組んでおります。国内市場においては、日本で初めて承認されたシワを改善する薬用化粧品「リンクルショットメディカルセラム」を2018年1月に価格改定しました。顧客総数の増加と、その他商品とのクロスセルに繋がっております。また、10月にはポーラ最高峰シリーズ「B.A」初の「印象ゾーンケア」が誕生しました。目もとにはじけるような立体感を目指す「B.Aアイゾーンクリーム」、血色感があり、みずみずしいハリ、立体感のある唇を目指す「B.Aリップバーセラム」を発売しております。ポーラ生命科学研究の最先端の理論を取り入れ、常に新たな美の価値を市場に投入してまいります。海外市場においては、「リンクルショットメディカルセラム」を6月に香港、台湾、9月にタイにて発売を開始しました。また、中国では本格エステサービスを始動し、アジア圏での更なるブランド価値拡大により、全体として好調に売上成長しております。以上の結果、POLAブランドは前年同期を上回る売上高・営業利益となりました。
 ORBISブランドでは、高収益事業へと再成長を遂げるため、ブランド差別性の創出や一貫した市場発信による、存在感の向上に取り組んでおります。国内市場においては、主力商品を中心としたプロモーションを強化してまいりました。2018年10月には新たなブランドメッセージ「ここちを美しく。」を掲げ、全面刷新したエイジングスキンケア「オルビスユー」シリーズの発売を開始しました。ORBISブランドとしての新たな姿勢を打ち出し、積極的な施策を行ったことにより、新規顧客の獲得に貢献したものの、全体の売上を押し上げるには至らず、前年同期を下回る売上高となりました。海外市場においては、中国市場での成長トレンドを維持しております。以上の結果、ORBISブランドは前年同期を下回る売上高となりました。一方で、費用効率が向上したことにより、前年同期を上回る営業利益となりました。
 海外ブランドについては、Jurliqueブランドは豪州とアジア、H2O PLUSブランドは本拠地である米国での事業成長を目指した取り組みを行ってまいりました。Jurliqueブランドは、長期的な成長を支えるためのブランドビジネスに根差した販売モデルへの転換を目指しておりましたが、中国市場や豪州市場での売上が伸び悩み、前年同期を下回る売上高・営業損失の拡大となりました。H2O PLUSブランドは、販売チャネルの適正化を目的とし、主要リテーラーから撤退した影響に加え、主要取引先への出荷減により、前年同期を下回る売上高・営業損失の拡大となりました。
 育成ブランドについては、THREEブランドやDECENCIAブランドの好調により、前年同期を上回る売上高となりました。一方で、2018年から新たに加わったAmplitudeブランド、ITRIMブランド、FIVEISM×THREEブランドへの更なる成長投資を行ったことにより、前年同期を下回る営業利益となりました。
 以上の結果、売上高(外部顧客に対する売上高)は231,207百万円(前年同期比1.8%増)、営業利益は38,294百万円(前年同期比0.5%増)となりました。



 不動産事業では、都市部のオフィスビル賃貸を中心に、魅力的なオフィス環境の整備による高稼働率の維持向上と賃料収入の増加に取り組むとともに、子育て支援に特化した賃貸マンション事業も展開しております。当連結会計年度は、市況や他社状況を勘案した入居条件の見直しや、ビルの価値向上に向けた取り組みを行った結果、前年同期を上回る売上高となりました。一方で、オフィス環境整備の費用が増加したことにより、前年同期を下回る営業利益となりました。
 以上の結果、売上高(外部顧客に対する売上高)は2,707百万円(前年同期比0.5%増)、営業利益は1,001百万円(前年同期比7.5%減)となりました。


 その他に含まれている事業は、医薬品事業及びビルメンテナンス事業であります。
 医薬品事業は、化粧品や医薬部外品研究で培ってきた当社グループの研究成果を活用し、新規医薬品の開発・製造・販売及び医薬品の製造受託を行い、当連結会計年度は、前年同期を上回る売上高・営業利益となりました。なお、当社の連結子会社である株式会社ポーラファルマの全株式を譲渡して医薬品事業から撤退することを決定し、2019年1月に譲渡が完了しております。
 ビルメンテナンス事業は、当社グループ会社を主な取引先とし、ビルの運営管理を行っております。当連結会計年度においては、大型工事の受注等があったものの、採用難による派遣要員確保の苦戦により、前年同期を下回る売上高・営業利益となりました。
 以上の結果、売上高(外部顧客に対する売上高)は14,659百万円(前年同期比1.0%増)、営業利益は796百万円(前年同期は営業損失314百万円)となりました。


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2019/03/26 15:00:00 +0900
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