研究開発活動

(1)研究活動
 当連結会計年度におきましては、中期経営計画「Ensuring Growing Global 2021(EGG2021)グローインググローバルを確実に!」の最終年度として、探索研究では持続的な新規剤創出を目指したパイプライン化合物の拡充およびステップアップと、新たなリード化合物の創出に取り組みました。また開発研究では新規開発剤の最大化や既存剤の維持・拡大のため、グループ会社間の連携による戦略的かつグローバルな研究活動を推進しました。
① 新規剤創出
 「3年に1剤の新規剤創出」を目標に、化学・生物・安全性部門による三位一体体制での探索研究の質的・量的な向上と、大学や公的研究機関とのオープンイノベーションによる多様性のある創薬研究を進めました。その中で複数の有望候補化合物については、開発に向けた着実なステップアップを果たしました。また次のパイプライン拡充の種(シード)となる新たな化合物も見出しました。一方、ライフサイエンス分野の強化に向け、動物薬・医薬の研究領域拡大に取り組み、本分野での研究を進展させました。
② 新規剤開発の推進および既存剤の維持・拡大
 グループ会社間のグローバルな連携を強化し、新規剤開発や既存剤の維持・拡大のための性能評価、情報提供および収益性改善に向けた原体コストダウン検討を戦略的に推進しました。また新規水稲用殺虫剤ベンズピリモキサン(商品名「オーケストラ」)の上市に向けた応用研究を鋭意進めました。
③ 新規事業の検討推進
 過冷却促進物質を利用した凍霜害抑制剤の本格販売に向け有効実施例を積み重ねています。また他の新規事業テーマに関する技術面からの評価やビジネスモデルの構築を外部機関と連携して検討しています。

(2)開発活動
 2016年12月に、変化の激しい市場環境に対応し当社知財の価値を最大化する為に、マーケティング部・開発部・登録部を一つに統合した新組織として市場開発本部を設立し、新たな市場の開発・開拓を追求してまいりました。中期経営計画EGG2021の最終年度となる本年度においては、上記の取り組みの深耕を図り成長戦略の推進に取り組んでいます。
① 新規開発品目
 日本・インド同時開発を進めている新規水稲用殺虫剤ベンズピリモキサンは、Nichino India Pvt. Ltd.との協働により、日印同時開発を進めており、2019年2月に日本およびインドにおいて登録申請を完了しました。日本では新規作用性が評価され、優先評価制度の適用を受けたことで、通常より早い2020年9月にオーケストラフロアブルおよびオーケストラ粉剤DLとして農薬登録を取得しました。なお、オーケストラフロアブルは2021年5月に販売を開始しました。インドでは2022年の登録取得を見込んでおり、2021年中には米国へのインポートトレランス申請が計画されています。
 さらに、新規剤パイプラインとして、殺虫剤2剤と殺菌剤1剤を開発検討中です。
 新規汎用性殺菌剤ピラジフルミド(商品名「パレ-ド」)は、果樹用パレ-ド15フロアブル、野菜用パレ-ド20フロアブルおよび芝用ディサイドフロアブルを販売しています。パレード20フロアブルは新規処理分野(セル苗灌注処理)での適用による特長化を推進し、レタス、はくさい、キャベツに加え、新たにねぎでの登録を取得しました。同剤については、グローバルな開発も展開中であり、2019年3月に韓国において製剤登録を取得し、現地販社と協力して2020年に販売開始しました。2019年には米国(カリフォルニア州含む)、カナダ、メキシコへ登録申請し、2022年の登録、販売開始を見込んでいます。さらに欧州、ブラジルおよびその他の国および地域においても開発の可能性を検討しています。
② 国内新製品
 国内製品ポートフォリオの充実を目指し、水稲用殺菌剤チアジニル(国内商品名「ブイゲット」)は新規殺虫剤を含む水稲箱処理剤としてブイゲットハコレンジャーL粒剤およびハコガード粒剤を販売開始しました。その他の既存の自社開発品目では、園芸分野におけるドローン散布等が可能な無人航空機散布への適用拡大も積極的に進めており、フェニックス顆粒水和剤およびアクセルフロアブルはかんしょでの登録を取得しました。
 また、緑地管理用抑草剤としてフィールドセイバー粒剤を販売開始しました。
 さらに、過冷却促進物質を利用した凍霜害抑制剤(商品名「フロストバスター」)の試験販売を開始し、関係部門やグループ会社と協働して本格販売に向けた知見の取得を図っています。
③ 海外製品
 殺ダニ剤ピフルブミドは、韓国、ヨルダンでは既に販売を開始していますが、シリアでは登録を取得し、ベトナム、イスラエルでは登録申請を行っています。また、その他の国および地域における開発の可能性を見極めるための評価を継続しています。
 殺虫剤ピリフルキナゾンはNichino America,Inc. との協働により2018年11月に米国食用登録を取得し、普及販売を開始しています。また、メキシコ、シリアの既販売国に加え、グアテマラ、パキスタンで販売開始し、韓国では混合剤の登録を取得しました。さらに、中国での登録申請、インドでの混合剤開発など、順次、登録国や地域拡大に向けた取り組みを進めています。
 殺虫剤トルフェンピラドは、米国の一部地域で販売を開始していますが、主要市場であるカリフォルニア州での登録を取得しました。また、ブラジルでも登録を取得し、2021年中の販売開始を見込んでいます。さらに、中国への再申請を実施したほか、順次、登録国や地域を拡大しています。殺虫剤フルベンジアミドはNichino Do Brasil Agroquimicos Ltda.と協働して2020年にブラジルでの登録を取得し、2021年に販売開始しました。
 殺菌剤イソプロチオランはイネいもち剤として販売開始以来40年以上が経過していますが、現在全く新しい用途として、中南米、フィリピン等を対象にバナナシガトカ病分野への適用拡大に向けて開発を進めています。ビジネスに不可欠な欧米へのIT申請を実施しました。
 イタリアISEM 社より譲り受けた除草剤オルトスルファムロンは、サトウキビ用増糖剤分野以外にも、アメリカでの果樹下草分野での登録を取得したほか、新規混合剤の開発検討、新規分野への適用拡大の可能性追求等を継続しており、グローバルな拡販支援に努めました。また、原体製造場としてNichinoIndia Pvt. Ltd.の米国への追記申請を準備中です。
 除草剤ピラフルフェンエチルは、欧州における再評価対応を進め、2031年までの登録期限が認められました。引き続き各国での製剤登録を進めています。
 さらに殺虫剤ブプロフェジン、殺虫・殺ダニ剤フェンピロキシメート、殺菌剤フルトラニルについてもグローバルでの登録維持、拡大への対応を進め、それぞれビジネスの維持・拡大を図っています。
 共同開発品目では、フルベンジアミドはライセンス先のバイエルクロップサイエンス社と、殺虫剤メタフルミゾンはライセンス先のBASF社と協力し、グローバルでの普及販売に努めており、当社のノウハウ技術料収入に寄与しています。

 当社は引き続き研究開発型企業としての社会的責任を果たすべく、法令およびその精神遵守のもと、技術革新により環境、安全および健康に配慮した新製品の市場投入に注力します。また、新中期経営計画に基づいて積極的なグローバル展開を推進し、価格競争力のある新規有効成分を継続的に創出していくとともに、将来の市場環境を見据えた改革的・計画的な活動を強化してまいります。


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2021/06/23 12:00:00 +0900
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