研究開発活動

(1)研究活動
 当連結会計年度におきましては、中期経営計画「Ensuring Growing Global 2(EGG2)」の初年度として、探索研究では持続的な新規剤創出を目指したパイプライン化合物の拡充およびステップアップと、新たなリード化合物の創出に継続して取り組みました。また開発研究では新規開発剤の価値最大化や既存剤価値の維持・拡大のため、グループ会社間の連携による戦略的かつグローバルな研究活動を推進しました。
① 新規剤創出
 クロップサイエンス分野では「3年に1剤の新規剤創出」を目標に、化学・生物・安全性部門による三位一体体制での探索研究の質的・量的な向上と、大学や公的研究機関とのオープンイノベーションによる多様性のある創薬研究を進めました。その中で複数の有望候補化合物について、開発および事業化に向けた着実なステップアップを果たしました。また、並行して生物農薬・作物保護資材での研究も積極的に推進しました。一方、ライフサイエンス分野の強化に向け、動物薬・医薬の分野においても研究を進展させました。
② 新規剤開発の推進および既存剤の維持・拡大
 グループ会社間のグローバルな連携を強化し、新規剤開発や既存剤価値の維持・拡大のための性能評価、情報提供および収益性改善に向けた原体コストダウン検討を継続しました。また汎用性殺菌剤ピラジフルミド(商品名「パレード」)や新規水稲用殺虫剤ベンズピリモキサン(商品名「オーケストラ」)の国内外での本格販売に向けた応用研究を進めました。
③ 新規事業の検討推進
 過冷却促進物質を利用した凍霜害抑制剤に関しては、有効実施例を積み重ね本格販売につなげました。また他の新規事業テーマに関する技術面からの評価やビジネスモデルの構築を外部機関と連携して検討継続しています。

(2)開発活動
 中期経営計画EGG2の初年度としてグローバル市場での自社原体の最大化、顧客の声・視点を重視するマーケティング機能の強化、市場の変化への対応に取り組みました。自社原体の最大化においてはグループ会社との協働により登録・開発を促進、マーケティング機能強化ではグローバルマーケティング体制の構築とグローバル市場情報の収集と分析を強化、市場変化への対応においては生物農薬・作物保護資材の開発に着手しました。
① 新規開発品目
 当連結会計年度より新規汎用性殺虫剤(開発コード:NNI-2101)の国内開発を開始しました。本剤は、チョウ目およびコウチュウ目害虫など幅広い殺虫スペクトルを示し、浸透移行性にも優れ、既存剤抵抗性害虫に対しても高い効果を示すことから、汎用性に優れた新規有効成分です。そのため様々な対象害虫や処理方法での委託試験を実施予定であり、利便性の高い害虫防除資材となるように国内開発を進めてまいります。また、グローバル市場への展開も検討中であり、登録性や利益性が見込まれる国や地域から開発を開始してまいります。さらに、他の新規パイプライン候補剤としては殺虫剤1剤と殺菌剤1剤を開発検討中です。
 日本およびインドで農薬登録を取得した新規水稲用殺虫剤ベンズピリモキサンでは、水稲ウンカ類幼虫・ツマグロヨコバイ幼虫の防除剤として2021年5月にオーケストラフロアブルの販売を開始しました。2022年にはカメムシ類も防除対象としたオーケストラスタークルエアー、チョウ目害虫や紋枯病も対象としたオーケストラロムダンモンカットエアーおよび粉剤DLを販売開始予定であり、製品ラインアップの強化を図り、水稲本田散布剤としてのブランドを確立してまいります。また、本剤の有効成分はNichino India Pvt.Ltd.で製造しており、当社グループ全体のビジネス拡大に貢献すると考えています。インドでは2022年より販売開始予定であり、水稲栽培の盛んなアジア広域で本剤ビジネスの最大化を図ります。
 新規汎用性殺菌剤ピラジフルミドは、果樹用パレ-ド15フロアブル、野菜用パレ-ド20フロアブルおよび芝用ディサイドフロアブルの普及を進めました。特にパレード20フロアブルは新規処理分野(セル苗灌注処理)での開発に加え、多くの作物で登録を取得して幅広い場面で使用可能となりました。また、グローバルな開発も展開中であり、米国(カリフォルニア州含む)、カナダ、メキシコ、コロンビア、ベトナムで登録を申請し、米国では2022年内に果樹、ナッツ、芝での登録認可を見込んでいます。さらに、欧州、ブラジルおよびその他の国および地域においても開発の可能性を検討しています。
② 国内新製品
 国内製品ポートフォリオの充実を目指し、自社開発品目である園芸殺菌剤ツインバリアー水和剤の販売を開始しました。また、株式会社エス・ディー・エスバイオテックより導入した水稲除草剤ダンクショットフロアブルの販売を開始しました。さらに、コルテバ社製品を新たに32剤導入し、品目拡充を図りました。
 既存剤では、園芸分野におけるドローン散布等が可能な無人航空機散布への適用拡大も積極的に進めており、フェニックス顆粒水和剤、アクセルフロアブル、コルト顆粒水和剤、ノーモルト乳剤、パレード20フロアブル、Zボルドーについて新たに登録を取得しました。また、化学農薬以外の製品導入も積極的に進めており、コーヒー由来の天然抽出物を利用した凍霜害抑制剤(商品名「フロストバスター」)は、本格販売を開始しています。
③ 海外製品
 殺ダニ剤ピフルブミドはイスラエルで登録申請が完了しております。その他の国においても開発の可能性を見極めるための評価を継続しています。
 殺虫剤ピリフルキナゾンは新たにコロンビアで販売を開始しました。また、インド、アルジェリア、オマーンでは登録を取得し、イスラエル、サウジアラビア、UAE、台湾では登録審査中です。今後も登録国や地域拡大に向けた取り組みを進めています。
 殺虫剤トルフェンピラドは、新たにブラジル、ガテマラ、ミャンマーで販売を開始しました。アルジェリア、オマーンでも登録を取得し、チュニジア、サウジアラビア、ベトナムで登録審査中です。
 殺虫剤フルベンジアミドはバイエルクロップサイエンス社が販売していた地域でも開発を進め、市場の大きなブラジルで販売を開始しました。アルゼンチン、コロンビア、フィリピンでは登録審査中であり、順次、販売国を拡大していきます。
 殺菌剤イソプロチオランは水稲いもち剤として普及販売していますが、中南米、フィリピン等ではバナナ分野への適用に向けて開発を進めています。
 除草剤オルトスルファムロンは、アメリカでTree Nut Vine分野での販売を開始しました。
 また、殺虫剤ブプロフェジン、殺虫・殺ダニ剤フェンピロキシメート、殺菌剤フルトラニル、除草剤ピラフルフェンエチルについてもグローバルでの登録維持、拡大への対応を進め、ビジネスの維持・拡大を図っています。

 当社は引き続き研究開発型企業として社会に貢献すべく、法令およびその精神遵守のもと、技術革新により環境に調和し、安全および健康に配慮した新製品を市場に提供し、顧客価値の向上に努めます。また中期経営計画EGG2に基づきグローバル展開を加速し、各国規制に対応した新規有効成分を継続的に創出していくとともに、将来の市場環境を見据えた革新的・計画的な活動を強化してまいります。

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2022/06/22 12:00:00 +0900
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