第79期定時株主総会招集ご通知 証券コード : 6743
■議案の要領
現行の定款に以下の条文を追加する。
(ROE8%の達成時期について)
当会社は、2026年3月期中に株主資本利益率(ROE)の水準として、8%以上の達成を目標とする。また、これに留まらず、次年度以降も継続してROE8%以上を実現することを経営の最重要目標の1つとする。
取締役会は、当該ROE目標値が未達成に終わった場合、配当性向、DOE(連結純資産配当率)、株主資本比率、ネットキャッシュの水準などが、過度に純資産の蓄積を優先し、ROEを低下させる要因となっていないか等、株主資本コストの観点から、原因を分析し、「資本コストと株価を意識した経営」と題する資料に記載のうえ、東京証券取引所の適時開示情報閲覧サービスTDnetで、事業年度末日から6週間以内に、開示するものとする。
◆提案理由
当会社は、2024年5月公表の中期経営計画PLAN2026において、ROEの目標値8%の達成時期を2031年3月期と開示した。
2031年3月期は、現在から約6年後に当たり、現在の取締役の多くが退任した後である可能性が高いと考えられることから、無責任な目標時期の設定と言わざるを得ない。
ROE8%の水準は、今から約11年も前の2014年に経済産業省公表の伊藤レポートにおいて、上場企業の経営陣がコミットすべきとされた最低限の水準に当たるものであることを考慮すると、ROE8%以上の達成は、今年度中を目標とすべきである。
また、当該中計における2027年3月期のROE目標値は、わずか5.5%であり、当会社の株主資本コストを大きく下回る水準に目標値が設定されてしまっていると理解している。
PBRが0.3倍程度という信じられない程の低水準に留まっているのは、当会社の経営陣が自社の資本コストを的確に把握できていないことに加え、近年、当会社のROEが2%~3%台と極めて低水準に留まっていることも大きな要因となっている。
このような、経営陣のROEに関する認識と株式市場が期待するROEの水準に関する大きなギャップを解消することが、当会社への株式市場からの評価改善につながり、PBRを向上させるために必要不可欠なものであると考えるため、当該議案を提案するものである。
●取締役会の意見
先に記した「(1)株主資本コストの開示に係る定款変更の件」に対する当社取締役会の意見と同様に、当社は、本中期経営計画に基づき、ROE及びPBRの向上を目指すべく、コストダウン等による利益率向上、政策保有株式の縮減等の財務体質強化、及び株主還元の充実等を進めておりますが、当社としては、中長期的なROEの向上のためには、特に利益率の向上が重要であると考えております。
現に、当社の2025年3月期の、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比170.2%増加の15億4千万円となっており、利益率は本中期経営計画での目標値を上回る水準となっております。この結果、当社の2025年3月期のROEは6.4%と、大きく改善しております(詳細は、2025年5月15日付の当社の2025年3月期決算短信をご参照ください。)。
当社は、今後も、本中期経営計画に基づき、2031年3月期にROE8.0%を達成することを目標として、収益の基盤となる製品・サービスの競争力の維持と向上、社会の要求にこたえる製品・サービスの開拓、及び既存の技術・ノウハウによる新たな事業への展開等を通じた利益率の向上に取り組んでまいります。
また、本議案において提案株主様が定款に記載すべきと主張する内容は、当社の経営戦略や経営環境を踏まえて、当社が一定の柔軟性をもって機動的に決定すべき事項であり、当社を運営するうえでの根本規範である定款に定める事項としては適切ではないと考えております。
以上の理由により、当社取締役会は、本議案に反対いたします。