第6号議案
【株主提案】剰余金を処分する件

1. 提案の内容
(1)配当財産の種類
 金銭
(2)配当財産の割り当てに関する事項及びその総額
 127円から、第71回定時株主総会において可決された当社取締役会が提案した剰余金処分に係る議案(以下「会社側利益処分案」という。)に基づく普通株式1株当たり配当金額(以下「会社提案配当金額」という。)を控除した普通株式1株当たりの配当金額を、会社提案配当金額に加えて配当する。
 第71期末における1株当たり純資産(発行済株式数から自己株式数を控除するほか、企業会計基準適用指針第4号「1株当たり当期純利益に関する会計基準の適用指針」に従い算定した数値をいう。)の金額(小数点以下切り捨て。以下同じ。)に0.06を乗じた金額(以下「DOE6%相当額」という。)が127円と異なる場合は、冒頭の127円をDOE6%相当額に読み替える。
 なお、配当総額は、当社の第71回定時株主総会の議決権の基準日現在の配当の対象となる株式数を乗じた額となる。
(3)剰余金の配当が効力を生じる日
 当社の第71回定時株主総会の開催日の翌日
 なお、本議案は、第71回定時株主総会に会社側利益処分案が提案された場合、同提案とは独立かつ同提案と両立するものとして、追加で提案するものである。

2. 提案の理由
 本件は、自己資本の6%を配当金とすることを企図した提案である。
 当社は、中期配当目標として、「DOE3~4%」を掲げているが、当社の自己資本比率は2022年3月末時点で約46%となっており、同業他社であるトヨタ紡織が同時期に約36%であることに鑑みると、既に十分な水準の資金を積み上げているといえる。加えて、当社は、2022年3月末で、約320億円の現金及び預金、約74億円の政策保有株式等を保有しており、財務基盤は非常に強固である。
 当社は、2024年度の財務目標として、ROE8%を必達、10%を目標に掲げているが、これ以上自己資本を増加させてもROEは低下するだけである。
 そのため、現状の配当目標の「DOE3~4%」を引き上げてDOE6%の配当を実施することで、中長期的に資本効率の改善および安定した株主還元を行っていく方針を示していただきたい。

◆取締役会の意見
 当社取締役会としては、本株主提案に反対いたします。

◆反対の理由
 当社取締役会は、当社が健全な存続と持続的成長を実現し、当社の中長期的な企業価値や資本収益性の向上を図る観点、また、株式市場からの評価の改善を図る観点から、本提案に反対致します。
 当社は現在、2021年5月27日付け「中期経営計画策定に関するお知らせ」(URL:https://www.tachi-s.co.jp/dcms_media/other/20210527_tachi-s.pdf)にて公表いたしましたとおり、当社の持続的成長のために、事業活動を通じて新たな価値を提供し、真の独立系企業として生き残っていくため、2021年度から2024年度の中期経営計画『Transformative Value Evolution(TVE)』(以下「本中期経営計画」といいます。)を策定し、鋭意遂行中であります(※)。本中期経営計画では、財務・資本戦略として、2021年度から2024年度を「資本コストを意識した経営」を導入する期間として位置付けており、戦略目標として、「24年度ROE必達8%/目標10%」を設定しております。
(※)なお、既に開示しておりますとおり、当社は現在、本中期経営計画について、本中期経営計画策定時からの大きな事業環境の変化を受け、本中期経営計画の進捗を精査すると共に一部見直しの検討を進めております。今後、修正計画を策定することとした場合には、それが開示可能になった段階で、その内容と共に速やかにお伝えする予定です。なお、本中期経営計画で目標としております「24年度ROE必達8%/目標10%」については、現時点では変更を予定しておりません。

 株主還元方針につきましては、当社は、本中期経営計画において、主たる配当の財務指標としてDOE(連結自己資本配当率)を採用し、キャッシュフローをはじめ、中長期的に健全な財務基盤の維持などを総合的に勘案し、24年度にてROE8%必達を目指すと共に、積極的で安定的な株主還元を実施すること、即ち、本中期経営計画をベースとした当社試算による配当金総額(4年間)では110億円規模を想定し、「21年度~24年度DOE3%~4%」を目標として定めました。これらの方針に基づき、当社は、現に、2021年度DOE3.0%、2022年度DOE3.5%(1株当たり配当額としては、2021年度63円60銭、2022年度73円60銭、2年間の累計額は137円20銭)の株主還元を実現しており、これらの配当額は、2016年度から2020年度までの中期経営計画(以下「前中期経営計画」といいます。)の対象期間(5年間)における1株当たり配当額の累計97円50銭の1.4倍に相当いたします。このように、当社は、本中期経営計画において定めた株主還元方針を着実に達成できている状況にあり、2024年度のDOEも4%を達成することを目標として鋭意事業を推進しています。
 また、資本効率につきましては、当社は、本中期経営計画において想定している設備投資や更なる成長投資を実施することにより、中長期的な企業価値と資本収益性の向上を実現することが重要であると考えており、これらの継続的な事業投資の実施に必要な資金として、自己資金に加え、借入等の外部資金を柔軟かつ機動的に活用することで、資本コストの適正化と財務の健全性を確保するべきと考えております。現に、当社の自己資本比率は、2021年3月末48.0%から、2023年3月末47.2%に抑制しつつ、2年間の設備投資の総額は80億700万円であり、このように、当社は、資本コストの適正化と財務の健全性を確保しつつ、本中期経営計画の達成に向けて鋭意前進しております。
 当社の株式市場からの評価の改善には、本中期経営計画(上述の修正計画を策定した場合には、その中でお示しすることとなるものを含みます。)の施策や目標を更に着実に実行し、当社の中長期的な企業価値と資本収益性の向上を、株主の皆様にご理解いただけるように継続的に発信していくことが重要であると考えております。
 以上のとおり、2023年3月期における配当金をDOE6%相当額とすることを内容とする本提案は、将来における経営環境の変化や継続的な事業投資の必要性等を顧慮しない、短期的な視点に立脚したものであり、当社の安定的で継続的な運営と持続的成長の実現、ひいては企業価値の向上及び株主の皆様の共同の利益を最大化するという観点からも、適切ではないと考えております。
 よって、当社取締役会は本提案に反対いたします。

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2023/06/20 12:00:00 +0900
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