対処すべき課題

①中期経営計画の見直しについて(2020年3月期~2026年3月期)
 自動車業界は100年に一度の変革期の中にあります。CASEに代表される時代の要請に応えるためには、クルマの企画、開発、製造、販売そして販売後のメンテナンスを含むお客様とのコミュニケーションなど、仕事そのものの大変革が必要です。それをグローバルに、かつ一度に対応することが求められています。この変革期を乗り越え、企業として存在し続け、持続的な成長を遂げるために大切にしなければならないものは「人と共に創る独自性」です。これを経営方針に置き、次の3つを取り組むべき領域として定めた中期経営計画を2019年11月に公表しました。
 ■独自の商品・顧客体験への投資(ブランド価値向上への投資)
 ■ブランド価値を低下させる支出の抑制
 ■遅れている領域への投資(インフラへの投資、仲間づくりへの投資、環境安全への投資)

 しかしながら、2020年2月以降、新型コロナウイルス感染拡大によるリスクが顕在化し、経営環境は大きく変化しました。コロナ禍での学びや反省、グローバルでの環境規制強化と加速、並びにCASE時代の新しい価値創造競争への対応を踏まえ、2020年11月に方針と施策を一部見直しております。
 企業存続には「人と共に創る」マツダの独自価値が必須であり、成長投資を維持するとともに、他社との協業強化と独自価値への投資によりCASEへの対応を進めていく考えに変わりはありません。
 

中期経営計画 主要施策
 次の5つの領域で、方針・施策の見直しを行いました。(下線:変更・強化した点)
 ■ブランド価値向上への投資-独自の商品・技術・生産・顧客体験への投資-
  ・効率化と平準化による継続
  ・段階的な新商品/派生車の導入
  ・継続的な商品改良の実行
 ■ブランド価値を低下させる支出の抑制
 ■固定費/原価低減を加速し損益分岐点台数を低減
 ■遅れている領域への投資、新たな領域への投資開始
 ■協業強化(CASE対応、新たな仲間作り

 足場固め期間の2年間で、その先の本格的成長に向けた準備を全ての領域において完了させてまいります。具体的には、技術・商品の領域では基本的なハードウエアの開発を、生産領域では多種多様な商品・技術を汎用化・混流化により効率的に生産できる設備投資を、また販売サービス領域では、様々な市場への新世代店舗の展開、販売金融施策の強化、効率的なサプライチェーン(*1)構築などの基盤作りを進めてまいります。

 その後の2022年以降での各領域における主要課題は、以下のとおりです。

 足場固め期間で作り上げた資産を活用し本格成長を図るとともに、電動化の強化、工場・オフィスのカーボンニュートラル化、CASEに対応するためのIT投資、更には従業員の能力最大化に向けた人への投資など、投資の質を転換してまいります。


中期経営計画 財務指標
 コロナ禍による見直しを受け、中期経営計画の達成年度を1年遅らせ、2026年3月期といたしました。
 主要な財務指標は以下のとおりです。見直し時に財務指標として追加した損益分岐点台数は、連結出荷台数で100万台と目標設定し、達成に向けた活動を推進しております。

 中期経営計画達成のため、全社で取り組まなければ価値の向上を実現できない構造課題を特定し、構造課題解決のための領域を超えた変革行動に邁進してまいります。

*1商品が消費者の手元に届くまでの、調達、製造、在庫管理、配送、販売、消費といった一連の流れのこと。
*2現金及び現金同等物から有利子負債を差し引いた金額がプラスの状態を維持すること。

②カーボンニュートラル化への取り組みについて
 中期経営計画を達成するとともに社会的責任を果たすため、最重要課題として、カーボンニュートラル化に取り組んでおります。

 2018年10月に開催した技術説明会では、「Well-to-Wheel(燃料採掘から車両走行まで)」視点でのCO2削減に向けて、各国の電源事情や使用環境、お客様の多様性やご要望を踏まえた、電動化のマルチソリューションが重要であることを述べるとともに、この考えのもと、ビルディングブロック戦略(*3)に基づき、段階的に電動化技術を開発し、2030年までに生産する全てのクルマを電動化することを宣言いたしました。当社は、電動化技術の導入計画どおりに、昨年、MX-30のマイルドハイブリッドモデルとEVモデルを市場導入しております。

 また、昨年11月に中期経営計画を見直した際には、CASE時代の価値創造競争に向けて投資の質を転換することを宣言いたしました。今後は、製造過程のCO2排出量ゼロへ向け、工場・オフィスのカーボンニュートラル化へ投資を進めるとともに、EV専用プラットフォーム開発へ投資をシフトしていくことで、ライフサイクル全体でのカーボンニュートラルの実現を目指してまいります。

 これらの方針・計画を踏まえ、当社は2050年のカーボンニュートラル実現に挑戦します。自動車関連のカーボンニュートラル化は、自動車メーカーだけでなくサプライチェーン全体での対応が不可欠です。エネルギー政策や電動化の開発・生産・普及などへの支援を得ながら、サプライチェーン全体でのカーボンニュートラル化の推進に取り組んでまいります。

*3クルマの基本性能となるエンジンやトランスミッション、ボディ、シャシーなどの「ベース技術(SKYACTIV技術)」を向上させたうえで、「電気デバイス(アイドリングストップシステム、減速エネルギー回生システム、ハイブリッドシステムなど)」をベース技術に組み合わせていく、マルチソリューションの実現に向けた当社の技術戦略。

③公正取引委員会からの勧告について
 当社は、本年3月19日付で、公正取引委員会から下請代金支払遅延等防止法(以下「下請法」といいます。)に基づく勧告を受けました。これは、自動車部品の材料の集中購買の一環として行っていた取引のうちの一部の取引において、当社の下請事業者である資材メーカー3社が部品メーカーへ材料を販売した際に適用した価格と、資材メーカーと当社との間であらかじめ合意した資材メーカーから部品メーカーに対する販売価格との差額を精算金として当社が資材メーカーから受け取っていたことが、下請法の規定(第4条第2項第3号「不当な経済上の利益の提供要請」)に違反すると判断されたものです。当社は、すでに資材メーカーとの間では、2019年11月以降、上記精算金の請求は行っておらず、今回問題と判断された取引形態は廃止いたしました。また、不当な利益と認定された金額については、すでにその全額及び振込手数料を資材メーカーに返還しております。当社は、今回の勧告を真摯に受け止め、今後は、法務部門による点検体制の強化、下請取引に関わる従業員への教育の徹底、全従業員を対象とした教育の定期的実施など、法令遵守体制の強化を行い、再発防止策の徹底に取り組んでまいります。

※文中における業績予想や将来に関する事項につきましては、本書作成時点において当社グループが判断した一定の前提に基づいたものであり、リスクや不確実性を含んでおります。従いまして、これらの記載は実際の業績や結果とは異なる可能性があります。

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2021/06/24 12:00:00 +0900
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