第84期定時株主総会 招集ご通知 証券コード : 7272
ヤマハ発動機株式会社当連結会計年度における世界経済環境は、総じて回復傾向となりましたが、貿易摩擦や米国の金利引き上げに伴う新興国通貨下落などの影響が、年の後半に顕在化しました。先進国では、米国は雇用者数の増加や企業収益の改善などにより経済成長が拡大しました。日本は緩やかに景気が回復し、欧州は景気が減速しました。新興国では、ベトナムやインドは経済成長が続き、ブラジルは緩やかに景気が回復しました。インドネシアは内需堅調により景気が拡大しましたが、通貨下落や天災により経済は不安定な状態となりました。
このような経営環境のもと、当連結会計年度の売上高は1兆6,731億円(前期比30億円・0.2%増加)、営業利益は1,408億円(同90億円・6.0%減少)、経常利益は1,380億円(同169億円・10.9%減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は934億円(同82億円・8.1%減少)となりました。なお、年間の為替換算レートは米ドル110円(前期比2円の円高)、ユーロ130円(同3円の円安)でした。
売上高は、マリン事業、特機事業、産業用機械・ロボット事業、その他事業で増収となりましたが、二輪車事業で減収となった結果、前年並みとなりました。
営業利益は、マリン事業、産業用機械・ロボット事業の増収効果に加え、二輪車事業でのプラットフォームモデル・グローバルモデルの開発・製造手法による収益性改善が進みましたが、先進国二輪車の売上高減少や、新興国を中心とした為替差損、原材料高騰による損失を吸収しきれず減益となりました。
財務体質については、親会社株主に帰属する当期純利益率は5.6%(前期比0.5ポイント減少)、総資産回転率は一時的な運転資金の増加により1.17回(同0.05回減少)、自己資本は6,575億円(前期末比347億円増加)、自己資本比率は45.9%(同1.9ポイント増加)となりました。これらの結果、ROEは14.6%(前期比3.0ポイント減少)となりました。また、フリー・キャッシュ・フロー(販売金融含む)は106億円のプラス(同626億円減少)となりました。
各事業の状況は、次の通りです。
主要な製品
二輪車、中間部品、海外生産用部品
売上高1兆222億円(前期比230億円・2.2%減少)、営業利益545億円(同143億円・20.8%減少)となりました。
販売台数は、フィリピン・インドネシア・ブラジルなどで増加しましたが、先進国・ベトナム・台湾などで減少しました。その結果、事業全体では537万台(前期比0.3%減少)となり、減収・減益となりました。
アセアンでは高価格商品、インドではスポーツモデルの販売強化により収益性を高めます。先進国においては、製造販売機能の構造改革を進めています。
主要な製品
船外機、ウォータービークル、ボート、プール、漁船・和船
売上高3,447億円(前期比208億円・6.4%増加)、営業利益637億円(同42億円・7.1%増加)となりました。
販売台数は、船外機・ウォータービークル・スポーツボートで増加しました。更に、北米での大型船外機の販売台数増加による商品ミックスの改善もあり、増収・増益となりました。
船外機の需要の伸びに柔軟に対応できるようグローバル生産レイアウトの見直しなどを含む生産能力の向上を進めています。
主要な製品
四輪バギー、レクリエーショナル・オフハイウェイ・ビークル、ゴルフカー、スノーモビル、発電機、除雪機、汎用エンジン
売上高1,538億円(前期比22億円・1.4%増加)、営業利益2億円(前期:営業損失15億円)となりました。
ゴルフカーや汎用エンジンの販売台数増加やレクリエーショナル・オフハイウェイ・ビークル(ROV)の経費削減により増収・増益となりました。
ROVでは、マーケティング機能の強化に取り組み、市場のニーズに合った新しいプラットフォームモデルの投入準備を進めています。
主要な製品
サーフェスマウンター、産業用ロボット
売上高699億円(前期比23億円・3.4%増加)、営業利益164億円(同8億円・5.4%増加)となりました。
車載向けのサーフェスマウンターの販売好調により増収・増益となりました。
工場全体を最適化する新商品や新サービスのソリューション提案を強化してお客様への提供価値を高めていきます。
主要な製品
電動アシスト自転車、自動車用エンジン、自動車用コンポーネント、産業用無人ヘリコプター、電動車いす
売上高826億円(前期比8億円・1.0%増加)、営業利益59億円(同14億円・19.3%減少)となりました。
電動アシスト自転車では、欧州向けE-kit(電動アシスト自転車用ドライブユニット)の輸出が増加しましたが、日本での完成車の販売台数減少や商品ミックスの悪化により、増収・減益となりました。
電動アシスト自転車の欧州向けE-kitや日本での販売強化と、米国での新市場開拓を進めています。