対処すべき課題

 当社は、普遍的な企業目的『感動創造企業』の名の下に新たな価値を生み出すことで成長してきました。その感動は、技術(Technology/Engineering)と感性(Art)の織り成すものであり、それを生み出すことを私達の伝統、誇り、強みとしてきました。2030年に向けて「Advancing Robotics」(ロボティクス/知的技術の活用)、 「Rethinking Solution」(社会課題解決へのヤマハらしい取り組み)、 「Transforming Mobility」(モビリティの変革)の3つの注力領域に取り組むことで、人々の可能性を拡げ、より良い社会と生活の実現を目指していきます。その想いを『ART for Human Possibilities』という言葉に込めています。
 2019年~2021年までの新中期経営計画では、「既存事業の稼ぐ力を維持し、成長に向けた基盤強化」を推進します。2021年には、2016年~2018年までの中期経営計画で掲げた売上高2兆円・営業利益1,800億円(ROS9%)に再挑戦します。

■既存事業の成長

【ランドモビリティ】
 今後3年間で市場の伸びが期待される新興国二輪車では、インド・アセアン(フィリピン・インドネシア・タイ・ベトナム)で当社の得意領域を伸ばします。先進国二輪車とROVでは、構造改革や経費削減により赤字を縮小します。電動アシスト自転車では、グローバルに事業を拡大するため、戦略的パートナーシップにより、新商品開発や周辺を含めたトータルでの価値創造を行っていきます。

【マリン】
 高収益体質の強化と持続的成長基盤の確立に取り組みます。また、システムサプライヤー戦略を更に進化させるべく、商品・技術戦略を遂行し、総合マリンビジネスを拡大していきます。そして、マリン業界のトップブランドとして「信頼性と豊かなマリンライフを提供し、海の価値を更に高める事業へ」さらなる進化を推進します。

【ロボティクス】
 規模とドメインの拡大を図りながら、更に収益力を強化します。幅広い顧客基盤を持ち車載・パワー系など新たな成長が期待できるサーフェスマウンター、市場の伸びが大きく適用範囲も広い産業用ロボット、利用範囲の広がりが期待される産業用無人ヘリコプターやドローン、それぞれの事業で伸長を狙います。
 新分野ではこれまで培った技術・知見・ネットワークを活かしながら、農業・医療分野に取り組んでいきます。

■新規事業開発

 「ART for Human Possibilities」の方向性に沿って、既存の技術・市場のシナジーを活かせる領域で新たな価値創造を進めます。技術の拡がり領域では、CASE(Connected:コネクテッド・Autonomous:自動運転・Sharing:シェアリング・EV:電動化)を主眼にパートナーとの協業も進めます。市場の拡がり領域では保有技術の組み合わせや、必要に応じてM&Aも行い、農業や医療など新市場での価値創造に取り組みます。

 ■経営基盤強化

 IT本部を新設し、最新デジタル技術やデータの戦略的活用を事業・機能横断かつグローバルに加速・推進していきます。
 また、生産技術本部を新設し、工法・材料・設備等の技術開発を強化するとともに、知能化技術・ビッグデータ解析技術を導入することで、生産性や品質のレベルを一段高く進化させていきます。

■財務戦略

 既存事業の稼ぐ力を維持強化しながら着実に成長させ、成長原資のキャッシュ・フローを確保します。3年間累計で 研究開発費700億円、投資1,400億円を枠取りしています。
 株主の皆様への還元は、キャッシュ・フローの範囲内でバランスを取りながら行っていきます。

■重要な社会課題への取り組み

【環境・資源課題】
 2050年までにCO2を50%削減することを目標に掲げています。当社は既に多くの電動製品を製造・販売していますが、いっそう電動化を推進して目標を達成します。またクリーンウォーター事業を通じて安全な水をより多くの人々に提供することも継続して取り組んでいきます。

【交通・教育・産業課題】
 ランドカーをベースにした低コストな移動サービスの提供による移動課題の解決に取り組んでいます。また、二輪車の安全運転講習、各商品の整備技術者の育成を世界各国で進めています。農業分野での人手不足に対しては、無人化技術を活用し課題の解決を目指していきます。

【イノベーション課題】
 環境・資源課題や交通・教育・産業課題に実効的に取り組むためのイノベーションを加速させていきます。特に知的技術や高度な制御技術を活用した新たなモビリティ開発の促進や、ロボティクス技術を活用した農業・医療分野へのソリューション提供を、他社との協業を進めながらスピーディに行ってまいります。

【働き方課題】
 国籍・人種・性別に関わらず、個人の多様な能力の活用やグローバル化を一層進めることでダイバーシティを推進し、働きがいを高めて企業としてのパフォーマンス向上につなげていきます。安全・安心な労働環境の整備やIT基盤の刷新により生産性を高めていきます。

 株主の皆様におかれましては、なお一層のご支援を賜りますようお願い申しあげます。


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2019/03/27 11:30:00 +0900
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