事業の経過及びその成果

 当連結会計年度における世界経済は、米中貿易摩擦による投資の抑制や英国のEU離脱問題など不安定な環境の中、成長率が低下しました。先進国では、日本は緩やかな景気回復が続き、米国と欧州では成長が鈍化しました。新興国では、ベトナムやフィリピンでは経済成長が拡大しましたが、インドネシア、タイ、インドでは景気が減速しました。

 このような経営環境のもと、当連結会計年度の売上高は1兆6,648億円(前期比84億円・0.5%減少)、営業利益は1,154億円(同254億円・18.1%減少)、経常利益は1,195億円(同185億円・13.4%減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は757億円(同176億円・18.9%減少)となりました。なお、年間の為替換算レートは米ドル109円(前期比1円の円高)、ユーロ122円(同8円の円高)でした。

 売上高は、マリン事業、金融サービス事業で増収となった一方で、ランドモビリティ事業とロボティクス事業(M&Aの影響を除く)では減少し、全体では減収となりました。営業利益は、先進国二輪車での欧州・本社生産の稼働率上昇や構造改革、インドネシア二輪車での高付加価値商品増加による収益性改善が進みましたが、ロボティクス事業などの売上高の減少、成長戦略経費の増加、為替影響などにより、全体では減益となりました。

 財務体質については、親会社株主に帰属する当期純利益率は4.5%(前期比1.0ポイント減少)、総資産回転率は一時的な運転資金の増加により1.13回(同0.05回減少)、自己資本は7,052億円(前期末比478億円増加)、自己資本比率は46.0%(同0.3ポイント減少)となりました。これらの結果、ROEは11.1%(前期比3.5ポイント減少)となりました。また、フリー・キャッシュ・フロー(販売金融含む)は195億円のプラス(同89億円増加)となりました。

※当連結会計年度より、セグメントを従来の「二輪車」「マリン」「特機」「産業用機材・ロボット」「その他」から「ランドモビリティ」「マリン」「ロボティクス」「金融サービス」「その他」に変更しました。
 前連結会計年度のセグメント情報は変更後の区分に基づき作成しています。

 各事業の状況は、次のとおりです。

ランドモビリティ

主要な製品及びサービス
二輪車、中間部品、海外生産用部品、四輪バギー、レクリエーショナル・オフハイウェイ・ビークル(ROV)、スノーモビル、電動アシスト自転車

 売上高1兆1,004億円(前期比173億円・1.6%減少)、営業利益418億円(同69億円・14.1%減少)となりました。そのうち、売上高で293億円、営業利益で120億円の為替によるマイナス影響がありました。
 先進国二輪車では、欧州での新規制対応モデルを中心とした販売台数の増加や構造改革の進捗により、赤字幅が縮小しました。新興国二輪車では、フィリピン・ブラジルなどで販売台数が増加しましたが、ベトナム・インド・台湾などで減少し、減収・減益となりました。二輪車全体の販売台数は、506万台(前期比5.9%減少)となりました。先進国においては、引き続き新規制対応モデルの積極的な投入と構造改革を進めます。新興国においては、高付加価値商品の販売を主軸とし、ベトナムではブランド力強化、インドでは新規制対応モデルの投入、台湾では電動二輪車の拡販など、各市場での販売台数増加と収益性改善を目指します。
 RV(四輪バギー、ROV、スノーモビル)では、北米での四輪バギーやスノーモビルの販売台数増加により増収となり、赤字幅が縮小しました。
 電動アシスト自転車では、欧州向けE-kitや日本での販売台数増加により、増収・増益となりました。引き続き新開発のアシスト制御搭載モデルの投入や販売力強化により、拡大を続ける市場に対し事業成長に努めます。


マリン

主要な製品及びサービス
船外機、ウォータービークル、ボート、プール、漁船・和船

 売上高3,451億円(前期比69億円・2.0%増加)、営業利益584億円(同24億円・3.9%減少)となりました。そのうち、売上高で64億円、営業利益で41億円の為替によるマイナス影響がありました。
 販売台数は、ウォータービークル・スポーツボートで増加しました。船外機の販売台数は、北米・欧州で200馬力を超えるハイエンドモデルは増加しましたが、上期の天候不順の影響により淡水域での中・小型馬力が減少したため、全体では減少しました。為替影響を大きく受けて、事業全体では増収・減益となりました。
 市場の変化に迅速かつ柔軟に対応しながらボートビルダーとの関係を強化し、システムサプライヤー戦略を推進していきます。


ロボティクス

主要な製品及びサービス
サーフェスマウンター、半導体製造装置、産業用ロボット、産業用無人ヘリコプター

 売上高756億円(前期比8億円・1.1%増加)、営業利益77億円(同90億円・53.9%減少)となりました。なお、当期の業績には、ヤマハモーターロボティクスホールディングス株式会社(YMRH)及びその子会社の第2、第3四半期連結会計期間(2019年7月から12月)の業績、売上高120億円、営業損失28億円を含んでいます。
 YMRH子会社化の影響を除くと、米中貿易摩擦の影響によりサーフェスマウンターと産業用ロボットの販売台数が減少し、減収・減益となりました。
 需要動向を注視し、新機種投入や事業統合によるシナジー効果を活かした商品の一括提案や相互販路活用を加速させていきます。


金融サービス

主要な製品及びサービス
当社製品に関わる販売金融及びリース

 売上高409億円(前期比19億円・4.8%増加)、営業利益80億円(同42億円・34.2%減少)となりました。
 フランスで事業展開を始めるなど、全地域で債権残高は順調に拡大しました。前年はブラジルでの一時収益があったことなどにより、増収・減益となりました。
 顧客層と地域を拡げ、当社ならではの利便性の高いサービスを提供していきます。


その他

主要な製品及びサービス
ゴルフカー、発電機、汎用エンジン、除雪機、自動車用エンジン、自動車用コンポーネント、電動車いす

 売上高1,027億円(前期比6億円・0.6%減少)、営業損失6億円(前期:営業利益24億円)となりました。
 ゴルフカーで高付加価値商品の販売が増加し増収となりましたが、ゴルフカー・発電機の市場対策費用や米国での追加関税の影響などにより、全体では減収・減益となりました。


(ご参考)中長期施策 ART for Human Possibilities 活動報告

様々なソリューション提案で、事業拡大を目指しています。

他社との提携で産業用無人ヘリコプター事業で資材運搬や森林計測などの役割を果たすことを期待されています。

人間とともに作業する協働ロボット分野への参入・事業拡大を目指して、東京ロボティクス株式会社への出資・技術提携しました。


売上高構成


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2020/03/25 11:30:00 +0900
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