対処すべき課題

 当社は、2030年に向けて「Advancing Robotics」(ロボティクス/知的技術の活用)、「Rethinking Solution」(社会課題解決へのヤマハらしい取り組み)、「Transforming Mobility」(モビリティの変革)の3つの注力領域に取り組むことで、人々の可能性を拡げ、より良い社会と生活の実現を目指す『ART for Human Possibilities』を長期ビジョンとする中期経営計画(2019年から2021年)を進めています。この3年間は、①既存事業の稼ぐ力を維持、改善し、キャッシュ・フローを稼ぐこと、②成長戦略、基盤強化を株主還元とのバランスを取りながら進めること、を経営方針としています。
 2019年は成長戦略、基盤強化が進捗した一方、既存事業においては課題が残りました。2年目にあたる2020年は、引き続き成長戦略、基盤強化の取り組みを進めながら、既存事業の収益性回復を最重要課題として計画達成を目指します。

■既存事業の成長

【ランドモビリティ】
 新興国二輪車ではヤマハらしい成長領域で収益基盤を構築し、先進国二輪車と四輪バギー、ROVでは、構造改革や新モデル投入により収益性改善を目指します。電動アシスト自転車では、新技術による新商品開発と戦略的パートナーシップにより総合的な価値提案を行い、グローバルに事業を拡大していきます。

【マリン】
 高収益体質の強化と持続的成長基盤の確立に取り組みます。また、システムサプライヤー戦略を更に進化させるべく、商品・技術戦略を遂行し、総合マリンビジネスを拡大していきます。

【ロボティクス】
 YMRHとの事業シナジーを高めながら、収益性を改善します。また、将来の持続的な成長のためにロボティクスの研究開発及び生産体制の強化を進め、モノ創りの分野で省人化・自律化に貢献します。

■新規事業開発

 『ART for Human Possibilities』の方向性に沿って、既存の技術・市場のシナジーを活かせる領域で新たな価値創造を進めます。技術の拡がり領域では、CASE(Connected:コネクテッド・Autonomous:自動運転・Sharing:シェアリング・EV:電動化)を主眼にパートナーとの協業も進めます。市場の拡がり領域では保有技術の組み合わせや、必要に応じてM&Aも行い、農業や医療など新市場での価値創造に取り組みます。

 ■財務戦略

 既存事業の稼ぐ力を維持強化しながら、成長原資のキャッシュ・フローを確保します。3年間累計で 研究開発費700億円、投資1,400億円を計画しています。また、株主資本の有効活用を図る観点から、株主資本利益率(ROE)15%水準を目安としていますが、今中期経営計画は将来の成長のための投資を進めることもあり、一時的に低下します。株主の皆様への還元は、キャッシュ・フローの範囲内でバランスを取りながら配当性向は30%を目安に積極的に行っていきます。    

■重要な社会課題への取り組み

 SDGsやThe Global Risks Reportから抽出した幅広い社会課題のうち、当社の経営資源の利用・調達に重大な影響を与える課題やその解決が当社の企業価値向上に大きく貢献する重要課題(マテリアリティ)を4つに特定しました。
【環境・資源課題】
 2050年までに自社製品からのCO2排出量の50%削減(2010年比)を目標に掲げ、二輪車の電動化をはじめ、電動製品の製造・販売を推進します。また、クリーンウォーター事業を通じて安全な水をより多くの人々に提供することも継続して取り組んでいきます。

【交通・教育・産業課題】
 ランドカーをベースにした低コストな移動サービスを提供することで、移動手段への課題に対する解決策を提供します。また、アジアや中南米を中心に体系的な職業訓練を実施し、進出先の人材育成や産業振興に寄与しています。

【イノベーション課題】
 知的技術や高度な制御技術を活用した新たなモビリティ開発の促進や、ロボティクス技術を活用した農業・医療分野へのソリューション提案を、他社との協業を進めながらスピーディーに行ってまいります。

【働き方課題】
 国籍・人種・性別に関わらず、個人の多様な能力の活用やグローバル化を一層進めることでダイバーシティを推進し、働き甲斐を高めて企業としてのパフォーマンス向上につなげていきます。安全・安心な労働環境の整備やIT基盤の刷新により生産性を高めていきます。

 株主の皆様におかれましては、なお一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。


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2020/03/25 11:30:00 +0900
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