事業の経過及びその成果

 当連結会計年度における世界経済は見通しが不透明な中、前年から続いている米中貿易摩擦に加え、年初に発生した新型コロナウイルス感染症が世界各国へ広がり、経済にも深刻な影響を及ぼしました。当社グループにおいては、第2四半期(4月-6月)を底に回復基調であり、第4四半期(10月-12月)では回復した市場もある中、依然として業績にも影響を及ぼしています。第2四半期以降、先進国では、パーソナルコミューターやアウトドア・ファミリーレジャーの需要が急回復しました。また、新興国ではアセアン・インド・南米を中心に緩やかに回復しました。
 このような中、新型コロナウイルス感染症の拡大防止、ステークホルダーの安全と健康、そして各国法規制への適切な対応を第一に経営を進めました。リーマンショック後の世界金融危機の経験を活かし、徹底的な経費削減と必要資金調達により手元流動性を確保しました。研究開発・投資面では、選択と集中により全体を絞りつつ、将来の成長に向けた新規分野と基幹事業強化のための開発や投資は継続しました。生産面では、新型コロナウイルス感染症の拡大で予想される需要減少に対応するため、早い段階で工場を操業停止しました。販売面では、新型コロナウイルス感染症により販売活動が制限されたことから、デジタル技術を活用したマーケティング活動をいち早く展開してきました。また、新しい排ガス規制が導入された欧州やインド、台湾においては、新モデルを投入することでラインアップを拡充しました。

 この結果、当連結会計年度の売上高は1兆4,713億円(前期比1,935億円・11.6%減少)、営業利益は817億円(同337億円・29.2%減少)、経常利益は877億円(同318億円・26.6%減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は531億円(同227億円・29.9%減少)となりました。
 当第4四半期(10月-12月)の業績は、売上高4,042億円(前年同期比67億円・1.7%増加)、営業利益253億円(同99億円・64.5%増加)となり、上期の新型コロナウイルス感染症のマイナス影響を一部挽回することができました。
 なお、年間の為替換算レートは米ドル107円(前期比2円の円高)、ユーロ122円(前期比±0円)でした。

 売上高は、ロボティクス事業と金融サービス事業で増収となりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、ランドモビリティ事業の二輪車とマリン事業で販売台数が減少し、全体では減収となりました。営業利益は、減収に加え、為替影響や上期に実施した各国の工場操業停止による稼働率低下などの要因により、全体で減益となりました。

 財務体質については、親会社株主に帰属する当期純利益率は3.6%(前期比0.9ポイント減少)、総資産回転率は手元資金確保や販売金融債権の買い取りにより0.93回(同0.20回減少)、自己資本は7,146億円(前期末比94億円増加)、自己資本比率は43.6%(同2.5ポイント減少)となりました。これらの結果、ROEは7.5%(前期比3.6ポイント減少)となりました。また、フリー・キャッシュ・フロー(販売金融含む)は665億円のプラス(同471億円増加)となりました。

 各事業の状況は、次のとおりです。

※「その他」に含めていたAM(オートモーティブ)を「ランドモビリティ」と「マリン」に分割・集約したため、第85期(2019年)の数値を組替えています。

ランドモビリティ

主要な製品及びサービス
二輪車、中間部品、海外生産用部品、四輪バギー、レクリエーショナル・オフハイウェイ・ビークル(ROV)、スノーモビル、電動アシスト自転車、自動車用エンジン、自動車用コンポーネント

 売上高9,465億円(前期比1,734億円・15.5%減少)、営業利益185億円(同232億円・55.7%減少)となりました。
 先進国二輪車では、足元の総需要は回復しましたが、総需要の急回復に生産が追い付かず、販売台数が減少しました。また、本社とフランスの工場を一定期間操業停止し稼働率が低下したことから、減収・減益となりました。
 新興国二輪車では、総需要は回復基調ですが、新型コロナウイルス感染症の影響によるロックダウンや社会活動制限による景気低迷、消費者心理の低下などにより、減収・減益となりました。インドネシアでは、景気悪化に伴う販売金融の審査厳格化や大規模社会制限が続き、需要が大きく落ち込みました。フィリピンでは、足元の総需要の急回復に対し供給が遅れ、販売台数が減少しました。ベトナムでは、総需要は緩やかに回復していますが、景気後退を受けて低価格モデルの販売台数が増加した結果、モデルミックスが悪化しました。一方、インドでは、足元の総需要は回復し、新モデルの販売好調により8月以降、前年を上回る販売が続いています。台湾では、政府によるエンジン車への補助金制度が追い風となり、総需要・卸販売とも前年を上回るまでに回復しました。
 RV(四輪バギー、ROV、スノーモビル)では、アウトドア需要が急増し、最大市場の北米をはじめ、主要地域で販売が増加し増収・増益となりました。
 電動アシスト自転車では、新型コロナウイルス感染症の影響による生産遅延や営業活動の自粛により、日本での完成車の販売台数が減少し減収となりましたが、E-kitの販売増加によりモデルミックスが改善したことから増益となりました。


マリン

主要な製品及びサービス
船外機、ウォータービークル、ボート、プール、漁船・和船

 売上高3,283億円(前期比217億円・6.2%減少)、営業利益506億円(同77億円・13.3%減少)となりました。
 北米ボートビルダーの操業停止やディーラーの休業による船外機・ウォータービークルの販売台数の減少に加え、本社工場や米国工場を一定期間操業停止したことにより、減収・減益となりました。
 上期は新型コロナウイルス感染症の影響を受けましたが、ロックダウン後のアウトドア需要の急増により、船外機・ウォータービークルの需要が増加しました。
 船外機では、工場操業再開後に生産稼働率を上げたことにより、下期の北米・欧州向け船外機の販売台数は増加しました。
 また、コロナ禍でも大型船外機の販売拡大は継続しています。


ロボティクス

主要な製品及びサービス
サーフェスマウンター、半導体製造装置、産業用ロボット、産業用無人ヘリコプター

 売上高830億円(前期比74億円・9.7%増加)、営業利益33億円(同44億円・57.4%減少)となりました。
 日本を始めとした自動車領域の投資が抑制されたため、主力のサーフェスマウンターのモデルミックスが悪化したことに加え、2019年第2四半期会計期間末よりヤマハモーターロボティクスホールディングス株式会社(2021年1月1日にヤマハロボティクスホールディングス株式会社に社名変更、以下YRH)を完全子会社化した影響により、増収・減益となりました。
 一方で、アジア(中国・台湾・韓国含む)でのサーフェスマウンターの販売台数が年間を通して増加し、さらに下期からは欧米での販売台数も回復し、利益率は改善方向に進んでいます。またYRHの構造改革も順調に進んでおり、黒字化の目途が立っております。


金融サービス

主要な製品及びサービス
当社製品に関わる販売金融及びリース

 売上高461億円(前期比51億円・12.5%増加)、営業利益76億円(同5億円・5.9%減少)となりました。
 先進国事業好調により増収となりましたが、為替影響や貸倒引当金の増加、卸販売向け債権の減少により減益となりました。
 債権残高は、米国プライム層向け金融プログラムを自社化したこともあり、3,504億円(前期比455億円・14.9%増加)となりました。
 この自社化により、コストを抑えながら全ての製品を全ての層にフルラインでサービスを提供できる体制が整いました。本体販売を強力にサポートすると共に金融サービス事業の継続的な成長を目指します。


その他

主要な製品及びサービス
ゴルフカー、発電機、汎用エンジン、除雪機、電動車いす

 売上高674億円(前期比109億円・13.9%減少)、営業利益17億円(前期:営業損失4億円)となりました。
 ゴルフカーや発電機の販売台数が減少し減収となりました。前年は市場対策費用が発生していたため、営業利益は前期比で増益となりました。


売上高構成


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2021/03/24 11:30:00 +0900
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