全般の状況

経営を取り巻く経済環境

 2018年度の世界経済は、前年度からの回復基調を維持し、全体として堅調に成長しました。日本、米国では、緩やかな経済成長が続いており、欧州もBrexit(英国のEU離脱)や自国主義の拡がりなどによる先行きの不透明感はあるものの、総じて堅調に推移しました。一方で、中国は米中貿易摩擦の影響が不安視されますが、他の新興国においては持ち直しの動きが見られます。
 なお、主要通貨の平均為替レートは、対ドルは前年度とほぼ同水準で推移し、対ユーロは前年度と比べて若干の円高となりました。

 そのような経済情勢の中で、リコーグループの主力事業である事務機の需要は、前年度に引き続き、先進国での緩やかな需要の減少と、新興国での需要拡大が進みました。金額ベースでは、全需の8割を占めるA3複合機が先進国を中心に緩やかな減少が続くものの、A4複合機については、先進国、新興国いずれも需要の拡大が見込まれています。消耗品に関しては、金額ベースで先進国での緩やかな減少が見込まれる一方で、製品需要の拡大により新興国での拡大が見込まれています。また、オフィスにおける業務IT化の需要が全世界的に高まり、ITサービスに対する需要は堅調に拡大しました。

当年度の業績

 第19次中期経営計画(2017年4月~2020年3月:以下、19次中計)の2年目となる当年度は、成長戦略「リコー挑戦」を掲げ、将来の成長を確実なものにすべく、基盤事業であるオフィスプリンティング分野の収益力強化とともに、将来の新たな柱となる成長事業の拡大に取り組んでまいりました。同時に、成長戦略全体を支える経営基盤構築のため、事業管理体制の見直し、事業選別の徹底、コーポレート・ガバナンス改革などを進めるとともに、全員参加による業務プロセス改革に取り組んでまいりました。
 基盤事業では、複写機・複合機の販売・保守サービス体制の見直し、生産拠点の統廃合、開発機種の絞り込み、RPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)導入による業務プロセス改革などの施策と合わせて、構造改革効果の刈り取りを進めた結果、オフィスプリンティング分野の収益力は大幅に回復しました。成長事業については、オフィスサービス分野の順調な収益拡大が継続する中、オフィスサービス分野、産業印刷分野では事業拡大に向けたリソース獲得のため、戦略投資を実施しました。事業の選別においては、子会社であるリコーロジスティクス(株)の株式を、物流を本業とするパートナー企業に譲渡し、パートナーとの連携によるSCM機能のさらなる強化を図りました。

 2018年度の連結売上高は、前年度に比べ2.4%減少となる、2兆132億円となりました(①)。成長領域であるオフィスサービス分野、産業印刷分野、サーマル分野などが増収となったものの、オフィスプリンティング分野は、戦略的に推し進める採算重視販売による商談の絞り込みなどの影響により、海外を中心にハードウェアや関連消耗品等の売上高が減少しました。さらに、半導体および物流子会社の株式譲渡に伴う連結子会社から持分法適用会社への移行、加えてリコーインドを連結範囲から除外したことなどに伴う減収が発生し、連結売上高は前年比減収となりました。なお、持分法適用会社への移行、連結除外影響および為替を除く売上高では、前年比0.4%の増加となりました。(②)

 地域別では、国内は企業の働き方改革推進に伴ってIT機器需要拡大や業種業務ソリューション・サービスなどの売上が拡大するなど、オフィスサービス分野を中心に堅調に推移し、前年比増収となりました。米州・欧州・中東・アフリカはオフィスサービス分野、産業印刷分野などが成長したものの、オフィスプリンティング分野が減少し、前年比減収となりました。その他地域は、オフィスプリンティング分野の減収とリコーインドの連結除外影響などによるオフィスサービス分野の減収により、前年比減収となりました(③)。


 売上総利益は、前年度に比べ3.0%減少し、7,668億円となりました。オフィスサービス事業の拡大による利益増加はあったものの、オフィスプリンティング分野において、前年度に実施した販売改革による減収影響が残ったことに加えて、採算性を重視した販売による商談の絞り込みによる販売台数減少、複合機の新製品投入前の製品販売減などに伴う影響を受けました。また、その他分野において、一部連結子会社の持分法適用会社への移行および連結除外に伴う影響、さらに、産業印刷分野、サーマル分野での中国市場環境悪化の影響などにより、前年比減益となりました。

 販売費および一般管理費は、前年度に比べ9.6%減少し、7,029億円となりました。構造改革効果の創出、業務プロセス改革による経費支出の抑制を進めた結果、前年から減少となりました。
 なお、当年度は、構造改革費用として193億円を計上しました。構造改革効果としては、施策を前倒して進めたことなどにより、469億円を創出しました。なお、当年度末時点でリコーグループが保有するリコーインドに対する債権について回収不能と判断したことによる貸倒引当金繰入など、リコーインド関連費用として149億円を計上しています。
 その他の収益は、主に、リコーロジスティクス株式の譲渡益等の計上により、前年度に比べ大幅に増加しました。
 のれんの減損は、前年度に計上した減損費用1,458億円から大幅に減少しました。

 以上の結果、営業利益は、前年度1,156億円の赤字から、当年度は868億円の黒字を達成しました。なお、構造改革費用、一過性収益などの特殊要因を除く営業利益としては1,051億円となり、前年度と比べて実質的な収益力(稼ぐ力)の強化を着実に進めることができました(④)。

 金融収益および金融費用は、前年度に比べ支払利息、為替差損が減少したことにより、前年度に比べ損失が縮小しました。税引前利益は、前年度1,241億円の赤字から、当年度は839億円の黒字となりました。
 以上の結果、親会社の所有者に帰属する当期損益は、前年度1,353億円の赤字から、当年度は495億円の黒字となりました(⑤)。


■財政状態
 総資産は、前年度末から841億円増加となる2兆7,251億円となりました(⑥)。資産の部では、予定していたコカ・コーラボトラーズジャパンホールディングス(株)の株式売却に伴い、その他の投資が減少したことに加えて、リコーロジスティクス(株)の株式譲渡実施により、現金および現金同等物が前年度末に比べ増加しました。たな卸資産は、第4四半期に投入した複合機の初期在庫形成と、米中貿易摩擦の影響や英国のEU離脱に備えた消耗品などの在庫積み増しなどにより増加しました。また、国内を中心としたファイナンス事業の継続的な拡大によりリース債権が増加し、その他の金融資産が増加となりました。

 負債合計は、前年度末に比べ538億円増加し1兆7,061億円となりました。負債の部では、満期となった長期借入負債の返済を行うとともに相当分の借り換えを実施したことに加え、ファイナンス事業の拡大に伴って関連子会社による負債が増加したことから、社債および借入金が前年度末に比べ増加しました。
 資本の部では、当期利益の増加と、会計方針の変更による累積的影響等により利益剰余金が前年度末に比べ増加しました。結果として、親会社の所有者に帰属する持分は、前年度末から230億円の増加となる9,325億円となりました(⑦)。株主資本比率は34.2%と引き続き安全な水準を維持しています(⑧)。

 リコーグループは、基盤事業の収益力強化と積極的な投資による新しい事業の成長を実現し、資本コストを上回るリターンの実現を図るとともに、持続的な企業価値の向上を目指しています。2019年度を最終年度とする19次中計においては、株主資本の有効活用を常に意識した経営を行い、中長期的な企業価値向上につながる成長戦略への投資にも留意しながら、資本効率の向上を目指しています。その指標として株主資本利益率(ROE)の目標値を定めており、2022年度には、ROE9.0%以上を目標にしています。
 19次中計の2年目となる2018年度はROE5.0%以上を目標として事業運営に取り組んでまいりました。基盤事業の収益力強化と新しい事業の成長、構造改革効果の前倒し創出などにより、親会社の所有者に帰属する当期利益が大きく増加し期初の見通しを上回ったことから、2018年度のROE実績は5.4%と、目標を上回って着地することができました(⑨)。


■キャッシュ・フロー
 リコーグループでは、基盤事業の収益力強化によってキャッシュを創出し、創出したキャッシュを新しい事業に対して積極的に投資することにより、事業構造の転換と中長期的な成長の実現を目指しています。2019年度を最終年度とする19次中計においては、3年間合計のファイナンス事業を除くフリー・キャッシュ・フロー(FCEF)として1,000億円*4の創出を目指しています。さらに、次の中期経営計画期間の最終年度となる2022年度には、3年間合計のファイナンス事業を除くフリー・キャッシュ・フロー(FCEF)は2,500億円*5の創出を目指します。
*4 2017~2019年度の累計
*5 2020~2022年度の累計

 営業活動によるキャッシュ・フローは、前年度に比べ現金収入が283億円減少し、819億円の収入となりました。基盤事業であるオフィスプリンティング分野の収益力改善に加えて、オフィスサービス分野をはじめとする成長分野の利益増加などにより、当期利益が前年度から大きく増加しました。一方で、運転資本においては、第4四半期に投入した複合機の初期在庫形成と、米中貿易摩擦の影響や英国のEU離脱に備えた消耗品などの在庫積み増しなどにより、たな卸資産が前年度から増加となりました。当期利益の増加による収入増を、たな卸資産などの増加による支出増が上回った結果、営業活動によるキャッシュ・フローの収入は前年比減少となりました。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、前年度に比べ現金支出が351億円減少し、459億円の支出となりました。生産設備の増強・更新などに伴う設備投資およびIT関連投資を継続的に進めたことに加えて、将来の成長にむけた事業買収なども実施しました。一方で、構造改革活動の結果として、子会社株式の譲渡などに伴う収入があり、前年度に比べて支出額が減少となりました。

 以上の結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計となるフリー・キャッシュ・フローは、構造改革活動による事業収益力(稼ぐ力)の強化、事業見直しなどにより、前年度から現金収入が68億円増加し360億円の収入となりました(⑩)。ファイナンス事業の影響を除くフリー・キャッシュ・フローは、854億円の収入となり、2019年度までの3年間累計で1,000億円を創出する目標に対して、2年間合計で1,513億円に達しており、順調に推移しています。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、前年度に比べ現金収入が360億円増加し、424億円の収入となりました。負債については、満期となった長期借入負債の返済を行うとともに相当分の借り換えを実施しました。加えて、ファイナンス事業の拡大に伴う関連子会社による負債が増加しました。支払配当金は、業績状況とキャッシュ・フローの状況および今後の成長に向けた投資を鑑み、期初に示した計画に基づいた配当金の支払いを実施しました。

 以上の結果、当年度末の現金および現金同等物残高は、前年度末に比べ795億円現金収入増となり2,400億円となりました。


インド販売子会社における不適切会計の経緯と対応、その後の状況について

1.2018年度業績影響について
 2018年度連結決算において、当社のインドにおける販売子会社であるRicoh India Limited(以下、リコーインド)に関連して149億円の損失を計上いたしました。
 リコーインドは、2018年1月29日にインドNational Company Law Tribunal(会社法審判所)に対してインド破産倒産法(Insolvency and Bankruptcy Code)第10条に基づく会社更生手続開始の申立(*1)を行い、同年5月14日付けでその開始決定を受けておりました。
 この決定に伴い会社法審判所によってモラトリアム(*2)が発令されるとともに、Resolution Professionalと呼ばれる管財人が任命され、当該管財人による管理下で、外部スポンサー候補から更生計画案を募っておりました。なお、リコーインドは、リコーグループが73.6%を出資するインドの販売子会社ですが、リコーインドが会社更生手続きに入り管財人が任命されたことを受けて、2018年5月にリコーグループの連結の範囲から除外しております。
 その後、2019年2月15日にリコーインドの債権者委員会は、複数社より提出された更生計画案の中から更生計画案を選定し、承認しました。承認された更生計画案は管財人により会社法審判所に提出され、同所において、更生計画案の審議が行われております。
 リコーインドの更生計画案は会社法審判所による承認がなされておりませんが、現段階でリコーグループが保有する同社に対する債権について全額を回収不能と判断したことにより、149億円の損失の計上となりました。
 今後の法的手続きの状況によって最終的な金額が変更となる場合がありますが、情報開示が必要と判断される場合は、速やかに公表いたします。

*1インド破産倒産法第10条に基づく会社更生手続について
 当該申立てを受けた会社法審判所により手続開始決定がなされると、管財人による財産管理が行われるとともに、債権者委員会による承認および会社法審判所による認可を目指して更生計画案の作成が行われる期間が設けられます。当該期間内に会社法審判所に更生計画案が提出されなかった場合その他インド破産倒産法所定の事由が発生した場合には、清算手続へと移行することとなります。
*2モラトリアムについて
 インド会社法審判所は、倒産処理手続開始決定と同時にモラトリアムを発令します。モラトリアム発令中は、債務者が占有する財産の所有者等による占有の回復、債務者に対する司法その他の手続き、担保権の実行、債務者の資産や権利の処分などの行為が禁止されます。モラトリアムは会社審判所による更生計画案の承認命令または清算命令が行われるまで継続されます。

2.これまでの経緯
 リコーインドは、2015年度第1四半期(4月~6月)の決算報告を行った後、適切なコーポレート・ガバナンスの観点から会計監査人を変更いたしました。その後、同年度第2四半期(7月~9月)決算において、新会計監査人から一部社員による不正行為の兆候の指摘がリコーインド経営陣・同監査委員会に対してなされました。同社監査委員会は外部専門家を選任し社内調査を進めつつ、同社は、2016年4月13日にトップマネジメントを刷新して事業の運営体制を整え、提出が遅れていた2015年度第2四半期(7月~9月)の決算を2016年5月18日にボンベイ証券取引所に対して提出いたしました。
 その後、リコーインドは不適切会計処理を継続調査し、2016年7月19日に修正結果を反映した同年度の損失見込みをリコーインドが公表するとともに、同日、リコーはインドの会社法審判所に対して、リコーインド事業再建のために増資の審査申請手続を開始しました。(増資実施同年10月15日)
 また、当社としては、リコーインドの会長職にリコー本社執行役員を新たに派遣するなどし、新マネジメント体制の元、経理・財務機能の正常化、適切な会計報告の実施、再発防止策などの支援を行い、現地事業再建に努めてきました。そのような中で、リコーインドの主要取引先との取引関係が悪化し、その後、主要取引先との係争が表面化しました。
 このような状況下で、当社としては、2017年4月から就任した社長山下のもと、グローバルで聖域なき構造改革を断行する「リコー再起動」の方針に基づき、リコーインドに対する支援に関して再検討した結果、グループ全体の損失を限定するために、現状のままでは今後追加の財務支援を行わないことを決定し、2017年10月27日に開示を行いました。同時に、こうしたリコーインドに関わる一連の事態を重く受け止め、代表取締役社長執行役員に加えて、取締役3名と執行役員1名の月額基本報酬の一部返上、前取締役社長執行役員の報酬一部返上などの処分を行いました。
 その後、前述のとおりリコーインドは2018年1月29日にインド破産倒産法第10条に基づく会社更生手続開始の申立を行うことを決議し、インド会社法審判所に対して申立てを行いました。
 リコーインドはこれまで、事業の再建に向けて経営陣の刷新、コスト削減などを進めてきましたが、同社の主要取引先との関係が悪化したことなどにより、契約の不履行や、取引先からの債権回収ができないなどの事態が発生していました。その後、債務が履行できない状態となったため、取引先、社員、少数株主ほかステークホルダーに最良の選択として会社更生手続き開始の申立てに至ったとしています。
 当社といたしましては、インドにおいて当社製品・サービスをご利用いただいているお客様のサービスを低下させないために必要な措置を管財人と連携しながら講じるとともに、リコーインドの最大のサプライヤー、債権者かつ株主としてインド会社法審判所の判断を注視してまいりました。
 2019年2月15日にリコーインドの債権者委員会は、複数社より提出された更生計画案の中から更生計画案を選定し、承認しました。承認された更生計画案は管財人により会社法審判所に提出され、同所において、更生計画案の審議が行われております。
 以上の経緯の中で、当社は連結決算において、リコーインドに関連して、2016年度に69億円、2017年度に117億円、2018年度に149億円の費用を計上いたしました。今回、2018年度連結決算において追加損失の計上を行ったことにより、リコーグループの保有するリコーインド向け債権の全額に対して引当を計上済みとなります。

3.リコーインドにおける問題の要因について
 インドはその他の新興国とは異なり、ITサービス中心に拡大しているマーケットであったため、地域の特性やビジネスモデルへの理解が十分ではなく、売上が伸長していた結果でビジネスが上手く推進できていると認識していました。その結果、急激な事業拡大を不自然な成長と認識できず、発覚が遅れました。
 また、これまでは、海外販売子会社の管理について、本社より権限委譲された地域統括会社(4極:日本、米州、欧州、アジア)が主体となり、各地域の海外販売子会社を管理する体制となっていました。
 その中で、リコーインドは海外子会社の中で唯一、現地で上場している子会社であり、インドの上場規則に則り、経営のガバナンス体制が整えられていました。それ故に、他の海外子会社とは異なり、地域統括会社によるチェックなどが甘くなっていた面もあったと認識しております。
 さらに、リコーインドにおいては基幹業務システムが統一されていなかったため、不正の把握が難しい状態となっていました。また、内部通報制度においても、海外子会社から本社に直接通報する仕組みがありませんでした。

4.再発防止に向けた取り組み
 当社は、2017年10月に開示したとおり、リコーインドに対する財務支援方針変更の事態を厳粛に受け止め、グループガバナンス強化を目的とし、本社・地域統括会社・海外子会社との連携を軸とした、再発防止策に取り組んできました。
 さらに、2018年1月に、リコーインドが会社更生手続開始の申立てを行ったことを踏まえて、事業運営および組織強化の視点も加えた以下の再発防止策に取り組んでおります。
1)事業管理強化
(ア)中期経営計画や事業計画立案・承認時の、地域・事業の独自性を意識したリスク評価項目レビューの仕組み整備
(イ)新興国のカントリーリスク、新規・成長事業のビジネスリスクに見合った子会社管理の実施
(ウ)海外子会社の事業管理を強化し、購買プロセスをグローバルで標準化
(エ)新しい事業領域における失敗事例・ベストプラクティスを水平展開する仕組みの構築
[進捗]
 2018年度にリスク評価項目を設定し、レビューをする仕組みを構築いたしました。新興国におきましては、2017年度から直轄販売事業本部の下で、本社が直接管理しております。
 また、2017年度に購買プロセスの運用標準を策定・運用を開始いたしました。さらに、2018年度には失敗事例・ベストプラクティスを展開するためのガイドラインを発行し、各販売会社が自社での運用制度の構築を完了しております。加えて、2018年度から投資委員会を設置し、投資案件についてもビジネスリスクに見合った子会社管理のための定期的なモニタリングを展開しております。
2)経営管理強化
(ア)地域統括会社と本社の関連会社主管管理部門、経理部門が一体となった海外子会社の管理強化
(イ)本社機能が各国ごとの事業の実施状況を確認できる仕組みの構築
[進捗]
 2017年度にバランスシート、キャッシュフロー等の財務諸表の各国の管理項目を設定し、月次レビューを実施する仕組を構築しました。さらに、事業ごとの売上明細を各販売会社別に可視化して共有する仕組みを構築し、運用しております。
3)組織体制強化
(ア)本社に販売会社の統括組織設置と、地域統括会社・販売会社との責任範囲・役割の再定義
(イ)本社経理・財務機能の統合による、レポートラインと管理責任所在の明確化
[進捗]
 2017年4月から極・販売会社を統括する販売本部と新興国地域を本社から管理する直轄販売事業本部を設置し、責任範囲・役割の再定義を実施いたしました。それに加え、2019年度からはCMO(Chief Marketing Officer)にレポートラインを統一しております。また、2018年4月より経理・財務機能を統合した経理法務本部を設置し、管理責任所在を明確にしております。
4)コンプライアンス強化
(ア)海外子会社の現地幹部出向者に対して、事業管理や内部統制に重点を置いた役割や責任を明確にする教育の実施
(イ)アジア・パシフィック極への指名報酬委員会設置による、経営幹部の評価・監督の強化
(ウ)内部通報制度のグループ各社での整備強化と全従業員への周知徹底、および、グループ全役職員が本社に直接通報できる内部通報共通窓口の設置
[進捗]
 2017年度から幹部出向社員に赴任前教育を実施し、2018年度からは新規駐在者への同様の教育を実施しております。
 2016年3月にアジア・パシフィック極に設置した指名報酬委員会にて、同極における経営幹部評価の手続きを強化いたしました。内部通報共通窓口に関しましても、2018年10月に多言語に対応した本社直通の窓口を設置し、運用を開始しております。
5)監査強化
(ア)取引内容のチェック強化など内部監査の実効性向上のために、グローバル監査チームによる内部監査を実施
(イ)各海外子会社の会計監査人を、当社で採用している監査法人の系列に統一化し、海外子会社の会計監査人との連携を強化
6)ITガバナンス強化
(ア)アジア・パシフィック圏の基幹システムのアセスメント実施と、ITガバナンスが効いたシステム再構築
[進捗]
 2018年度までに、アジア・パシフィック極の全9販売会社のITアセスメントを完了し、ITガバナンスを効かせるためERPシステムの統一化に2019年から着手する予定です。

5.今後にむけて
 当社としては、インド会社法審判所の判断を尊重し、必要な手続きを進めてまいります。同時に、当社製品をお使いいただいているお客様へのサービスを低下させないことが引き続き極めて重要であると認識しており、サービス提供の継続、サービス品質の維持に最大限努めてまいります。
 また、当社にとってインド市場は重要な市場であり、リコーの強みに特化した事業領域の見極めと最適な市場・チャネル戦略の策定を行っていきます。今後の状況に関しましてご報告が必要な情報がございましたら、速やかにご報告します。

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2019/06/21 11:30:00 +0900
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