ご参考 コーポレート・ガバナンスに関する取り組み

コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方

 リコーグループは、経営者の活動を含む企業活動全体が社会的良識に適い、多様なステークホルダー の期待に応えられるように、企業倫理と遵法の精神に基づき、経営の透明性を確保しつつ、競争力の強化を目指したコーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでいます。これにより、持続的な成長と企業価値・株主価値の向上を図ってまいります。
 リコーグループは、企業活動の基礎となる理念・価値観を「リコーウェイ」として定めています。「リコーウェイ」は、「創業の精神」および「私たちの使命・私たちの目指す姿・私たちの価値観」で構成されています。経営の方針・戦略はリコーウェイに基づき策定されるなど、リコーウェイは自律的なコーポレート・ガバナンスの根本的な考え方となっています。
 当社は監査役制度を採用しています。また、取締役会による経営監督の強化、ならびに執行役員制度による経営執行の効率化を図っています。さらに社外取締役を招聘し、当社から独立した客観的な立場での議論を通じた意思決定および経営監督によりコーポレート・ガバナンスのさらなる強化を図っています。


 取締役および執行役員の指名・報酬については、取締役会の諮問機関であり、委員の半数以上を社外取締役で構成する「指名委員会」、「報酬委員会」において、審議を行い、取締役会へ答申しています。

社内カンパニー制への移行に向けた取り組みについて

 リコーグループはデジタルサービスの会社への事業構造の転換と資本収益性の向上をさらに進めるため、2021年4月1日より社内カンパニー制に移行しました。
 各カンパニーが自律的に事業運営を行い、本社部門は中長期戦略の立案や各カンパニーへの資本配分、および成長性/資本収益性による厳格な事業管理に重点化し、グループ全体の企業価値の向上を実現します。
 今回の組織体制の刷新を踏まえ、当社は監督、執行、監査の各視点から、以下のようなガバナンスに関する取り組みを進めています。
①監督の視点
(ア)取締役会ならびに指名委員会において、従来より実施しているCEOを含めた取締役に対する評価に加え、各カンパニーの責任者をはじめとする経営執行幹部に対するパフォーマンス評価を2021年度より実施します。
(イ)取締役会が定期的に事業ポートフォリオや各社内カンパニーパフォーマンスの状況について審議を行い、投下資本や資本収益性などのモニタリングを強化しました。
(ウ)社内カンパニーへの権限委譲、関連会社管理の見直しなど、経営の新たな体制・運用に対して、内部統制やリスクマネジメントが適切に機能しているか、取締役会によるモニタリングを強化しました。
②執行の視点
(ア)社内カンパニー制により各事業の責任範囲の透明性を高めた上で、各事業の目標値(資本収益性など)を設定し、達成状況を定期的にモニタリングしています。 (イ)各カンパニーにおいて獲得した収益はグループ全体で一度集約し、GMCの一部であるポートフォリオマネジメント会議にて資源の再配分の方針を決定します。 (ウ)各カンパニーは、各自の事業運営に関して自律的な内部統制・リスクマネジメントを実施することに加え、グループ本部のリスクマネジメント部門との連携体制を構築し、各カンパニー内での統制状況の共有やグループ全体での重点リスクへの対応に協力します。 ③監査の視点
(ア)監査役会としては、社内カンパニー制への移行によりガバナンス上の変化が生じる点として、各カンパニーにおける内部統制・子会社管理体制やグループ本部によるガバナンスの実効性を2021年度における注視すべき監査上の課題として認識し、上記、監督の視点、執行の視点での取り組み状況の確認を含め、監査活動を行っていきます。 (イ)監査役監査のみならず、内部監査部門および会計監査人との連携を強化・活用し、社内カンパニー制移行後のガバナンス・内部統制の実効性について監査を行っていきます。

取締役会

 取締役会では経営監督およびグループ経営に関わる重要な意思決定を行っています。独⽴性の⾼い社外取締役を招聘することにより、経営の透明性の確保と公正な意思決定の一層の向上を図っています。
 社外取締役と非執行取締役、執行を担う取締役がそれぞれの専⾨性や経験などを活かし、重要案件に対して深い議論を行うことで、成長につながる新たな挑戦を促すとともに、株主をはじめとする多様なステークホルダーの視点で経営の監督が行われる体制を構築しています。また、すべての取締役に対し、取締役会への出席率が原則80%を下回らないことを求め、経営に対する実効的な監督機能を果たすよう要請しています。
 当社は取締役会における社外取締役(独⽴役員)の割合を3分の1以上とする方針としています。2020年度は取締役8名のうち、半数の4名が社外取締役(独⽴役員)、過半の5名が非執行取締役で構成され、多様な意見を取り入れるとともに、経営の恣意性を排除するよう努めてまいりました。

(2021年5月20日現在の取締役)

取締役会の内容
定数:15名以内
人数:8名
   (うち社外取締役4名)
任期:1年
   2021年5月20日現在

取締役会の様子

監査役会

 監査役会では、監査の方針および業務の分担などを協議決定し、取締役の職務の執行を監査するほか、当社の会計監査人、および内部監査部門との連携や、社内各部門・子会社監査を通じて、経営への監督機能を果たしています。監査役は、取締役会にとどまらず、重要な会議に出席し、また、代表取締役と定期的な情報交換を行っています。
 当社の監査役は5名で、社内の事情に通じた常勤監査役2名と、当社の定める独立役員の要件を満たす社外監査役3名としており、過半数が独立社外監査役です。また、監査役会として必要な知識、経験、専門能力をバランスよく確保して、監査役会を構成することとしており、各監査役の専門分野における豊富な経験と幅広い見識、および独立した客観的な視点で深い議論が行える体制を構築しています。
 監査役および監査役会の活動状況については、監査実績説明書(111頁から114頁)をご参照ください。

(2021年5月20日現在の監査役)

監査役会の内容
定数:5名以内
人数:5名
   (うち社外監査役3名)
任期:4年
   2021年5月20日現在

監査機能の連携
 監査役会が、監査役の実効的な職務遂行のため、監査実績説明書(111頁から114頁参照)で報告している活動を行うとともに、監査役、会計監査人および内部監査室においても、当社の監査機能全体の強化・充実を図るため、適切な連携を行っています。

1.三様監査の連携
 監査役、会計監査人および内部監査部門である内部監査室は、監査方針・計画・方法について相互に擦りあわせを行っています。加えて、これまで分散管理されていた子会社の基本情報、リスク情報を「拠点リスクマップ」として一元的に整備し直し、それぞれの監査活動で有効活用できるよう情報共有を行っています。また、月次で三様監査会議を開催し、監査内容および監査結果について情報交換を行うほか、内部統制の状況やリスクの評価などに関しても意見交換し、課題の共有を図っています。

2.個別の連携

  1. 監査役と内部監査室との連携
     月次で常勤社内監査役と内部監査室、内部統制担当役員との定例会を実施し、監査結果や課題認識の共有を行っています。また、内部監査室より監査役会において四半期ごとに活動状況などの報告を行い、独立社外監査役の視点を取り入れた意見交換を行っています。
  2. 監査役と会計監査人との連携
     監査結果や情報の共有は三様監査会議にて実施しています。加えて、特定のテーマに関しては、必要に応じて適宜会議を設定し、速やかな情報交換と議論を行っています。
  3. 会計監査人と内部監査室との連携
     会計監査人に対して、内部監査結果の共有や意見交換を行っています。

取締役・監査役のトレーニング
 当社の取締役・監査役に向けたトレーニングは、社内と社外の取締役・監査役それぞれの役割や状況に応じた知識の習得・更新を行うことによって、取締役会における監督機能を発揮し、企業価値・株主価値の向上に資する議論が建設的に行われ、会社の重要な統治機関の一翼を担う者として期待される役割・責務を適切に果たすことを目的としています。
 社内取締役・監査役の就任に際しては、役割と責務の確認、コーポレート・ガバナンスや法務・財務などの責務の履行に必要な知識を習得するための研修を実施しています。また、就任後においても、最新の知識の更新を目的に、各取締役・監査役に適合した社内外の研修やEラーニングなどによるトレーニングの機会を確保しています。
 社外取締役・監査役には、責務の履行にあたって十分な知見と経験を有する者から選任しています。就任に際しては、当社の状況に関する理解を深めるための知識として、事業戦略、財務状況、組織体制などの説明や、必要に応じて主要拠点の現場視察などの機会を設けています。また、就任後においても、当社の状況や経営環境、事業運営上のリスクなどを定期的に提供・共有することに加えて、経営会議(グループマネジメントコミッティ)へのオブザーバー参加や現場視察など会社の実態を把握する機会を提供することにより、取締役会の経営監督機能および監査役の監査の実効性確保、向上を図っています。
 上記対応が適切に行われていることを確認するため、これらの実績は、取締役会に報告しています。

指名委員会/報酬委員会

 CEOをはじめとした経営幹部の指名、報酬などの決定については、取締役会の経営監督の最重要事項の一つとして、非執行取締役を委員長、委員の過半数を非執行取締役とし、半数以上を社外取締役とする「指名委員会」、社外取締役を委員長、委員の過半数を非執行取締役とし、半数以上を社外取締役とする「報酬委員会」を設置することで、取締役、執行役員などの選解任や報酬の透明性、客観性を確保しています。また、指名委員会、報酬委員会の審議には、毎回社外監査役1名がオブザーバーとして出席しています。
 2020年度の指名委員会は社外取締役3名、社内非執行取締役1名、社内執行取締役1名の体制、報酬委員会は社外取締役4名、社内非執行取締役1名、社内執行取締役1名の体制で構成され、両委員会とも社外取締役が過半数かつ委員長も社外取締役となっています。



指名委員会


報酬委員会

ガバナンス検討会/取締役検討会

 ガバナンス検討会は、リコーのガバナンスの⽅向性や課題について、取締役、監査役などが包括的な議論を⾏う場として開催しています。実施した検討会の概要はガバナンス報告書などで開⽰しています。
 取締役検討会は、取締役会における会社の重要なテーマ(中期経営計画など)の決議に向けて、取締役および監査役が事前に⼗分な議論を尽くすための機会・時間として開催しています。


グループマネジメントコミッティ

 リコーグループ全体の経営について全体最適の観点での審議および意思決定を迅速に行うために、取締役会から権限委譲された社長執行役員が主催する意思決定機関として、一定の資格要件を満たす執行役員で構成される「グループマネジメントコミッティ(以下、GMC)」を設置しています。取締役会での決裁必要項目は取締役会規程にて定めており、その基準に満たない決裁案件や事業執行に関する重要事項はGMCにて意思決定がなされます。また、GMCによる業務執行に関する以下の事項について、3ヶ月に1回以上取締役会に報告を行っています。
 ● 経営戦略上重要な経営指標および重要施策の実施状況
 ● GMCにおける決議事項とその結果

開示委員会

 開示委員会は、投資家の投資判断に影響を与える情報の適切な開示に加え、投資家の投資判断に資する会社情報の主体的な開示を実施することで、株主および資本市場との対話を促進し、それを通じて株主および資本市場との信頼関係を構築し、当社に対する適正な評価の獲得を実現することを目的としています。
 当委員会は、開示統括部門/経理部門/法務部門/情報発生・情報認知部署/関連会社の主管管理部門/内部統制部門の各機能の代表と開示責任者であるCFOで構成されています。
 当年度に、これまでの開示委員会の役割や開催基準を見直しました。年次報告書類や適時開示書類の適切性・正確性の判断、開示手続きにおける情報開示の要否判断に加えて、ブランディング上大きな影響を与える調査を含め、投資家の投資判断に資する会社情報の積極的な開示に関する審議や開示手続きのモニタリング実施の役割を追加しました。また、開示情報の適時性、開示書面内容の正確性・妥当性、開示判断の合理性などに関して、内部統制部門が定期的に評価を行い、内部統制委員会、取締役会へ報告を行います。

内部統制委員会

 内部統制委員会は、リコーグループ全体の内部統制に関する審議および意思決定を行うために当社の社長執行役員の下に設置される機関です。
 当委員会は、一定の資格要件を満たす執行役員で構成されており、四半期毎開催を原則としていますが、状況に応じて臨時あるいは緊急で開催されます。

 当委員会における審議内容は以下のとおりです。
1.内部統制の整備・運用評価および是正
・内部統制全般の整備・運用評価
  ・財務報告に係る内部統制有効性の評価   ・情報開示に係る内部統制有効性の評価   ・内部統制の是正 2.内部統制に関する活動方針の決定
・財務報告に係る内部統制の基本方針の決定
  ・年度内部監査計画の決定 3.内部統制の不備への対応
・重大なインシデントが発生した場合の対応の決定
4.内部統制原則の改定の取締役会への提案
・環境変化を考慮の上、内部統制原則の改定の取締役会への提案

 特にグループ全体への影響が懸念される重大なインシデントについては、発生の背景・要因、再発防止策などの詳細を確認し、その再発防止策の有効性やグループ内での同インシデントの再発に対する懸念が残る場合は、必要な対策を速やかに決定し、トップダウンで確実な実行につなげています。

リスクマネジメントシステムとリスクマネジメント委員会

 リコーグループのリスクマネジメントシステムには、図1に示すように大きく2つの層があります。
1.GMCがリコーグループの経営において、重要度が⾼いと考える管理項目を主体的に選択し、管理する重点経営リスク 2.各事業執行組織が責任を持って、自組織のリスク管理を行う部⾨・各カンパニーリスク

 この2つの層は、リスクのレベルごとに機動的な意思決定・迅速な活動を可能とするべく管理主体を明確にするために存在しており、全体で一つのリスクマネジメントシステムを構成します。また、環境変化に応じた影響度の変化によって、各層で扱うリスクの入替えなどが行われます。
 図1の右側に各活動主体の役割を記載しています。


*委員長は執行役員またはフェロー以上

 リスクマネジメント委員会は、リコーグループ全体のリスクマネジメントプロセス強化のために、GMCの諮問機関として設⽴されました。当委員会は、リスクマネジメント担当役員を委員長とし、各組織の有識者を委員とすることで、リスクの網羅性確保と議論の充実を図り、リコーグループの経営において対応・重点化すべきリスクをGMCに提案しています。また、リコーグループのリスクマネジメント実効性強化のため、必要に応じて図1、2に示すリスクマネジメントシステムを見直し・再構築を行います。

 2020年度は、11月に2回開催し、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるワークスタイルの変化、内的環境の変化(社内カンパニー制への移行、デジタルサービスの会社への転換)、刻一刻と変化する国際情勢など、さまざまな変化がもたらす新たなリスクについて集中的に議論を行いました。その後、2021年3月にも、新体制に向けて重要な残余リスクの再確認をしていますが、想定外の事象や管理上の盲点が生じる可能性はゼロではありません。そのため、2021年度からは、リスクマネジメント委員会の開催頻度を増やすなど、モニタリングを強化し、リスクを早期に捉え対応するとともに、適宜重点経営リスクの見直しを行うなど、リスクに柔軟に対処していきます。

 また、経営と各事業執行組織の連携を取り、より実効性の⾼い一気通貫のリスクマネジメントシステムとするために、各組織からリスクマネジメント責任者(原則組織長)・推進者(組織長と日常的にコミュニケーション可能な者)を選定しています。さらに、リスクマネジメント推進者を対象とした連携強化会議を開催し、各組織のリスクマネジメント活動の好事例の共有や重点経営リスクの周知、リスクマネジメント強化のための外部専門家による勉強会やワークショップなどを行い、リスクに強い企業風土の醸成を進めています。

「重点経営リスク」の決定プロセス

 GMCとリスクマネジメント委員会は、経営理念や事業目的などに照らし、利害関係者への影響を含めて、経営に大きな影響を及ぼすリスクを網羅的に識別した上で、重点経営リスクを決定し、その対応活動に積極的に関与しています。(図2:重点経営リスク決定プロセス)・  重点経営リスクは、その特性から「戦略リスク」と「オペレーショナルリスク」に分類され管理されています。戦略リスクについては、短期の事業計画達成に関わるリスクから中長期の新興リスクまで経営に影響を与えるリスクを幅広く網羅しています。 ・  リスクマネジメント委員会は、GMCの諮問機関として、より精度の⾼い重点経営リスク候補を提案すべく、委員会メンバーそれぞれの専⾨領域の知見・経験則を活かし、十分な議論のもと、リスクの識別・評価を行っています。

図2:重点経営リスク決定プロセス


事業等のリスク



*1 ISO/IEC:International Organization of Standardization/International Electrotechnical Commission 
*2 NIST:National Institute of Standards and Technology

投資委員会

 投資委員会は、GMCの諮問委員会と位置づけ、投資について、資本コストも踏まえた財務的視点での妥当性、事業戦略視点での収益性や成長性リスクなどの観点で投資計画の検証を行います。多様化する外部への投融資案件について、専門的なメンバーが事前に確認/協議することにより、経営戦略との整合性や投資効果を高め、投資判断のスピードと適確性を向上させることを狙いとしています。
 当委員会は、戦略、財務、リスクを主な審議の視点としており、そのメンバーは、CEOの指名する委員長と、各視点の専門家として経営企画/経理/法務/内部統制の各機能の代表と案件に応じた有識者から構成されています。立案部門との関係では、事前協議先として対象案件の投資価値を総合的に審議の上、評価、アドバイスすることを役割としているため、投融資案件についての決定権および拒否権は有しませんが、各案件に対し、当委員会としての審議結果を明確に示すことにより、各案件決裁者の客観的判断をサポートします。
 GMCの諮問機関として当社全体の外部投融資判断の適確性を向上させるために、GMC決裁基準金額以下の案件も審議の対象とし、立案部門の投資判断力強化を行うとともに必要に応じて決裁基準金額の変更など、GMCに対して提言を行います。

<M&A人材育成の取り組み>
 2019年度よりM&AやPMI*を成功に導くことのできる人材を体系的に育成しています。立案部門のレベルアップにより、投資案件の質を向上させ、投資委員会での議論・審議の充実化を図っています。
 育成プログラムは、当社の過去事例などを踏まえ、リコー独自のプログラム(20講座/6か月間コース)を用意し、これまでに70名が修了認定を取得しています。2021年度はさらに受講者を増やし実施する予定です。
 また、本育成プログラムの修了認定後も、企業価値評価や財務分析の講座、人事、環境、ITなど機能別の専門講座を開設し、受講者への継続的な支援を行いさらなる能力向上を図っています。
 これらの取り組みにより、立案部門の投資検討のスピードと適格性が向上しています。

* PMI(Post Merger Integration ポスト・マージャー・インテグレーション):
当初計画したM&A後の統合効果を最大化するための統合プロセスを指します。統合の対象範囲は、経営、業務、意識など統合に関わるすべてのプロセスに及びます。

ESG委員会

 ESG委員会は、環境・社会・ガバナンス分野におけるリコーグループの課題を経営レベルで継続的に議論し、グループ全体の経営品質の向上につなげていくことで、ステークホルダーからの期待・要請に迅速かつ適切に応えていくことを目的としています。当委員会は、具体的に以下の役割を担っています。
1.SDGsへの取り組みなど、ビジネスを通じた社会課題解決を経営の根幹に据えるためのリコーグループサステナビリティ戦略の策定 2.グループ全体の中長期的なサステナビリティリスク・機会および重要課題の特定(TCFD*で求められる気候変動リスク・機会に関する投資判断など) 3.グループ全体のサステナビリティ戦略/重要課題/各事業部門のKPIの進捗状況の監督および助言 4.取締役会で審議すべきサステナビリティ課題の特定と取締役会への上申  当委員会はCEOを委員長とし、GMCメンバーと監査役およびESG担当役員から構成されます。四半期に一度開催される委員会では、議論するテーマに応じて該当する事業部門の責任者を招集し、サステナビリティ課題を横断的に検討・議論していく体制を整えています。
 2020年度はESG委員会を4回開催し、以下について議論を行いました。


*TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)
金融安定理事会(FSB)によって設立され、企業に対する気候関連リスク・機会の情報開示の促進と、低炭素社会へのスムーズな移行による金融市場の安定化を目的としている。

株主との建設的な対話に関する方針

●当社は、株主と積極的かつ建設的な対話を行い、その対話を通して得られた意見を企業活動に反映させるサイクルを通じ、相互理解による信頼関係の醸成を行います。また、そのサイクルに基づく企業活動を通じて、世の中の役に立つ新しい価値を生み出し、提供し続けることで、人々の生活の質の向上と持続可能な社会づくりに積極的に貢献し、中長期的な企業価値の向上に努めます。 ● 株主との対話の責任者は社長執行役員とし、必要に応じて担当役員を置きます。 ● 株主との対話を促進するためIR専任部署を設け、関連部署との連携はIR専任部署が行います。 ● 株主との対話は原則としてIR専任部署が行いますが、個別の要望がある場合は必要に応じて社長執行役員または担当役員が面談に臨みます。 ● 株主との面談以外に、中期経営計画説明会、決算説明会、IR Day、事業説明会などを実施する他、スモールミーティングの開催、外部主催のIRイベント・カンファレンスへの参加なども適宜検討の上、実施します。 ● 株主との対話を通して得られた意見などは四半期ごとに経営層に対しフィードバックを行います。 ● インサイダー情報取扱に関する内規を遵守し、個別株主との対話ではインサイダー情報の開示は行いません。なお、インサイダー情報漏洩を防止し情報開示の公平性を保つため決算期末日の翌日から決算発表日までを沈黙期間とします。

取締役選任の考え方

取締役の選任基準

[ 経営能力 ]
(経営機能の適切な遂行にあたっての高い洞察力および判断力)
1.事業・機能の広い領域に識見をもち、全社的・長期的視点に立って適切に思考し、判断する能力を有すること
2.本質を見極め、課題を明らかにする洞察力を有すること
3.グローバルに発想し、グローバルに最適な判断を行うことができること
4.判断力・洞察力の基点として幅広い経験を有し、企業価値および競争力の飛躍的向上につながる高い実績をあげていること
5.コーポレート・ガバナンスのあり方をしっかり認識した上で、株主および顧客をはじめとする多様なステークホルダーの視点に立って、適切に思考し判断を行うことができること

[ ⼈格・⼈間性 ]
(監督機能の円滑な遂行にあたっての取締役相互および経営執行との良好な信頼関係)
1.高潔(誠実かつ高い道徳観・倫理観を有する)であり、法令および社内ルールの厳格な遵守はもとより、高い道徳観、倫理観に基づくフェアで誠実な判断・行動を率先していること 2.人間尊重の精神に立って、他者に対し敬意と信頼を持って接するとともに、多様な価値観や考え方を深く理解・受容し、個々の人格と個性を尊重した判断・言動・行動を率先していること

社外取締役の選任基準

社外取締役の選任基準は、社内取締役と同じ上記の基準に加え、異分野に関する専⾨性、問題の発見および解決能力、洞察力、戦略的思考能力、リスク管理能力、指導力などに優れていることを付加的な基準とします。

ダイバーシティについて

取締役の選任にあたっては経営能力や人格・人間性などの他に、多様な視点や、経験、さらに多様かつ⾼度なスキルを持った取締役で構成されることが必要であると考えています。
ダイバーシティを考慮する際には、人種、民族、性別、国籍などの区別なく、それぞれの人格および識見に基づいて候補者を選定し、これらの属性に関する多様性を確保することに加え、経営に関連する各分野の専⾨知識や経験などの面での多様性を確保することを方針としています。

取締役の選任プロセス・評価プロセス

 当社は、持続的な成長と企業価値・株主価値の向上のためコーポレート・ガバナンスの強化・充実に継続して取り組んでいます。

[ 指名委員会 ]
 取締役会は、取締役、CEO、および経営陣幹部などの選解任・評価における手続きの客観性・透明性・適時性を確保するため、取締役会の諮問機関である指名委員会を設置しています。
 指名委員会は、客観性・独⽴性を⾼めるために、非執行取締役を委員長、過半数を非執行取締役、かつ半数以上を社外取締役で構成することとしています。また、委員会には社外監査役1名が同席し、審議の透明性の確保に努めています。
 (2020年度は、社外取締役3名、社内非執行取締役1名、社内執行取締役1名で構成されており、社外取締役が過半数、かつ指名委員長も社外取締役となっています。)指名委員会は、以下について審議を行い、取締役会へ審議内容および結果を報告・答申しています。

(取締役会からの諮問事項)
  ①CEOおよび取締役候補者の指名
  ②CEOおよび取締役の職務継続の妥当性評価
  ③CEOおよび取締役の実績評価
  ④CEO後継計画ならびに将来のCEO候補者の育成状況の確認
  ⑤執行役員、グループ執行役員、顧問およびフェローの選解任案および選解任理由の確認
  ⑥取締役、執行役員およびグループ執行役員の選解任制度制定・改廃の可否
  ⑦その他個別に取締役会から諮問のあった事項

(その他の審議事項)
  ①監査役会からの依頼に基づく監査役候補者の選出理由の確認
  ②執行役員のパフォーマンス評価の確認
  ③その他CEOからの相談事項など

[ 選任プロセス ]
 取締役候補者の指名に先⽴って、取締役会実効性評価会で認識された課題などを踏まえ、指名委員会は、取締役会が経営判断および執行監督を適切かつ有効に行うことができる体制を維持するために、取締役会の構成や取締役に求められる専⾨性・経歴(スキル・キャリアマトリクス)などについて継続的な審議を行っています。
 取締役候補者の指名に関しては、指名委員会における数回の審議を経て、厳選な審査を行っています。取締役の役割・責務を果たすために必要不可欠となる経営能力や人格・人間性を基本要件とし、当社における経営環境・目指す方向性・課題などに応じた当社の取締役として求められる資質・経験・スキル・多様性などについて多面的に審査するとともに、指名の根拠を明確にした上で取締役会へ答申しています。取締役会は、指名委員会からの答申を踏まえ株主視点で審議を行い、株主総会へ付議する取締役候補者を決定します。
 なお、執行体制においても、GMCが的確かつ迅速な意思決定を行える体制を構築するとともに、サクセッションプランにおける適切な経営人材の登用・育成を図ることを目的に、人材と役割・スキル・キャリアなどを俯瞰したスキル・キャリアマトリクスを活用し、CEOが経営人材候補者の選抜や育成方針について指名委員会へ報告しています。

[ 評価プロセス ]
 取締役の評価は、取締役会から諮問を受けた指名委員会が毎年実施しており、二段階による評価を行っています。一次評価は、取締役の職務継続の妥当性について慎重かつ適正に審議することで、選解任の適時性を確保しています。また、二次評価においては、実績を多面的に評価し、課題などを明確にして、本人へ評価結果のフィードバックを行うことにより、経営の質的向上を図っています。なお、指名委員会での取締役の評価に関する審議の内容および結果は、取締役会に答申され、取締役会で取締役の職務継続の妥当性について監督を徹底することとしています。
 なお、評価にあたっては、「取締役としての経営監督の遂行状況」、「業績・資本収益性・その他の主要経営指標など財務の視点」、ならびに「株主への貢献度や資本市場の評価の視点」などを基準としています。

CEO評価とサクセッションプラン

 リコーグループが中長期にわたり、継続的に株主価値・企業価値を⾼め、社会の構成員としてその社会的責任を果たし永続していくための重要な取り組みとして、CEOサクセッションプランを位置づけています。
 コーポレート・ガバナンスの強化の観点から、客観性、適時性、透明性の⾼い手続きによるCEOサクセッションプランの構築を目指しています。

①CEO評価
 
CEOの評価は取締役会から諮問を受けた指名委員会が毎年実施しており、二段階による評価を行っています。
 一次評価は、職務継続の妥当性について慎重かつ適正に審議することで、選解任の適時性を確保しています。また、二次評価においては、実績を多面的に評価し、課題などを明確にして、本人へ評価結果のフィードバックを行うことにより、経営の質的向上を図っています。なお、指名委員会での評価に関する審議の結果は、取締役会へ報告され、CEOに対する実効性の⾼い監督を行うこととしています。

<CEO評価の主な項目>
(1)財務の視点
   中期経営計画や事業計画の進捗、資本収益性、その他の主要経営指標など
(2)株主・資本市場の視点
   TSRなどの株式関連指標、アナリスト評価など
(3)非財務の視点
   ESGへの取り組み、顧客・社員満足度、安全・品質など

②CEO候補者の選定・育成・評価
 年に1回(9月頃)、CEOは将来のCEO候補者案を作成するとともに、それらのCEO候補者に対する育成計画を策定し、11月初めの指名委員会でCEO候補者案および育成計画について説明を行っています。指名委員会は、CEO候補者案ならびに育成計画の妥当性を審議するとともに、CEOに対して育成に関する助言を行い、その結果を取締役会へ報告しています。取締役会は、指名委員会からの報告を受けて候補者選定および育成計画の妥当性を確認するなど、CEO候補者の選定・育成に主体的に関与しています。

<候補者の選定>
 CEO候補者の選定にあたっては、交代時期を想定し以下のターム毎の候補者を選定しています。なお、下表の事故あるときの交代候補者1名は、CEOの選定と同時に取締役会の決議により決定しています。

<候補者の育成>
 CEOは、将来のCEO候補者の育成計画についての指名委員会での審議・助言を踏まえて、次年度、CEO候補者それぞれの課題に応じた当人の成長に必要なチャレンジの場を付与し、実績を積ませるとともに、CEO候補者のアセスメントを踏まえ当人の成長に必要な助言などを実施しています。

<候補者の評価>
 CEO候補者の評価は毎年実施し、CEOはCEO候補者の育成期間(4月から翌年3月)における実績および成長状況(評価期間は4月から指名委員会開催前月である10月まで)について11月初めの指名委員会へ報告を行っています。指名委員会は、CEO候補者の継続・交代などについて審議を行い、その結果を取締役会へ報告しています。取締役会は、指名委員会からの報告を受けてCEO候補者の評価および継続・交代における審議の妥当性を確認するなど、CEO候補者の評価プロセスに主体的に関与しています。

取締役・監査役の報酬等に係る事項

1.個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針の決定方法
 当該方針は、取締役会の諮問機関である報酬委員会において審議を行い、取締役会へ答申し、これを踏まえ取締役会で決定しています。

2.報酬に関する考え方
 当社は、リコーグループの株主価値の増大に向けて、中長期にわたって持続的な業績向上を実現することに対する有効なインセンティブとして、役員報酬を位置づけています。また、コーポレート・ガバナンス強化の視点から、報酬水準の設定や個別報酬の決定について、客観性・透明性・妥当性の確保を図るための取り組みを行っており、以下の基本方針に基づいて報酬を決定しています。
1)役員報酬は「期待される役割・責任を反映する基本報酬」、「会社業績を反映する賞与(業績連動報酬)」、「中長期的な株主価値向上を反映する報酬」の3つの要素で構成する。なお、社外取締役の報酬は業務執行から独立性を確保するため基本報酬のみとし、社内の非執行取締役の報酬は常勤取締役として会社の実情に精通した上で業務執行の監督を担う役割を踏まえて基本報酬と賞与のみとする。また、監査役の報酬は適切に監査を行う役割に対する基本報酬のみとする。 2)報酬水準設定や個別報酬決定にあたり、適切な外部ベンチマークや報酬委員会での審議を通じ、客観性・透明性・妥当性を確保する。

3.個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針ならびに当年度に係る業績連動報酬等および非金銭報酬等に関する事項

1)報酬の決定プロセス
 当社は、インセンティブ付与を通じた収益拡大と企業価値向上およびコーポレート・ガバナンス強化に向け、より客観的で透明性のある報酬の検討プロセスを構築するために、任意の報酬委員会を設置しています。報酬委員会は、取締役の報酬基準、および業績に基づき、複数回にわたる審議を経た上で、基本報酬、賞与、株式取得目的報酬、および株価条件付株式報酬に関する各々の報酬案を決定し、取締役会へ答申しています。取締役会は、報酬委員会から答申のあった各報酬議案について、審議・決定を行い、賞与については株主総会への取締役賞与支給議案付議の要否を決定します。

2)報酬水準の決定方針
 企業業績との適切な連動性確保の観点から、当社の業績に対して狙いとする水準を報酬区分ごとに確保できているかを判定しています。基本報酬は外部専門機関の調査結果に基づくベンチマーク企業群*の役員の報酬水準を目安とし、短期・中長期インセンティブはベンチマーク企業群の業績と比較して当社の営業利益水準が「上位」であれば「ベンチマーク企業群の上位」の水準、「下位」であれば「ベンチマーク企業群の下位」の水準となるように設定しています。毎期の報酬委員会で狙いとする水準を確保できているかを確認し、水準是正の要否は、単年度ではなく、3年間の傾向を確認した上で判定しています。
*従業員数3万人以上~20万人以下および売上高5,000億円以上~3兆円未満の規模の国内同業企業群から約20社を選定しています。

3)取締役の報酬
【取締役報酬の内訳】


各報酬の支給割合は54頁を参照

① 基本報酬
 取締役に期待される役割・責任を反映する報酬として、在任中に支払う月次金銭報酬です。株主総会で決定された報酬総額の範囲内で支給額を決定し、2020年度の支給総額は、2億5,332万円になります。

(社内取締役)
 社内取締役の基本報酬は「経営監督の役割に対する報酬」、「経営責任や役割の重さを反映する報酬」から構成されます。加えて、「代表取締役や取締役会議長、指名委員長・報酬委員長などの役割給」が加算されます。執行役員を兼務する取締役の経営責任や役割の重さは、外部専門機関の職務グレードフレームワークを参考にして決定しています。
 また、非執行取締役の報酬は常勤としての会社の実情に精通した上で業務執行の監督を担う役割を踏まえて決定しています。

(社外取締役)
 社外取締役の基本報酬は「経営監督の役割に対する報酬」、「経営への助言に対する報酬」、「指名委員長・報酬委員長などの役割給」で構成されます。報酬額は外部専門機関の客観的なデータを参照した上で設定しています。

② 賞与(短期インセンティブ)
 賞与は対象事業年度の会社業績と株主価値向上を反映する報酬として、事業年度終了後に支払う金銭報酬となり、営業利益を支給額算出の基準としています。時価総額と相関を有する営業利益を重要指標に設定することにより、取締役が全社業績と株主価値向上に責任を持つことを明確にしています。加えて、重要指標の目標達成に取締役が責任を持つことを明確にするため、資本収益性向上のインセンティブとして「ROEの当該年度実績値」を用いた指標およびESG向上へのインセンティブとして全社的な取り組みを行っている「DJSI*の年次Rating」を指標として設定しています。
 また、報酬委員会においては、下記フォーミュラにより算出された結果に関わらず、ガバナンスや非財務などの状況も含め、賞与支給の可否を審議の上で取締役会に答申し、取締役会は、これを踏まえ、株主総会への取締役賞与支給議案付議の要否を決定しています。
 当年度の取締役賞与については、当年度通期決算の営業利益が454億円の損失となったことを受け、報酬委員会は取締役賞与を支給しないことを審議し、2021年5月7日の取締役会においてその旨決定しました。そのため、2020年度の賞与の算定方法および業績指標の実績に関する開示事項はありません。
 また、2021年度のフォーミュラについては、社内カンパニー制導入の実績や期待効果を評価した上で、必要に応じて見直す予定です。

*DJSI(ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス)
米国のダウ・ジョーンズ(Dow Jones)社と、サステナビリティ投資に関する調査専門会社であるS&Pグローバル(S&P Global)社が共同開発した株価指標で、経済・環境・社会の3つの側面から世界各国の大手企業の持続可能性(サステナビリティ)を評価するもの

(ご参考)
 当年度の賞与支給額の算定方法は以下のとおりです。


③ 株主価値向上を反映する報酬(中長期インセンティブ)
 株価を反映する報酬は、中長期的な当社の企業価値向上へのコミットメントをさらに強化する目的として、以下の「株式取得目的報酬」と「株価条件付株式報酬」で構成されます。

(株式取得目的報酬)
 株式取得目的報酬は、中長期の株主価値増大に対する報酬および取締役の保有株式数を着実に増やすことを目的として、在任中に固定給を毎月支給し、支給全額がリコー役員持株会において株式の取得に充てられます。固定給は、株主総会で決定された報酬総額の範囲内で役位別に設定しており、当年度の支給総額は、984万円です。

(株価条件付株式報酬)
 株価条件付株式報酬は、取締役の報酬と当社株式価値との連動性をより明確にし、取締役が株価の変動による利益・リスクを株主と共有することで、中長期的な企業価値・株主価値の向上に貢献する意識を高めることを目的としています。
 株価条件付株式報酬は、当社が設定した信託期間を約3年間とする株式交付信託(以下「信託」)に1事業年度あたり1億円を上限として金銭を拠出し、信託が拠出された金銭で取引所市場から当社株式を取得し、当社が各取締役に付与するポイントの数に相当する数の当社株式が本信託を通じて各取締役に対して交付される制度です。
 取締役が当社株式の交付を受ける時期は、原則として取締役の退任時になります。
 当社が各取締役に付与するポイント数は、取締役会決議により定められた株式交付規程に基づいて役位別のポイントが付与され、取締役が株価の変動による利益・リスクを株主と共有する趣旨から、原則として在任期間中の当社株価の伸長率とTOPIXの伸長率との比較結果に応じた率(0~200%)を乗じ、最終的な交付株式数が決定されます。また、取締役在任期間中に、会社に損害を及ぼす重大な不適切行為があった場合には、株式報酬の返還要請を行うべく、マルス・クローバック条項を定めています。(55頁参照)
 なお、当年度の株価条件付株式報酬の付与ポイントに基づく費用計上額は1,187万円です。当年度は取締役の退任実績がないため、当社株価の伸長率の実績に関する開示事項はありません。


(ご参考)
 役員退職慰労金制度については、2007年6月27日開催の第107回定時株主総会の日をもって廃止しています。

4)監査役の報酬
 監査役の報酬は、適切に監査を行う役割に対する基本報酬のみで構成されています。

4.固定報酬と変動報酬の支給割合の決定に関する方針
 役位毎の業績に対する責任を明確にするため、固定報酬(基本報酬)と変動報酬(賞与、株式取得目的報酬、株価条件付株式報酬)の支給割合は、経営責任の重い役位上位者ほど変動報酬の割合が増える設計としています。最上位の社長は、業績目標の標準達成時には、概ね固定・変動の比率が6:4の割合となり、業績・株価の大幅上昇時には変動報酬が固定報酬を上回ります。
 今後も中長期的な企業価値・株主価値の向上を重視し、業績連動報酬の割合を高める方針で、報酬区分ごとの適切な報酬額の検討を継続審議していきます。



5.その他個人別の報酬等についての決定に関する重要な事項
1)株式報酬の返還(マルス・クローバック条項)

 株価条件付株式報酬においては、当社取締役会で決定した株式交付規程にマルス条項およびクローバック条項が定められており、当社に損害を及ぼす重大な不適切行為があったことに起因して取締役を解任される、または辞任する者については、取締役会の決議により、その該当した時点において、それまでに付与されていたポイントの全部または一部は失効するとともに以降のポイント付与も行われないものとし、当該制度対象者は失効したポイントに係る受益権を取得しないものとします。
 また、当社株式の交付、および会社株式に代わる金銭の交付を既に受けた者においても、株式交付ポイントの総数に請求日の東京証券取引所における会社株式の終値を乗じて得た額について、返還を請求することができるものとします。

2)一定期間の株式売買禁止
 株価条件付株式報酬においては、インサイダー取引規制への対応として、当社株式交付後も、退任の翌日から1年間が経過するまでは当該株の売買を行ってはならないものとします。

3)著しい環境変化などにおける報酬の取り扱い
 著しい環境変化や、急激な業績の悪化、企業価値を毀損するような品質問題、重大事故、不祥事などが発生した場合には、取締役会の決議により、臨時に取締役報酬を減額または不支給とすることがあります。

6.取締役の個人別の報酬等の内容が決定方針に沿うものであると取締役会が判断した理由
 2020年度の取締役の個人別の報酬等の内容の決定にあたっては、報酬委員会が上記決定方針との整合性を含めた多角的な検討を行い、取締役会は基本的にその答申を尊重した上で審議・決定を行っているため、2020年度の取締役の個人別の報酬等の内容は、上記決定方針に沿うものであると判断しています。

7.役員の報酬等に関する株主総会の決議に関する事項
1)取締役の金銭報酬
 当社の取締役に対する基本報酬の限度額(株式取得目的報酬の金銭支給部分を含む)は、2016年6月17日開催の第116回定時株主総会において、月額46百万円以内(うち社外取締役分は月額7百万円以内)と決議されています。決議がなされた時点において、その定めの対象とされた取締役は11名(内社外取締役は4名)となります。

2)取締役の株価条件付株式報酬
 当社の取締役に対する株価条件付株式報酬における拠出金額の限度額および取締役に付与されるポイント総数の上限は、2019年6月21日開催の第119回定時株主総会において、合計3億円(1事業年度あたり1億円)および合計30万ポイント(1事業年度あたり10万ポイント)と決議されています。決議がなされた時点において、その定めの対象とされた取締役は3名となります。

3)監査役の基本報酬
 当社の監査に対する基本報酬の限度額は、1984年6月29日開催の第84回定時株主総会において、月額9百万円以内と決議されています。決議がなされた時点において、その定めの対象とされた監査役は4名となります。

2020年度 取締役会の実効性評価の結果概要の開示

 当社は、2020年度(2020年4月から2021年3月まで)に開催された取締役会の実効性評価会を2021年5月7日に実施しましたので、その結果概要について以下のとおり開示します。

Ⅰ.2020年度 取締役会の実効性評価にあたって
 評価にあたっては、引き続き、取締役会の実効性に留まらず、任意の指名・報酬委員会および取締役会における執行の対応も対象とした評価を行いました。また、評価の客観性を確保するため、第三者による評価をあわせて実施しました。
【評価プロセスについて】
 取締役・監査役による記述評価、および匿名性を確保した第三者によるアンケートの分析結果を共有した上で、すべての取締役と監査役が参加した討議により評価を行いました。討議では、前回の実効性評価で当社取締役会が設定した以下の取締役会運営の基本方針および3つの対応項目について、2020年度の取締役会を振り返って評価を実施しました。
<2020年度の基本方針>
1)経営環境に応じた適時適切な対応と将来をみすえた戦略の更新・実行を確保するための監督と支援を行う 2)資本収益性の向上と経営資本の強化を両立するための適切なモニタリングと中長期視点での議論を充実する
<2020年度の対応項目>
①新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響に対して、緊急/中長期の両視点から的確な対応を促す ②経営環境に応じた戦略の更新のための適切な審議と支援を行うことにより、実行を加速させる ③資本収益性の視点から事業展開をモニタリングするとともに、持続的な成長を実現するための人材、技術、資金などの経営資本の強化にむけた議論と支援を行う

Ⅱ.2020年度「取締役会実効性評価」の結果概要
Ⅱ-1.取締役会の運営実績
 2020年度は新型コロナウイルス感染症拡大による緊急対応のための監督・支援を確実に行うとともに、中長期視点の審議を充実させ、第20次中期経営計画の策定、社内カンパニー制の導入、資本政策などの重要議案の監督と意思決定を適切に行うための取締役会運営に努めました。具体的には、緊急/中長期の両視点による重点テーマを取締役会主導で決定し、年間スケジュールに基づいて報告と審議の充実化を図りました。あわせて事前説明や書面報告の活用、社外役員へのサポート強化などによる情報共有の充実を図りました。
 当社取締役会における審議状況の透明性の確保を目的として、2020年度 取締役会の議案に関する時間の配分について、以下のとおり開示します。

取締役会 議案別時間配分

*1 決議議案:取締役会での決議議案に加え、決議にむけた審議を行う取締役検討会およびガバナンス検討会を含む
*2 その他:会社法上の規定に則った決議など

Ⅱ-2.総括
 取締役・監査役による記述評価ならびに第三者による評価を取締役会のメンバーで討議した結果につき、以下のとおり総括します。
・当社取締役会は、全会一致の評価として、取締役の構成は適切であり、経営環境に応じて取締役会の機能の高度化が図られており、取締役会の実効性は確保されかつ継続的に改善されている、との結論に至りました。 ・また、有事(コロナ禍)における取締役会として、執行側から危機対応・変革加速の取り組みが適時適切に報告・審議され、意思決定・監督機能ともに、その役割・機能を果たしている、と評価されました。 ・指名委員会/報酬委員会は、社外取締役が委員長かつ過半を占める構成において、監査役陪席のもと、CEOをはじめとした経営幹部に対する評価や、報酬設計などの主要テーマで審議の充実化が図られました。さらに会社形態の変更に伴い、取締役会の機関設計・構成の評価/見直しが適切に行われ、取締役会の諮問機関として有効に機能している、と評価されました。 ・一方で、経営環境や経営課題に応じた取締役会の最適構成の点検、カンパニー制を踏まえた監督/執行体制の評価など、継続したコーポレート・ガバナンス向上のための取り組みが重要であるとの指摘がありました。
〈2020年度の対応項目①②〉について
・新型コロナウイルス感染症拡大に伴う影響に関して、各地域の詳細なデータに基づく状況把握に注力しながら、緊急対応策として流動性の確保および危機対応のモニタリングが実施されました。 ・また、有事対応としての監督強化とともに、中期経営計画、資本政策、会社形態、事業計画などについて議論を重ね、デジタルサービスの会社への足がかりとなる実効的な計画と体制が決定された点が評価されました。 ・一方、今後は第20次中期経営計画・2021年度事業計画の実行と目標達成が最重要課題であり、スピード経営の実現と取締役会による適切なモニタリング/支援を両立するための実行計画・管理体制・運用のさらなる具体化が必要との指摘がありました。
〈2020年度の対応項目③〉について
・中長期的成長をみすえた経営基盤を構成する諸資本(人財・技術・知財・流動性基盤など)に関する充実した審議を行い、その結果が第20次中期経営計画に反映されるとともに、株主還元を含めた資本政策の議論を深め、企業価値向上のための道筋が示された点が評価されました。 ・一方、デジタルサービスの会社に転換するため、DX戦略、人財、技術・知財、成長投資、ESGなどの経営基盤となる中長期テーマを引き続き取締役会で深化させる必要性が指摘されました。 ・また、事業構造の転換を図りつつ資本収益性の向上を実現するため、カンパニー制におけるROICをベースとした事業管理、ポートフォリオ経営の徹底と成長投資のより緻密なフォローなどの重要性について指摘がありました。

Ⅲ.2021年度 取締役会 実効性向上にむけた取り組み
 上記評価にあるとおり、第20次中期経営計画の施策展開および2021年度事業計画の達成により、継続して企業価値を向上することが当社の重要課題と認識しております。従って、当社取締役会は、以下の〈基本方針〉にもとづいて運営し、3つの具体的な〈対応項目〉を軸として取締役会の実効性向上に取り組んでまいります。
〈2021年度の基本方針〉
1) 第20次中期経営計画の着実な実行と2021年度事業計画の達成にむけたモニタリングと支援を行う 2) 有事(コロナ禍)後の持続的成長を加速するための経営基盤や戦略に関する議論を充実する
<2021年度の対応項目>
① 2021年度 事業計画達成の確度を上げるため、業績(非財務目標含む)と施策展開の進捗をモニタリングし、適切な対応を促す ② 中長期目標である事業構造の転換と資本収益性向上を実現するための監督と審議を充実させ、資源配分・体制・事業運営などの最適化を図る ③ 新たな事業環境(新型コロナウイルス感染症拡大収束後)をみすえて、人的資本、技術資本、知的資本、成長/DX戦略などの経営基盤に関する議論を深化させる

監査役選任の考え方

監査役の選任基準
 監査役候補者は、監査役としての職務の遂行を通じて、当社の健全で持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に貢献できる人材、かつ監査役会としての知識、経験、専門能力のバランスを考慮し、適切な要件の候補者を選任することとしています。
 なお、監査役候補者の選任にあたって、客観的な適格性評価を行うための基準(要件定義)を監査役会にて以下のように策定しています。

[ 監査能力 ]

1.適切な経験、能力および必要な財務・会計・法律に関する知識を有していること
2.職業的懐疑心を持ち、真摯な態度で事実を正しく調査し、客観的に物事を判断することができること
3.自らの信念に基づいて使命感と勇気を持って、取締役または従業員に対し能動的・積極的な助言・提言ができること
4.株主の立場で考え、行動し、現場・現物・現実から学ぶ姿勢に基づいた監査をすることができること

[ 素養・人間性 ]
1.心身ともに健康であり、監査役の任期4年を全うすることができること
2.常に向上心を持ち、新たな事に対する学習意欲を持っていること
3.現地人マネジメントと英語によるコミュニケーションを図ることができること

社外監査役の選任基準
 社外監査役の選任基準は、上記の基準に加え、企業経営・財務会計・法律における高い専門的知見および豊富な経験を有していること、および「社外役員の独立性基準」と照らしあわせ、会社との関係、代表取締役その他の取締役および主要な従業員との関係などを勘案して独立性に問題がないことを付加的な基準としています。

ダイバーシティについて
 監査役の選任にあたって、ダイバーシティを考慮する際には、人種、民族、性別、国籍などの区別なく、それぞれの人格および識見に基づいて候補者を選定することで、これらの属性に関する多様性を確保することも重視しています。

監査役の選任プロセス

 監査役候補者の選任にあたっては、監査役の独立性確保を重視し、「候補者の推薦」「候補者の指名」を監査役会主導で行う下図のようなプロセスとしています。
 監査役会は、監査役候補者の選任基準に基づき、CEOと協議の上、候補者の推薦を行い、指名委員会による確認を経て、候補者の指名・提案を行います。
 取締役会では、監査役会の判断を尊重し、監査役候補者の指名について決議されます。



社外役員の独立性基準

1.当社の社外取締役および社外監査役は、原則として独立性を有するものとし、以下各号のいずれにも該当する者とする。なお、リコーグループとは、当社および当社の子会社で構成される企業集団をいう。

  1. 当社の総議決権の10%以上の株式を有する者(以下「主要株主」という。)または当社の主要株主の取締役、監査役、会計参与、執行役、理事、執行役員、支配人またはその他の使用人でないこと。
  2. リコーグループが主要株主となっている会社の取締役、監査役、会計参与、執行役、理事、執行役員、支配人またはその他の使用人でないこと。
  3. 現在リコーグループの取締役、監査役、会計参与、執行役、理事、執行役員、支配人またはその他の使用人でないこと、または就任の前10年内にリコーグループの取締役、監査役、会計参与、執行役、理事、執行役員、支配人またはその他の使用人でなかったこと。
  4. 直近事業年度においてまたは直近事業年度に先行する3事業年度のいずれかにおいて、リコーグループを主要な取引先としていた者(リコーグループへの売上額がその者の連結売上額の2%以上である者をいう。)またはその者(その者の親会社および子会社を含む。)の取締役(独立性を有する社外取締役を除く。)、執行役、理事、執行役員、支配人若しくはその他の使用人でないこと。
  5. 直近事業年度においてまたは直近事業年度に先行する3事業年度のいずれかにおいて、リコーグループの主要な取引先であった者(その者への売上額がリコーグループの連結売上額の2%以上である者をいう。)またはその者(その者の親会社および子会社を含む。)の取締役(独立性を有する社外取締役を除く。)、執行役、理事、執行役員、支配人若しくはその他の使用人でないこと。
  6. リコーグループから役員としての報酬以外で直近事業年度においてまたは過去3事業年度の平均で1事業年度に1,000万円以上の金額の金銭その他の財産を直接または間接に得ているコンサルタント、公認会計士、税理士、弁護士またはその他の専門家でないこと。
  7. リコーグループから直近事業年度においてまたは過去3事業年度の平均で1事業年度にその団体の総収入の2%以上の金額の金銭その他の財産を直接または間接に得ている法律事務所、監査法人、税理士法人、コンサルティング・ファームまたはその他の専門的アドバイザリー・ファームなどの団体に所属する者でないこと。
  8. 第1号から第7号までに該当する者の配偶者、二親等内の親族または生計を一にする親族でないこと。
  9. リコーグループから取締役を受け入れている会社またはその会社の親会社若しくは子会社の取締役、監査役、会計参与、執行役、理事、執行役員、支配人またはその他の重要な使用人である者でないこと。
  10. その他、当社との間で実質的に利益相反が生じるおそれのある者でないこと。

2.前項第1号および第4号ないし第9号のいずれかに該当しない者であっても、当社の社外取締役および社外監査役として適格であると判断される者については、当該人物が社外取締役および社外監査役として適格であると判断する理由を対外的に説明することを条件として、当該人物を社外取締役および社外監査役に選任することができる。

株価・TSRの推移

 2020年年初からの新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって、企業活動の自粛や在宅勤務拡大などで、当社の現在の収益基盤である複合機・プリンターからの出力量減少が想定されることから、当社を含めた事務機器業界に対して、今後の業績への懸念が広がりました。そのような中、当社は、当年度を「危機対応・変革加速」の1年と位置づけ、デジタルサービスの会社への転換を進めるとともに、経営体質強化の施策に取り組んできました。
 期初は新型コロナウイルス感染症による影響は第1四半期を底に徐々に回復に向かうと想定されていましたが、米・英などを中心に一部地域で感染者の拡大が継続したことから、第2四半期決算において、新型コロナウイルス感染症による業績影響の拡大によって2020年度通期営業利益が赤字となる見通しを公表しました。その結果、業績への懸念が払しょくされず、年内は株価の低迷が続きました。しかしながら、第3四半期決算で「危機対応・変革加速」の施策が計画以上に進展したことに加えて、オフィスサービス事業の拡大などによる底堅い利益創出によって、減損損失を除いた実質的な営業利益が大きく上振れたことで、株価は上昇基調に転じました。さらに、3月に公表した第20次中期経営計画において、デジタルサービスの会社への転換に向けた成長戦略と資本収益性向上に向けた資本政策を示したことが資本市場から好感され、年度末にかけて株価は大幅な上昇となりました。
 その結果、当年度の当社の株価はTOPIXを上回るパフォーマンスとなり、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける前の水準まで戻すことができました。

株価推移

 

※株価は東京証券取引所第一部におけるものです

TSR*1(株主総利回り)および⽐較指標の直近5年間の推移

*1 TSR(Total Shareholder Return):株主総利回りは、キャピタルゲインと配当をあわせた、株主にとっての総合投資利回りを表します

 

 なお、49~51頁記載のCEOおよび取締役の評価にあたっては、「株主への貢献度や資本市場の評価の視点」の基準の1つとしてTSRを採用していますが、突発的な株価変動の影響を避けるため年度平均株価により算出したTSR(下表参照)を使用しています。


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2021/06/24 11:30:00 +0900
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