第4号議案
定款一部変更の件(資本効率の改善)(株主提案)

1. 議案の要領

 現行の定款に以下の章及び条文を新設する。
第●章 資本効率
(資本効率の改善)
第●条 当会社の事業部門毎に、その保有する資産の時価を3事業年度毎に洗い替え評価した上で、これらの資産の評価合計額に応じた利益に対する当該事業部門の資本利益率を算出することを含め、資本コストを意識したKPIを導入し、WACC(加重平均資本コスト)を継続的に下回る事業部門及び資産の売却を検討する等の方法により、資本効率の改善による企業価値を向上させるものとする。

2. 提案の理由

 当社は「2018年~2020年度 中期経営計画」において、2017年度のROE3.2%の実績に対し2020年度は5.0%の目標を掲げています。しかし、残念ながら2018年度においてROEは向上するどころか、2%未満に減少しており、2020年度の目標達成のために改善努力をしているとは到底言えない状況にあると考えます。ROAに至っては1%未満と、上場会社において極めて低水準であり、このような低い値の原因は、一言で言うならば資産が効率的に活用されていないことによります。平成26年8月付け経済産業省「『持続的成長への競争力とインセンティブ ~企業と投資家の望ましい関係構築~』プロジェクト(伊藤レポート) 最終報告書」において、「投資家は何がなんでもROEを最重視すべきと主張しているわけではない」ことを前提としつつ、「日本企業のROE水準は国際的に見て相当に低いのではないか。それを是認する何らかの根拠ないし理由はあるか。」との論点に関して、「最低限資本コストを上回るROEへの向上を必達目標に」することが求められるとの指摘がされているとおり、当社の課題としては、株主価値向上に向けて、ROE等の改善を目指す必要があり、そのためには、まずそのような資産の源泉である資本コストの考え方を導入し、金融費用として実際に支出される負債コストに加え、目に見えない株主資本コストを可視化することにより、改めて資本コストの意識が生まれ、それを管理することで効率的な経営に変わります。
 また、それらの源泉として投資した資産に関しても、個別に資本利益率を算出し、不稼働資産や資本効率の悪い資産を保有している場合には、資産売却等を進めることにより現金化し、そこで得た資金を事業への資金投下などの企業価値向上策ないしは株主還元等に充てることにより、ROE向上に向けた効率的な経営を行うべきです。
 なお、管理部門を本社に集約している場合など、一義的には個別の資本利益率の算出になじまない事業部門があるとの意見が想定されるところですが、このような場合には、当該管理部門のコストを各事業部門に振り分けるなど、事業部門の分類及び資本利益率の算出方法を工夫することにより、KPIの導入に支障となるものではないと解されます。
 当社は、直接本業とは関係のない政策保有株式を193億円(当社第140期第3四半期有価証券報告書記載の投資有価証券)も保有したままです。これは、株式会社東京証券取引所が金融庁の有識者会議を踏まえ策定したコーポレートガバナンス・コードに明らかに反しています。
 また、その他都心一等地(文京区小石川)の広大な土地も保有しているところ、当該土地については、平成29年12月20日付け「本社社屋建替えに関するお知らせ」が開示されていますが、かかる建替え及び当該土地の活用策については、株主に対して、建替えを通じた当社資産の活用が上記観点からWACCを上回る効率的な運用であることを十分に説明すべきだと考えます。とりわけ、当社の令和元年7月24日付け「本社土地活用に関する基本協定書締結(本社社屋建替えに関する経過報告)及び特別損益の計上に関するお知らせ」においては、日鉄興和不動産株式会社に対して約73年間の長期にわたり上記土地を賃貸する契約を締結予定であると開示されていますが、かかる契約に当たっては、①当社の事業活動が従前と大きく変わることのない現状の下、活用可能な土地が存置されていたことについての経営判断に関する妥当性、②基本協定について相手方の選定理由及び調印に至る経緯が不明瞭であり、かつ、契約条件に関する詳細な開示がなされることなく長期にわたる定期借地権設定契約に係る基本協定書の締結が決議されたことについて明確な説明がなされることのない取締役会の運営状況、③上記お知らせにおいて「上記敷地において土壌汚染改良工事を実施する予定のため、工事費用の見積額について環境対策引当金繰入額として特別損失に約298百万円を計上いたします。」とあるところ、日鉄興和不動産株式会社との費用の分担の割合及びその根拠が全く明らかでなく、当社が果たして資産の有効活用について十分検討したか全く明らかでないことなどに鑑みると、当社取締役会の運営について、株主軽視と捉えられてもやむを得ないような状況が客観的に存在していることは否定できません。
 以上の次第ですから、速やかに資本コストの考え方を導入し、各事業部門又は個別資産毎に資本利益率を算出して経営判断の基準とするなどの方法により、資本効率の改善による企業価値向上を目指すべきだと考えます。

【当社取締役会の意見】

 反 対  当社取締役会は、本議案に反対いたします。

 当社取締役会としても、資本効率は重要な判断基準の一つと認識しており、投資判断等の業務執行においても活用しております。
 また、コーポレートガバナンス・コードにおいても、経営戦略や経営計画の策定・公表に当たっては、自社の資本コストを的確に把握した上で、収益計画や資本政策の基本的な方針を示すとともに、収益力・資本効率等に関する目標を提示することとされており、こうした考え方に則り、現在資本コストを踏まえた事業ポートフォリオの見直しや経営資源の配分について議論を行っているところです。これらの議論を通じて取締役会で意思決定した内容に関しては、適宜適切な情報開示を心がけ、株主の皆様により一層の理解が得られるよう努めてまいります。
 しかしながら、重要なことは、資本効率の考え方を反映した経営を行うことであり、定款に本議案のような規定を定める必要はないものと考えております。

以上


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2020/06/26 12:00:00 +0900
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