当社グループが対処すべき課題

経済展望

 来期の経済環境を展望しますと、世界経済全体では景気減速が予想されるなか、米中通商摩擦や欧州の政治的混乱、一部の新興国の景気悪化等に拍車が掛かり、景気下押し圧力が強まるリスクに留意する必要があります。
 米国は、個人消費が堅調ですが減税効果が剥落するため景気は減速する見通しです。欧州は政治的混乱の影響もあり内需が弱く、世界経済の減速から外需も停滞して景気減速が続く見通しです。ただ、米国、欧州とも慎重な金融政策運営により景気の過度の減速は回避できる見通しです。
 新興国では、中国は金融規制と米中通商摩擦の影響から景気減速が続く見通しですが、財政刺激策が景気を下支えするとみられます。他の新興国は、金融環境の引き締めに歯止めが掛かるものの、先進国と中国の景気減速の影響から緩やかに景気が減速する見込みです。
 商品市況は、総じて安定的に推移する見通しですが、世界的な景気減速が強まるリスクと地政学リスクをそれぞれ抱えているため、不安定な動きとなる可能性があります。
 日本は、2019年10月に予定される消費税引き上げの影響が財政刺激策で緩和されると見込まれますが、世界経済減速に伴う外需停滞の可能性が高く、景気は減速する見通しです。

前中期経営計画「Global Challenge 2018」について

 当社グループは、2016年4月より3ヵ年の中期経営計画「Global Challenge 2018」(以下、GC2018という)を遂行してきました。「GC2018」では、世界のトッププレーヤーとの競争に勝ち抜き、地域経済や社会に貢献する真のグローバル企業を目指し、「事業・投資指針」、「キャッシュ・フロー経営」、「ポートフォリオ指針」、「海外戦略の強化」、「丸紅グループ人材戦略」の5つの経営指針を定め、推進しました。
 また、2017年5月に公表した修正中期経営計画では、財務基盤の強化を最優先課題として継続すること、同時に事業戦略の進化を図る事を明確にした上で定量目標を修正しております。

 定量目標(2017年5月9日修正ベース)に対する実績は以下のとおりとなっております。

 GC2018期間中に2,873億円の新規投融資を実行しました。主な内容としては、米国における天然ガス焚き火力発電事業、中東における電力・水・蒸気供給事業、ブラジルにおけるFPSO傭船事業、ポルトガルにおけるガス配送事業、米国における牛肉生産販売事業、トルコにおける衣料品等の企画製造販売事業、日本におけるバイオマス発電事業、チリにおけるガス配給事業、豪州における原料炭事業既存権益積み増し等です。

中期経営戦略「Global crossvalue platform 2021」について

 当社グループは、丸紅グループの在り姿「Global crossvalue platform」を定めるとともに、経営戦略の基本方針「2030年に向けた長期的な企業価値向上を追求する」を明示した3ヵ年の中期経営戦略「Global crossvalue platform 2021」(以下、GC2021という)を策定し、本年よりスタートしております。

丸紅グループの在り姿「Global crossvalue platform」
・ 時代が求める社会課題を先取りし、事業間、社内外、国境、あらゆる壁を突き破るタテの進化とヨコの拡張により、社会・顧客に向けてソリューションを創出します。
・ 丸紅グループを一つのプラットフォームとして捉え、グループの強み、社内外の知、ひとり一人の夢と夢、志と志、さまざまなものを縦横無尽にクロスさせて新たな価値を創造します。

 「GC2021」は、丸紅グループが目指す長期的な方向性を「丸紅グループの在り姿"Global crossvalue platform" 商社の枠組みを超える価値創造グループへ」とし、2030年に向けた長期的な企業価値向上を追求する第一段階の3ヵ年の経営戦略です。成長の土台となる強固な財務基盤の構築・維持を大前提として既存事業基盤の強化による持続的成長と10年先を見据えた新たなビジネスモデル創出による爆発的成長を同時に推進します。

 「GC2021」では、「キャッシュ・フロー経営(資本配分方針)」、「新たな事業指針」、「成長ホライゾンによる事業戦略」の3つを重点施策として推進します。

「キャッシュ・フロー経営(資本配分方針)」
 基礎営業キャッシュ・フローの極大化を追求するとともに、資本配分方針として財務基盤の更なる強化、株主還元の充実を図るとともに成長への資本配分を実施します。

「新たな事業指針」
 新たな事業指針としてSPP(「Strategy」×「Prime」×「Platform」)を掲げております。新たな事業指針SPPを徹底し、新規投資を戦略的に厳選するとともに、既存事業の強化及び回収・資産入替えの促進を図り、丸紅グループ全体の事業ポートフォリオの価値最大化を目指していきます。

「成長ホライゾンによる事業戦略」
 時間軸の異なる持続的成長と爆発的成長に同時に取り組むために3つのホライゾン(ホライゾン1:既存事業の充実、ホライゾン2:既存事業領域の戦略追求、ホライゾン3:White Spaceの追求)を導入し、既存事業基盤を強化・拡大しながら、同時に現状では取り込めていない成長領域・新たなビジネスモデル(White Space)にも取り組んでいきます。

 成長戦略を推進すべく、2019年4月に機構改革を実施しました。営業の執行体制を4階層から3階層へフラット化し、営業本部がスピード感を持って戦略を実行できる体制としました。また、全社最適の観点より新たなビジネスモデル創出を目的とした次世代事業開発本部を創設しました。

「サステナビリティとガバナンス」
 Global crossvalue platformの発展、長期的な企業価値向上の土台であり重視してまいります。サステナビリティについては、地球環境と社会の持続可能性を脅かす重要課題に対するソリューション創出の取り組みを実践していきます。ガバナンスについては、実効性・透明性の向上を図るとともに、丸紅グループ全体のグループガバナンスの向上を図ってまいります。

「グループ人財戦略」
 マーケットバリューの高い人財、多様性、人が活き・繋がる風土のもとで、丸紅グループ社員一人ひとりが、Global crossvalue platformの一員として新たな価値創造を担う、丸紅グループ人財戦略を推進します。

目標とする経営指標

 中期経営戦略「GC2021」における目標は次の通りです。

 また、株主還元方針として、連結配当性向は25%以上とし、各年度における配当金は期初に公表する予想配当金を下限とします。追加株主還元策としてネットDEレシオ0.8倍程度の達成後、資本配分の根源的な原資である基礎営業キャッシュ・フローの創出力や成長投資パイプラインの状況等を踏まえて、機動的に自己株式の取得を実施します。

2019/06/21 12:00:00 +0900
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