第23回 定時株主総会招集ご通知 証券コード : 8410

企業集団が対処すべき課題

 当社は2001年の創業以来、「いつでも、どこでも、だれでも、安心して」ご利用いただけるATMサービスを追求することで着実かつ堅実に成長を実現してまいりました。しかし、デジタル化、キャッシュレス化の流れが進行する中で、お客さまの生活様式や企業に求める価値も変化しつつあります。一方で、気候変動による自然災害のリスクは地球規模で高まりつつあり、持続可能な社会を実現するための企業経営の在り方も大きく問われています。
 こうした大きな事業環境の変化に対応するため、当社グループは2021年、“お客さまの「あったらいいな」を超えて、日常の未来を生みだし続ける。”というパーパス(存在意義)を策定するとともに、このパーパスを体現し、持続的成長を果たすための中期経営計画(2021年度〜2025年度)を公表しております。
 当社グループは、これらの環境変化を更なる変革と飛躍のチャンスと捉えており、以下の課題に対処することにより、当社グループの持続的成長を実現し、お客さまや社会に必要とされる企業であり続けたいと考えております。

<国内事業(銀行業その他)セグメント>
■ATMプラットフォーム戦略
 これまで当社が中核事業としてきたATMの現金プラットフォーム事業は、キャッシュレス化の進展などにより、大きな転換点を迎えておりますが、従来から取り扱ってきた金融機関の現金入出金取引に加え、QRコード決済等事業会社の現金チャージ取引が大きく増加したことなどにより、当社のATM年間総利用件数は今なお増加を続けております。当社は、決済環境の変化は新しいATMサービスが生まれるチャンスであるとの認識のもと、デジタル化、キャッシュレス化の流れの中でも、リアルとバーチャルの貴重な接点として、引続きATMを通じて、お客さまに安心で便利なサービスを提供する取組みを続けてまいります。

 2019年9月に設置を開始し、入替を進めてきた第4世代ATMは全台数のおよそ7割以上にまで達しております。第4世代ATMで新たに実装した機能(本人認証機能、スキャニング機能等)を活用した新サービス「+Connect(プラスコネクト)」は2023年9月より提供を開始し、金融機関などの諸手続きをセブン銀行ATMで行うことが可能となりました。今後も、対象エリアの拡大及びサービスの拡充を図り、セブン銀行ATMがサービスプラットフォームとして、あらゆる手続き・認証の窓口となる世界の実現を目指してまいります。

■リテール戦略
 金融リテール分野では従来の金融機関等に加え、Fintech企業等さまざまな企業がひしめき合い、金融サービスのアンバンドリング化・多様化が進んでいます。このような中、当社は、3,000万人以上の会員数を誇る「7iD」との連携をはじめとした、セブン&アイグループとの連携強化を図るとともに、流通グループ発祥の銀行ならではのユニークな金融商品を開発・提供する取組みを拡大してまいります。
 日本における外国人居住者が増加する中、当社グループは、セブン銀行海外送金サービスやセブン銀行ATMを介した海外送金事業者との協業、海外グループ会社との連携といった強みを活かしながら、外国人居住者に使っていただきやすい金融サービスを提供することで、誰もが暮らしやすい社会を目指し、多文化共生の実現に貢献してまいります。

■法人戦略
 当社が創業来蓄積し、強みとしている銀行品質の事務処理能力や安心・安全な資金管理・資金移動の仕組み、認証などのセキュリティの高いテクノロジーについて、金融機関や一般事業者に提供するサービスの拡大を図ってまいりました。昨今、進化するDXの技術をいち早く取り入れ、外部事業者とも協力しながら事業規模の拡大に努めてまいります。

<クレジットカード・電子マネー事業セグメント>
 2023年7月より当社連結子会社となった株式会社セブン・カードサービスは、セブン&アイグループの決済サービス事業会社として、クレジットカード「セブンカード・プラス/セブンカード」と電子マネー「nanaco」を発行・運営し、お客さまの毎日の便利を支えています。今後は、セブン銀行のバンキング事業と一体運営することで、両社が培ってきたノウハウ・専門性を統合・拡充しつつ、グループ共通の会員基盤である「7iD」との連携を深化させていくことで、「ふだんの暮らし」に密着した金融サービスの提供に挑み続けてまいります。

<海外事業セグメント>
 米国では、政策金利の上昇により資金調達コストが増加しておりますが、ATM機内現金の圧縮対策などにより金利上昇の影響を最小化する手段を講じてまいります。また、現在米国セブン‐イレブン店舗に設置している約8,600台のATMに加えて、新たにSpeedway約3,000店舗へのATM設置を開始し、全米でのATMネットワークをさらに強固なものとしてまいります。さらに、この強固なATMネットワークを基盤としながら米国セブン‐イレブンとの協業を拡大し、小売と金融を組み合わせた独自の金融サービスを提供することで、米国市場での顧客基盤の強化と事業の多角化を目指してまいります。
 アジアでは、インドネシア・フィリピンの2カ国で、積極的なATM設置を継続しており、両国ともに国内最大規模のATM事業者にまで成長しております。両国では、利用者にとって日常生活に必要なATMが十分に設置されていないため、引続き高い需要が見込まれます。今後は両国におけるATMネットワーク網を引続き拡大させるとともに、ATMを入口とした多層的な金融サービスの実現にも取組んでまいります。

<持続可能な社会の実現>
 当社グループはサステナビリティを長期的な経営戦略の根幹と位置づけ、2021年度には「サステナビリティ推進基本方針」を制定するとともに、全社的なサステナビリティ推進を図るためSDGs推進担当役員を議長とする「サステナビリティ委員会」を設置しております。
 また、事業活動を通じた環境・社会課題の解決と事業競争力強化の両立を目的とし、2019年度に「5つの重点課題」(注)を選定し、優先して取組むべき課題を明確にしました。加えて、2021年度からスタートした当社の中期経営計画では、成長戦略の一つの柱として「社会課題解決への貢献」を置き、「5つの重点課題」を軸として、本業を通じた社会課題の解決に向けて全社的な取組みを推進してまいりました。

(注)5つの重点課題
 ・安心・安全な決済インフラの提供
 ・新しい金融サービスを通じた生活創造
 ・誰もが活躍できる社会づくり
 ・環境負荷の軽減
 ・多文化共生の実現

 2023年度サステナビリティ委員会では「セブン銀行グループ連動での気候変動対応」「人的資本経営の更なる推進」「5つの重点課題の見直しと社内外への情報発信の強化」の3つを注力トピックスとしたほか、多様な人財が活躍できる組織風土醸成を目的として「D&I推進部会」を設置いたしました。

 また気候変動への対応については、すでに2021年12月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)ヘの賛同を表明しており、当社の主力事業であるATMプラットフォーム事業を対象に気候変動リスク及び機会の影響を計るため、2022年3月期末時点の情報をもとに、2030年時点を想定したシナリオ分析を実施いたしました。

 当社グループを取り巻く環境は大きく変化し続けておりますが、当社グループが創業から大事にしてきた常にお客さまの想いに寄り添い、お応えする姿勢はこれからも変わることはありません。
 当社グループは、“お客さまの「あったらいいな」を超えて、日常の未来を生みだし続ける。”というパーパスの実現に向けて、更なるサービスの向上に努めてまいります。

 株主の皆さまにおかれましては、今後とも変わらぬご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

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2024/06/17 12:00:00 +0900
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