第24回定時株主総会招集ご通知 証券コード : 8410

企業集団が対処すべき課題

 当社は2001年の創業以来、「いつでも、どこでも、だれでも、安心して」ご利用いただけるATMサービスを追求することで着実かつ堅実に成長を実現してまいりました。しかし、デジタル化、キャッシュレス化の流れが進行する中で、お客さまの生活様式や企業に求める価値も変化しつつあります。一方で、気候変動による自然災害のリスクは地球規模で高まりつつあり、持続可能な社会を実現するための企業経営の在り方も大きく問われています。
 こうした大きな事業環境の変化に対応するため、当社グループは2021年、“お客さまの「あったらいいな」を超えて、日常の未来を生みだし続ける。”というパーパス(存在意義)を策定するとともに、このパーパスを体現し、持続的成長を果たすための中期経営計画(2021年度〜2025年度)を公表しております。
 当社グループは、これらの環境変化を更なる変革と飛躍のチャンスと捉えており、以下の課題に対処することにより、当社グループの持続的成長を実現し、お客さまや社会に必要とされる企業であり続けたいと考えております。

<国内事業(銀行業その他)セグメント>
■ATMプラットフォーム戦略
 これまで当社が中核事業としてきたATMの現金プラットフォーム事業は、キャッシュレス化の進展などにより、大きな転換点を迎えておりますが、従来から取り扱ってきた金融機関の現金入出金取引に加え、コード決済等への現金チャージ取引が大きく増加したことなどにより、当社のATM年間総利用件数は今なお増加を続けております。当社は、決済環境の変化は新しいATMサービスが生まれるチャンスであるとの認識のもと、デジタル化、キャッシュレス化の流れの中でも、リアルとバーチャルの貴重な接点として、引続きATMを通じて、お客さまに安心で便利なサービスを提供する取組みを続けてまいります。

 なお、2019年9月より当社が入替を進めてきた第4世代ATMは、2025年3月末を以て、全台の入替が完了いたしました。これにより、第4世代ATMで新たに実装した機能(本人認証機能、スキャニング機能等)を活用して金融機関などの手続きを行える新サービス「+Connect(プラスコネクト)」を日本全国のセブン銀行ATMで提供することが可能となりました。また、2025年2月には、「+Connect」のさらなる展開として、顔認証機能を活用して現金入出金取引ができる新サービス「FACE CASH(フェイスキャッシュ)」を開始し、新しい金融体験をお客さまにお届けしております。今後も、「+Connect」の提携先拡大及び提供サービスの拡充を図り、セブン銀行ATMがサービスプラットフォームとして、あらゆる手続き・認証の窓口となる世界の実現を目指してまいります。

■リテール戦略
 金融リテール分野では、キャッシュレス化の進展による、生活様式・決済体験の変化や、非金融系企業の金融事業への新規参入などによる競争環境の激化が進んでいます。このような中、当社は、セブン&アイグループとの連携強化を図りながら、流通グループ発祥の銀行ならではの親しみやすくユニークな金融サービスを開発・提供する取組みを拡大してまいります。
 日本国内における外国人居住者の増加を背景に、当社グループは、セブン銀行海外送金サービスやセブン銀行ATMを介した海外送金事業者との協業、海外グループ会社との連携といった強みを活かしながら、外国人居住者に使っていただきやすい金融サービスを提供することで、誰もが暮らしやすい社会を目指し、多文化共生の実現に貢献してまいります。

■法人戦略
 当社が創業来蓄積し、強みとしている銀行品質の事務処理能力や安心・安全な資金管理・資金移動の仕組み、認証などのセキュリティの高いテクノロジーについて、金融機関や一般事業者に提供するサービスの拡大を図ってまいりました。昨今、進化するDXの技術をいち早く取り入れ、外部事業者とも協力しながら事業規模の拡大に努めてまいります。

<クレジットカード・電子マネー事業セグメント>
 当社連結子会社である株式会社セブン・カードサービスは、セブン&アイグループの決済サービス事業会社として、クレジットカード「セブンカード・プラス/セブンカード」と電子マネー「nanaco」を発行・運営し、お客さまの毎日の便利を支えています。今後は、セブン銀行の金融リテール事業と一体運営することで、両社が培ってきたノウハウ・専門性を統合・拡充しつつ、セブン&アイグループとの連携を深化させていくことで、「ふだんの暮らし」に密着した金融サービスの提供に挑み続けてまいります。

<海外事業セグメント>
 米国では、高水準の政策金利やインフレの進行により資金調達コストや運営コストが増加しておりますが、ATMオペレーションの最適化に取組むことで、様々なコスト削減策を講じております。また、現在米国セブン‐イレブン店舗に設置している約8,300台のATMに加えて、新たにSpeedway約3,000店舗へのATM設置を開始し、全米でのATMネットワークをさらに強固なものとしてまいります。さらに、この強固なATMネットワークを基盤としながら米国セブン‐イレブンとの協業を拡大し、小売と金融を組み合わせた独自の金融サービスを提供することで、米国市場での顧客基盤の強化と事業の多角化を目指してまいります。
 アジアでは、インドネシア・フィリピンの2カ国で、積極的なATM設置を継続しており、両国ともに国内最大規模のATM事業者にまで成長しております。
 また、2025年1月からは、マレーシアにおいてもATM運営事業を開始いたしました。
 今後は各国におけるATMネットワーク網を引続き強化するとともに、ATMを入口とした多層的な金融サービスの実現にも取組んでまいります。

<持続可能な社会の実現>
 当社グループは中期経営計画の中で、成長戦略の一つの柱として「社会課題解決への貢献」を置き、サステナビリティを長期的な経営戦略の根幹と位置づけています。また、経営会議の諮問機関である「サステナビリティ委員会」を年4回開催し、サステナビリティに関する方針の策定や重要な案件についてその適切性や妥当性を審議し、必要に応じて、経営会議及び取締役会にて報告しています。
 2024年度は外部環境の変化と当社グループの事業ポートフォリオ変革に対応するため、2019年に策定した「5つの重点課題」の見直しを行いました。ステークホルダーへのアンケートや社内ディスカッション、更に有識者とのダイアローグを通して、改めて当社が優先的に取組む課題を再検証し、パーパスを実現するための価値創造の観点から、新たな5つの重点課題を策定いたしました。

当社グループの5つの重点課題
・根源的価値:いつでも安心
・安全に使える社会インフラを提供する
・社会的価値:誰でもどこでもアクセスできる多様なサービスを実現する
・新たな価値創造:お客さまの期待を超えたユニークな価値を創る
・価値創造の源泉:誰もが活躍できる社会づくりを進める
・将来への価値創造:豊かな社会と地球の未来に貢献する

 また気候変動の取組みについては、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に準拠した情報開示を強化し、気候変動によるリスク及び機会に対応し、当社グループ全体で脱炭素社会の実現にむけた様々な取組みを行っております。
 特に、2024年2月よりATM関連の主要事業パートナー3社と共同でATMパートナー・サステナビリティ会議を立ち上げました。当社ATMが社会インフラの一つとして定着しつつある中、これまで以上に環境負荷低減や社会課題解決に貢献できるATMネットワークの構築を目指し、サプライチェーン一体でサステナビリティ戦略を推進してまいります。

 当社グループは、創業以来、事業活動を通じて社会課題・環境問題の解決に取組んでまいりました。常にお客さまの想いに寄り添い、真摯に対応する姿勢はこれからも変わりません。“お客さまの「あったらいいな」を超えて、日常の未来を生みだし続ける。”というパーパスの実現に向けて、多様なステークホルダーの皆さまとともに、豊かな社会と地球の未来に貢献してまいります。

 株主の皆さまにおかれましては、今後とも変わらぬご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

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2025/06/23 11:00:00 +0900
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