第85回定時株主総会招集ご通知 証券コード : 9409
1.「子会社の放送番組審議会の委員の3割を女性とする。その委員の任期を延べ最長10年とし、委員の互選で選ばれる委員長任期は延べ最長8年とする。」との文言を定款第5章の「監査等委員会」の章に加え、番組審議会の活性化を図る定款規定を追加する。
2.提案の理由
昨年の番組審議会委員任期を10年とする株主提案に対し、会社取締役会は番組審議会の運用の「硬直化」をあげて反対したが、硬直化の意味が不明であるだけでなく、役職者の就任が長期化することの弊害は容易に想定されるところ、とりわけ委員長の権限は大きいことから一般委員よりむしろ任期を短くし、委員長に対する本法人による忖度などといった批判を回避する内部の質保証体制を整備することが企業価値を高めることにつながる。公開されている番組審議会概要によれば、現在の委員長は2006年3月に既に委員となっており、他の委員が全員交代してもなお在任し、委員在任期間は20年近い。委員長在任期間は2014年4月から現在まで続き、100回以上の審議会を委員長として運営してきた。かかる長期在任がもたらす忖度を不利益とする批判を回避し、女性をはじめ多様な委員で構成することは企業価値を高める。したがって、上記議案を提案する。
【当社取締役会の意見】
テレビ朝日放送番組審議会の委員の委嘱について、放送法では、「学識経験を有する者のうちから、当該放送事業者が委嘱する」と規定されるのみで、任期や女性委員の比率などの要件の定めはございません。
委員を委嘱する際には多様性を非常に重視しており、現在は9人の委員のうち4人が女性で、女性の比率は4割を超えております。
テレビ朝日は、放送番組審議会規程により「委員の任期は1年とする。但し重任を妨げない。」としております。テレビ朝日の放送番組数は150にも及ぶことから、これらの番組を対象にご審議などをいただくには、一定期間、委員に在任していただく必要があると認識しているためです。
テレビ朝日系列全体の放送番組審議会を活性化させるため、「系列24社放送番組審議会委員代表者会議」など他の系列にはない取り組みを行っております。その中核となるテレビ朝日の放送番組審議会の委員長には議長として広い見識と実行力、経験を有することが必要となります。
トラブルなどが発生した際には委員長の提案で急遽、議題を差し替えてその問題についての審議を行っています。こうした提案ができるのは委員長の経験と実行力があるからです。
委員の皆様は、放送法で求められている放送番組の適正化を図るという放送番組審議会の職責を十分に果たしていると考えております。
委員の任期や男女構成を一律に定めてしまうと、その時々の放送を取り巻く状況や課題に応じて必要な専門性や経験を持つ人材を柔軟に選任することが難しくなる可能性があり、ひいては放送番組の適正化を図るという放送番組審議会の機能を損ないかねません。
株主様からの今回のご提案は、企業価値向上に向けた真摯なご提案であると理解いたしますが、私ども取締役会は、以上のような考え方に基づき、ご提案には反対いたします。
以 上