第9回定時株主総会招集ご通知 証券コード : 9099
人流の活性化に伴い社会活動が本格的に再開する一方で、不安定な国際情勢等を背景とした原材料・エネルギー価格の高止まりや、円安の更なる進展、人件費の高騰等に伴う継続的な物価上昇を受け、個人消費は伸び悩み、日本の経済環境は依然として不透明な状況が続いております。加えて世界的に気候変動への対策が求められ、企業活動の持続可能性の重要性もますます高まるなか、特にプライム市場上場企業については、サステナビリティの観点を踏まえた持続可能な成長について、社会・市場から強く要請されております。
また、当社グループが主軸をおく低温食品物流業界におきましては、食品メーカーを中心にコスト増加に対応した価格改定が進捗する中、消費者においては節約志向や選別消費の傾向が根強く、市販用冷凍冷蔵食品の取扱物量は伸び悩みの状況が続いている一方で、業務用食品の取扱物量は回復傾向にあることや、Eコマースをはじめとした流通チャネルの多様化が進行するなど、市場環境が急速に変化しております。一方で、いわゆる物流の2024年問題と称される人員などの輸送リソースの減少が懸念されており、物流事業者の事業継続性リスクはこれまで以上に高くなっております。
このような社会・経済環境の変化を踏まえ、当社グループは、2022年4月より第三次中期経営計画(2022年度〜2024年度)を推進しております。基本方針として「新たなコールドチェーンのニーズをつなぐ持続可能な低温物流の実現」を掲げ、成長著しいEC関連物流や医薬品物流といった新規事業の拡大、新規拠点の設立をはじめとした既存物流事業の強靭化に取り組んでまいりました。
【第三次中期経営計画】(2022年度〜2024年度)
<基本戦略(重要施策)>
さらに、低温商材の流通チャネルの多様化などの環境変化を踏まえ、2023年6月16日に開示しましたとおり、第三次中期経営計画につきまして、2025年度を最終年度とする3か年計画として見直しを実施いたしました。当社グループが誇るチルド・フローズンの物流機能を通じ、食のライフラインの維持と豊かな社会の実現を達成するための各種施策の展開は当初計画通り継続しつつ、以下の項目を重要施策として追加し、これらを実現するために、約100億円の追加投資を実施してまいります。
①サステナビリティ関連として、環境対策に資する新技術の開発とその導入及び省力化・省人化による生産性の向上にかかる投資。
②成長分野(海外・EC・医薬品等)における投資の促進や他社との協業・提携なども視野に入れた成長スピードの加速。
③既存事業の強靭化に資するM&Aなどを活用した更なる収益力の強化と事業の拡大。
加えて、当社は2024年3月15日に「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」について開示いたしました。
2022年4月よりスタートしました第三次中期経営計画を踏まえつつ、低温物流の知見・ノウハウを最大限活用し、既存事業の枠組みにとらわれない成長領域の拡大をこれまで以上に推進すること、ならびに堅調な需要が見込まれる既存の低温食品物流事業の能力増強投資による持続可能な物流基盤の構築などにより長期的な目標として売上高2,000億円の達成を目指してまいります。その一方でCO2排出量削減の取組みや、機械化・DXによる省力化・省人化への取組みも加速させ、持続可能性を担保した企業成長を実現し、社会・市場からの要請に応えてまいります。