事業の経過および成果

当連結会計年度(2018年3月1日から2019年2月28日まで)の連結業績は、連結売上高が2,023億85百万円(前年同期比2.0%増)、連結営業利益1億4百万円(前年同期比39億14百万円減)、連結経常利益3億49百万円(前年同期比42億55百万円減)、親会社株主に帰属する当期純損失は60億円(前年同期は14億91百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)と増収・減益となりました。売上高は、西日本を中心に発生した2018年7月豪雨や、9月の台風および北海道胆振東部地震等により営業時間の短縮および休業を余儀なくされた店舗が多く発生いたしましたが、主力事業である吉野家の既存店売上高が堅調に推移したことや、積極的に出店を進めている、はなまる・京樽・海外セグメントの売上高が増加したことにより増収となりました。一方で、期初より牛肉・米を中心とした原材料価格の高騰、人手不足やアルバイト・パート時給の上昇による人件費の増加等により減益となりました。また、親会社株主に帰属する当期純損失は、店舗の撤退等による減損損失51億7百万円を計上したこと等により減益となりました。

当社グループでは、2025年を最終年度とした長期ビジョン「NEW BEGINNINGS2025」の実現を目指し、当期を最終年度とするファーストステージの3年間は、セカンドステージ以降における成長のシーズを生み出す3年間と位置付け、「ひと・健康・テクノロジー」をキーワードに、「飲食業の再定義」を目指し、これまでの飲食業になかった新しい価値創造に向け活動いたしました。最終年度となる当期につきましては、次期以降、主要セグメントである吉野家において新サービスモデルへの転換を5年かけて年間100店規模で実施していくことを決定いたしました。また、はなまる・京樽・海外セグメントにおいては出店による成長・規模拡大を引き続き進めてまいります。

セグメント概況につきましては、次のとおりであります。

[吉野家]

売上高は、1,036億7百万円と、対前年同期比2.5%の増収となりました。

増収の主な要因は、以下の通り様々な施策により既存店売上高が堅調に推移したことであります。販売促進活動として、9月にグループの垣根を越え、外食として初の試みとなるガスト・はなまる・吉野家共通「3社合同定期券」を販売し、2月には大型コラボ企画「スーパーフライデー」を実施いたしました。また、商品施策として、3月より順次「新味豚丼」、「鶏すき丼」、「麦とろ牛皿御膳」、「おろし牛カルビ丼」を、11月には冬の定番「牛すき鍋膳」等を販売いたしました。これらにより新規顧客の獲得と既存顧客の来店頻度向上を図った結果、既存店売上高前年比100.8%と前年を上回ることができました。また、8月から順次進めていた新型POSレジの導入以降、12月に交通系電子マネー、自社電子マネー「吉野家プリカ」などを導入いたしました。今後も様々な電子マネーを導入し、お客様の利便性を高めながら、あわせてキャンペーンを行うなど集客につなげてまいります。セグメント利益は、原材料価格の高騰や人件費の増加等により35億22百万円と、対前年同期比30.4%の減益となりました。店舗数は、33店舗を出店し、26店舗を閉鎖した結果、1,211店舗となりました。

[はなまる]

売上高は、290億6百万円と、対前年同期比7.2%の増収となりました。

増収の主な要因は、積極的な出店に伴う店舗数の増加であります。ファーストステージにおいては、事業規模の拡大を図り「はなまるうどん」の出店拡大を進めております。また、コラボ企画として、新規顧客の獲得と既存顧客の来店頻度の向上を目的として、4月には「天ぷら定期券」を、9月には「3社合同定期券」を販売いたしました。加えて季節商品として、6月には「とろ玉めかぶぶっかけ」を、8月には「ガッツリ肉ぶっかけ」、「ピリ辛肉ざる」を、9月には「具沢山豚汁うどん」を、11月には「四川風麻婆あんかけうどん」を、2月には「はまぐりうどん」を販売する等、季節にあったお客様の様々なニーズにお応えいたしました。今後もお客様満足度の向上につながる販売促進および商品開発に努めてまいります。セグメント利益は、店舗数の増加等により増収となったものの、既存店売上高が前年未達であったことに加え、積極的な出店による採用および教育コストの増や物流コストが高騰したこと等の影響により6億24百万円と、対前年同期比51.0%の減益となりました。店舗数は、48店舗を出店し、15店舗を閉鎖した結果、512店舗となりました。

[アークミール]

売上高は、202億47百万円と、対前年同期比9.9%の減収となりました。

減収の主な要因は、ステーキ・しゃぶしゃぶ業態における競争が激化し既存店売上高が低迷したことや、店舗数が減少したことであります。減収によりセグメント損失は8億41百万円(前年同期は2億9百万円のセグメント利益)となりました。客数回復策として、各業態において季節のフェアメニューを導入したことや、9月には「ステーキのどん」において「日替わりハンバーグ」をお値段そのままで30%増量しバリューアップを図りました。11月には「肉の日」を毎月2日、9日の開催から、29日を含む週末4日間の開催へと、ご家族で来店しやすいイベントに変更いたしました。また、美味しいステーキをおなかいっぱい食べたいというお客様のニーズにお応えすべく、「ステーキのどん」においては「熟成リブロインステーキ」、「フォルクス」においては「サーロインステーキ」を、それぞれ使用する牛肉を一新した上で、増量キャンペーンを実施いたしました。引き続き魅力ある商品の開発と、キャンペーンを効果的に実施することで、お客様の支持を獲得してまいります。店舗数は、1店舗を出店し、7店舗を閉鎖した結果、171店舗となりました。

[京樽]

売上高は、273億23百万円と、対前年同期比2.4%の増収となりました。

増収の主な要因は、首都圏に積極的に出店を行っております回転寿司店「海鮮三崎港」の増加、および既存店売上高が堅調に推移したことであります。テイクアウト事業においては江戸前鮨を強化した「京樽・すし三崎港」併設店による売上高の伸長に加え、ご好評をいただいている「中巻セール」や“ハレの日”の各セールを実施いたしました。外食事業においては「本まぐろ祭」「(店長おすすめ)99円セール」を実施したほか、江戸前寿司用のシャリの合わせ酢を“赤酢”に変更することで旨味を維持したまま20%減塩を実現する等、健康志向の高まりに対応いたしました。また、炊飯米の販売やインターネットサイトを利用した弁当販売も拡大しております。セグメント利益は、積極的な出店による採用コスト増や原材料価格の高騰等により1億62百万円と、対前年同期比48.6%の減益となりました。店舗数は、21店舗を出店し、18店舗を閉鎖した結果、333店舗となりました。

[海外]

売上高は、211億62百万円と、対前年同期比7.2%の増収となりました。

増収の主な要因は、アメリカ、台湾の売上高が好調に推移したことや、フランチャイズも含めた積極的な出店により店舗数が増加したことによるものであります。セグメント利益は、各エリアで原材料価格が高騰したこと、人件費および出店や改装に伴う減価償却費等が増加したことにより8億6百万円と、対前年同期比35.1%の減益となりました。店舗数は、135店舗を出店し、33店舗を閉鎖した結果、923店舗となりました。

次の項目へ
2019/05/23 12:00:00 +0900
外部サイトへ移動します 移動 ×