事業の経過および成果

当連結会計年度(2019年3月1日から2020年2月29日まで)の連結業績は、連結売上高が2,162億1百万円(前年同期比6.8%増)、連結営業利益39億26百万円(前年同期比38億21百万円増)、連結経常利益33億69百万円(前年同期比30億19百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は7億13百万円(前年同期比67億13百万円増)と増収・増益となりました。

売上高は前年同期に対して138億16百万円の増収となりました。2019年10月の消費増税や台風19号発生による関東地方を中心とした店舗休業の影響がありましたが、主力事業である吉野家が連続的な商品導入や積極的なキャンペーンを効果的に実施したことにより既存店売上高が好調に推移したことや、積極的に出店を進めているはなまる・京樽・海外セグメントの売上高が増加したことにより、前期を上回ることができました。水産物などの食材価格の上昇および、アルバイト・パート時給の上昇による人件費の増加など、厳しい環境が続いておりますが、増収効果がコスト増を上回り増益となりました。当期は、吉野家において新サービスモデルへの転換を実施し、客層を広げながら売上高の向上を図ってまいりました。改装店舗は着実に成果を上げており引き続き積極的に転換を図ってまいります。また、はなまる・京樽・海外セグメントにおいては出店による成長・規模拡大を引き続き進めてまいります。

セグメント概況につきましては、次のとおりであります。

[吉野家]

売上高は、1,116億85百万円と、対前年同期比7.8%の増収となりました。

増収の主な要因は、既存店売上高が好調に推移したことであります。創業120周年を迎えた当年度は、牛肉関連商品を定期的に販売し、従来からの牛丼ファンの来店頻度向上を図ってまいりました。その一環として、3月には28年ぶりとなる牛丼の新サイズ「超特盛」「小盛」を、5月にはコラボ商品「ライザップ牛サラダ」を、9月には「月見牛とじ御膳」を、10月には冬の定番「牛すき鍋膳」と陳建一氏監修の「麻辣牛鍋膳」を、2月には夜の時間帯の強化策として「W定食」を販売いたしました。販売施策として、4月にはご好評をいただいている、はなまるとのコラボ企画「吉野家80円引き!定期券」を発売し、6月には「牛丼・牛皿テイクアウト80円引きキャンペーン」を、7月には「夏休みお子様割」を、10月には「牛丼・牛皿全品10%オフキャンペーン」を、12月にはポケモンとのコラボ「ポケ盛キャンペーン」を、2月には「PayPay40%戻ってくるキャンペーン」を実施いたしました。加えて、宅配需要の開拓を目的に、宅配サービス対応店舗を積極的に拡大し2月末の対応店舗数は461店となりました。これらの結果、既存店売上高前年比は106.7%と好調に推移しました。また、新サービスモデル店舗への転換を進め、期末店舗数は新店を含め112店舗になりました。今後も継続して転換を進めてまいります。セグメント利益は、増収により、59億35百万円と、対前年同期比68.5%の増益となりました。同期間の店舗数は、29店舗を出店し、25店舗を閉鎖した結果、1,214店舗となりました。

[はなまる]

売上高は、308億93百万円と、対前年同期比6.5%の増収となりました。

増収の主な要因は、積極的な出店により、国内はなまる業態が500店舗を突破したことに加え、価格改定や商品施策により既存店売上高が堅調に推移したことであります。販売施策として4月に「天ぷら定期券」を、6月と9月に「500店舗、ありがとうキャンペーン」を、8月には「お子様割キャンペーン」を、12月には「うどんチケット」を販売し、2月には「PayPay40%戻ってくるキャンペーン」を実施し、新規顧客の獲得と既存顧客の来店頻度の向上を図りました。商品施策としては季節商品として、4月には「濃厚豆乳担々うどん」を、6月には「とろ玉ぶっかけ」を、8月には「冷やしごま担々うどん」を、2月には「はまぐりうどん」を販売し、多くのお客様からの支持を獲得いたしました。今後もお客様満足度の向上につながる販売促進および商品開発に努めてまいります。セグメント利益は、増収により、12億52百万円と、対前年同期比100.5%の増益となりました。同期間の店舗数は、30店舗を出店し、20店舗を閉鎖した結果、522店舗となりました。

[アークミール]

売上高は、199億10百万円と、対前年同期比1.7%の減収となりました。

減収の主な要因は、閉鎖に伴い店舗数が減少したことであります。既存店客数の回復のため、販売施策として、「肉の日」において、特別価格での商品提供に加え、継続来店につながるよう「ランチタイム定期券」「ステップアップクーポン」「ワンツークーポン」などを配布いたしました。また、4月には「ステーキのどん」において、「映画クレヨンしんちゃん」とのコラボ企画を実施いたしました。商品施策としては、7月に「ステーキのどん」においてボリューム満点の「激アツステーキ」を販売し、ご好評をいただいております。また、「しゃぶしゃぶどん亭」において「月見ラムしゃぶ」「イベリコ豚しゃぶしゃぶ」、陳建一氏監修の「イベリコ豚バラ麻辣しゃぶしゃぶ」や「フォルクス」において「秋フェア フォルクス3種類のステーキ」「ボーンインステーキ」「リブロースステーキ」などの季節のフェアメニューを販売いたしました。これらの施策により、既存店売上高が堅調に推移したことから、セグメント損失は3億9百万円と、前年同期に比べ損失額は5億32百万円の減少となりました。同期間の店舗数は、16店舗を閉鎖した結果、154店舗となりました。なお、アークミールについては、2020年2月29日に当社が保有する株式会社アークミールの全株式を株式会社安楽亭に譲渡いたしました。

※詳細につきましては、第63期定時株主総会招集ご通知に際してのインターネット開示事項12~13ページに記載しております。

[京樽]

売上高は、285億44百万円と、対前年同期比4.5%の増収となりました。

増収の主な要因は、既存店売上高が堅調に推移したことに加え、都心を中心に積極的に出店を行っております回転寿司業態「海鮮三崎港」の店舗数が増加したことであります。販売施策としては、ご好評をいただいているテイクアウト事業における「中巻セール」、ひな祭り・節分などの“ハレの日”の各セール、外食事業における「本まぐろ祭」「(赤皿)99円セール」などを効果的に実施いたしました。また、2月には、人気TV番組タイアップセールを実施しご好評をいただきました。商品施策としては、豊後ブリ・鹿児島県産生サバなど、産地にこだわった旬の食材を用いた季節メニューを各業態で販売いたしました。これらに加え、炊飯米の販売やインターネットサイトを利用した弁当販売も拡大しております。セグメント利益は、増収により、4億57百万円と、対前年同期比181.6%の増益となりました。同期間の店舗数は、17店舗を出店し、15店舗を閉鎖した結果、335店舗となりました。

[海外]

売上高は、219億45百万円と、対前年同期比3.7%の増収となりました。

増収の主な要因は、フランチャイズも含めた積極的な出店により店舗数が増加したことであります。セグメント利益は、一部エリアでは原材料価格の高騰による影響がありましたが、出店による増収などにより、9億72百万円と、対前年同期比20.5%の増益となりました。同期間の店舗数は、131店舗を出店し、60店舗を閉鎖した結果、994店舗となりました。


次の項目へ
2020/05/21 12:00:00 +0900
外部サイトへ移動します 移動 ×