第23期定時株主総会招集ご通知 証券コード : 3633
❶ 全般的概況
当社は「人類のアウトプットを増やす」というミッションのもと、表現活動を支援するためのさまざまななウェブサービス及びスマートフォンアプリを提供しています。
当連結会計年度の売上高は、フロー型ビジネスの「SUZURI」や「minne」の流通額が伸び悩んだほか、金融支援事業において大型債権の買取を抑制したため請求書買取額が減少したものの、レンタルサーバーサービス「ロリポップ!」やドメイン取得代行サービス「ムームードメイン」などのストック型ビジネスの価格改定効果が継続していることや、高単価プランの契約比率が上昇し、好調に推移したことから、前期比で増収となりました。
利益面では、金融支援事業における滞留債権に対する貸倒関連費用が減少したほか、AI活用によりカスタマーサービスコストが減少した結果、大幅増益となりました。
その結果、当連結会計年度における業績は、売上高10,922,830千円(前期比0.2%増)、営業利益829,146千円(前期は営業損失340,988千円)、経常利益937,349千円(前期は経常損失246,730千円)、親会社株主に帰属する当期純利益591,632千円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失628,787千円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
当連結会計年度より当社のセグメントのうち「ホスティング事業」については、事業内容をより明確に表現するため「ドメイン・レンタルサーバー(ホスティング)事業」に名称を変更いたしました。名称のみの変更であり、セグメントの区分方法に変更はございません。
また、「調整額」に含まれていた各事業ごとのカスタマーサービス部門をドメイン・レンタルサーバー(ホスティング)事業、EC支援事業、ハンドメイド事業へそれぞれ区分変更しており、当連結会計年度の比較・分析は、変更後のセグメント区分に基づいております。
❷ セグメント別概況
【ドメイン・レンタルサーバー(ホスティング)事業】
ドメイン・レンタルサーバー(ホスティング)事業には、個人からビジネスまで幅広い用途にご利用いただけるレンタルサーバーサービス「ロリポップ!」及びドメイン取得代行サービス「ムームードメイン」等が属しております。
「ロリポップ!」におきましては、高単価プランの契約件数が増加しているものの、低単価プランの契約件数が減少し、契約件数は405,185件(前期末比1.8%減)となりました。顧客単価は2024年8月に実施した価格改定に伴い523円(前期比4.8%増)となりました。
また、サーバーの専門知識がなくても簡単にマルチプレイ専用のサーバーが立てられる「ロリポップ!for Gamers」では、対応ゲームを順次拡充し、現在では「Minecraft(統合版・Java版)」、「Palworld / パルワールド」をはじめとした15タイトルに対応しております。
「ムームードメイン」におきましては、2023年に比べ2024年は円安で推移したことからドメイン単価が上昇しました。一方で、新規契約数が減少したことから、登録ドメイン数は1,055,194件(前期末比4.3%減)となりました。
利益面においては、上述のとおり価格改定の効果により売上高が増加したほか、AI活用によるカスタマサービスのコストの減少により増益となりました。
以上の結果、当連結会計年度におけるセグメント売上高は6,096,728千円(前期比5.9%増)、セグメント利益は1,918,696千円(前期比5.7%増)となりました。
【EC支援事業】
EC支援事業には、月額制ECサイト構築サービス国内店舗数No.1の「カラーミーショップ」及びオリジナルグッズ作成・販売サービス「SUZURI」等が属しております。
「カラーミーショップ」におきましては、従来よりも大規模なECサイト運営を支援する「プレミアムプラン」の契約件数が堅調に推移しました。全体の契約件数は、新規契約件数が伸び悩むも、解約件数が減少し、50,006件(前期末比0.7%減)となりました。また、月額有料プランの顧客単価は高単価プランの契約比率が高まり5,842円(前期比11.5%増)となりました。売上高は、IT導入補助金を活用した制作代行案件が増加したほか、高単価プランの契約比率が高まったことにより前年を上回る実績となりました。
「SUZURI」におきましては、2024年7月にクリエイターがオリジナルイラストや似顔絵などの作品の企画を立て、オーダーを受付できるコミッション機能「SUZURIコミッション」と、画像1枚でTシャツの3Dモデルが作成・販売可能になる「3Dグッズ作成ツール」を提供開始したことから登録会員数は201万人(前期末比23.2%増)となりました。当連結会計年度における来訪者数は増加しているものの、購入率が減少したことから流通金額は20.9億円(前期比13.9%減)となりました。
「カラーミーショップ」、「SUZURI」ともに、利益面ではAI活用によりカスタマーサービスコストが減少しました。
以上の結果、当連結会計年度におけるセグメント売上高は2,965,565千円(前期比1.1%減)、セグメント利益は777,799千円(前期比18.5%増)となりました。
【ハンドメイド事業】
ハンドメイド事業には、国内最大級のハンドメイドマーケット「minne」が属しております。
「minne」では、2024年5月より作家・ブランドの販促・マーケティング活動を支援するためのサブスクリプション型プラン「minne PLUS 作家スタンダードプラン」を提供開始しました。また、作品の販売機会拡大を狙い、2024年11月に「minneのハンドメイドマーケット2024」の開催をしました。作家・ブランド数は93万人(前期末比3.6%増)となりました。一方で、当連結会計年度における流通金額は115.6億円(前期比10.4%減)となりました。
利益面においては、作家様向けの販促活動を支援するminne広告の運用によって利益率が改善しました。
以上の結果、当連結会計年度におけるセグメント売上高は1,401,914千円(前期比5.9%減)、セグメント利益は62,380千円(前期比185.6%増)となりました。
【金融支援事業】
金融支援事業には、連結子会社であるGMOクリエイターズネットワーク株式会社が運営するフリーランス向けファクタリングサービス「FREENANCE」が属しております。
「FREENANCE」におきましては、前年第2四半期より大型債権の買取を抑制した影響により、当連結会計年度の請求書買取額は、53.4億円(前期比37.0%減)となりました。
利益面では、滞留債権に対する貸倒関連費用が大幅に減少しました。
以上の結果、当連結会計年度におけるセグメント売上高は452,981千円(前期比30.9%減)、セグメント損失は43,493千円(前期のセグメント損失は1,064,650千円)となりました。
【その他】
その他には、習い事やチーム・教室運営における連絡や集金をクラウド上で一元管理できるサービス「GMOレンシュ」のほか、2024年3月に提供開始したお問い合わせ対応のノウハウとAI導入の専門知識を組み合わせ、会話型AIの導入から運用までを支援する、お問い合わせ対応AIの導入支援サービス「GMO即レスAI」や、2024年10月に提供開始した配信者やVTuberの配信ハードルを下げ、専門知識や技術、機材がなくても誰もが簡単に動画・ライブ配信といった表現活動を実現できる、配信者やVTuber向けの配信画面作成サービス「Alive Studio」が属しております。
当連結会計年度におけるセグメント売上高は5,640千円(前期比294.3%増)、セグメント損失は60,407千円(前期のセグメント損失は42,591千円)となりました。