当連結会計年度における国内経済は、感染者数の減少に伴い、サービス業を中心に個人消費は持ち直しましたが、海外経済の減速により、輸出・生産ともに減少しました。企業の設備投資は、海外経済の減速により、一時的に製造業の能力増強投資が抑制されますが、脱炭素やデジタル化に関連した投資を中心に積極的な投資姿勢を維持しています。
海外では中国において、ゼロコロナ政策による厳しい活動制限が実施されたことで、個人消費は低迷しました。さらに、スマートフォンや自動車の減産の影響を受け、製造業の生産は減少しました。欧米諸国においては、活動制限緩和に伴うサービス消費の回復が一巡したことに加え、エネルギー価格や資源価格の高騰の影響が生じており、引き続き注視が必要な状況にあります。
当社グループを取り巻く事業環境は、個人消費の停滞により、スマートフォンやパソコン、タブレットなどの高機能電子機器の需要は低調に推移し、高機能電子デバイス向けのプリント基板及び半導体パッケージ基板の需要は減少しました。自動車産業は主に中国において、当連結会計年度を通して、半導体不足、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、自動車の生産台数は減少しました。
上記のとおり、厳しい事業環境ではありましたが、円安の影響もあり当社グループの売上高は271億37百万円(前連結会計年度比11.9%増)、営業利益は92億85百万円(同3.3%増)、経常利益は93億69百万円(同1.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は60億13百万円(同5.6%減)となりました。
セグメント別の状況は次のとおりであります。
主要な事業内容
国内・海外市場における表面処理薬品の開発・製造・販売及び関連資材の販売
電子分野におきましては、中国では個人消費の停滞及び巣ごもり需要の終焉に伴い、スマートフォンやパソコン、タブレットなどの高機能電子デバイス、サーバー向けプリント基板の需要が減少しましたが、当連結会計年度の薬品需要は横ばいで推移しました。台湾ではサーバー、高機能電子デバイス向け半導体パッケージ基板の需要が堅調に推移し、下期において、在庫調整局面となりましたが、当連結会計年度の薬品需要は増加しました。韓国では半導体市場の需要が鈍化し、半導体パッケージ基板メーカーにおいて在庫調整の動きが継続し、当連結会計年度の薬品需要は減少しました。
装飾分野におきましては、国内は半導体、部品不足が緩和されたことで自動車の生産台数は回復基調が見られ、当連結会計年度の薬品需要は増加しました。中国では半導体不足、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、自動車の生産台数は減少しましたが、当連結会計年度の薬品需要は横ばいで推移しました。
その結果、薬品事業の売上高は245億28百万円(前連結会計年度比6.9%増)、セグメント利益は97億98百万円(同2.1%減)となりました。
装置事業
主要な事業内容
国内・海外市場における表面処理装置の設計・製造・販売、プラズマ技術を利用したプリント基板洗浄装置の販売、太陽光発電による売電等
装置事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による先送り案件の再開及び電子分野めっき装置の新規投資需要の増加により、売上高、受注高、受注残高ともに大幅に増加しました。
その結果、売上高は26億8百万円(前連結会計年度比99.6%増)、セグメント利益は3億69百万円(前連結会計年度はセグメント損失88百万円)となりました。新規受注に関しましては、受注高は44億40百万円(前連結会計年度比38.8%増)、受注残高は39億54百万円(同90.5%増)となりました。
主要な事業内容
ワイン製造用ブドウ・苗木の育成・販売等
その他におきましては、売上高0百万円(前連結会計年度比11.6%減)となり、セグメント損失は17百万円(前連結会計年度はセグメント損失17百万円)となりました。
(注)セグメント利益は、営業利益ベースの数値であります。
❷ 設備投資の状況
当連結会計年度において実施いたしました設備投資の総額は1,090,769千円で、その主なものは次のとおりであります。
当連結会計年度に取得した主な設備
当社 総合研究所
実験設備、測定機器の取得 157,213千円
空調設備の更新 48,800千円
当社 生産本部
太陽光発電設備の設置 54,200千円
生産設備の改修 53,648千円
空調設備の更新 25,000千円
廃棄物保管場所の設置 20,500千円
当社 熊本事業所(仮称)用地取得 392,676千円
JCU (THAILAND) CO.,LTD. 危険物倉庫の取得 40,516千円
JCU表面技術(湖北)有限公司 生産設備の取得 40,488千円
❸ 資金調達の状況
当期の資金調達は、経常的な資金調達のみで、特に記載すべき事項はありません。