当期の事業の概況

 当連結会計年度における世界経済は、急激な資源価格の高騰や、中国のロックダウンの影響などにより低迷しましたが、徐々に経済活動が活発化し、回復の兆しがみられました。一方、年度末にかけて金融引き締めの影響を受け、景気の後退が懸念される状況となりました。
 日本経済は、製造業では、部品材料の供給が制約されながらも設備投資が堅調に推移し、景気は緩やかに回復しつつあります。
 そのような中で、当社グループの主要な販売市場である通信装置、ロボット、半導体製造装置などのファクトリーオートメーション市場からの需要は堅調に推移しました。
 その結果、当連結会計年度における連結売上収益は120,803百万円(前年同期比19.5%増)となり、連結営業利益は13,421百万円(前年同期比22.3%増)、連結税引前当期利益は14,226百万円(前年同期比20.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は11,410百万円(前年同期比26.6%増)となりました。
 受注高は127,996百万円(前年同期比14.7%減)、受注残高は81,925百万円(前年同期比9.6%増)となりました。

 


 


 


 

 

セグメント別の業績

日本

 

 日本には、当社および連結子会社の山洋工業株式会社、山洋電気テクノサービス株式会社、山洋電気ITソリューション株式会社があります。セグメント売上収益は118,762百万円(前年同期比18.1%増)となり、セグメント利益は6,960百万円(前年同期比24.8%増)となりました。

北米

 

 北米には、連結子会社のSANYO DENKI AMERICA,INC.があります。セグメント売上収益は25,206百万円(前年同期比65.6%増)となり、セグメント利益は2,290百万円(前年同期比76.5%増)となりました。

ヨーロッパ

 

 ヨーロッパには、連結子会社のSANYO DENKI EUROPE S.A.およびSANYO DENKI GERMANY GmbHがあります。セグメント売上収益は8,296百万円(前年同期比42.7%増)となり、セグメント利益は499百万円(前年同期比59.0%増)となりました。

東アジア

 

 東アジアには、連結子会社の山洋電气(上海)貿易有限公司、山洋電氣(香港)有限公司、台灣山洋電氣股份有限公司、SANYO DENKI KOREA CO.,LTD.、上海山洋電气技術有限公司、山洋電气貿易(深圳)有限公司、中山市山洋電气有限公司、山洋電气精密機器維修(深圳)有限公司および山洋電气(天津)貿易有限公司があります。セグメント売上収益は19,004百万円(前年同期比5.8%増)となり、セグメント利益は1,642百万円(前年同期比1.0%増)となりました。

東南アジア

 

 東南アジアには、連結子会社のSANYO DENKI PHILIPPINES,INC.、SANYO DENKI INDIA PRIVATE LIMITEDおよびSANYO DENKI (THAILAND) CO.,LTD.があります。
 セグメント売上収益は45,962百万円(前年同期比33.4%増)となり、セグメント利益は2,527百万円(前年同期比7.4%増)となりました。



事業部門別の業績

クーリングシステム事業

San Ace(サンエース)は、冷却ファン、ファンユニットなど、山洋電気のクーリングシステム製品を総称するブランドです。

 


 クーリングシステム製品「San Ace」は、年度末にかけて需給調整の影響が見られたものの、EV用急速充電器や一部の電源装置、5G基地局などの通信機器、半導体製造装置、サーバやストレージなど幅広い業界からの需要が堅調に推移しました。
 その結果、売上収益は43,292百万円(前年同期比37.0%増)、受注高45,951百万円(前年同期比19.6%減)、受注残高34,665百万円(前年同期比8.3%増)となりました。

主要製品
DCファン ファンユニット
耐久ファン エアフローテスター
ACファン PWMコントローラ

  

パワーシステム事業

SANUPS(サナップス)は、無停電電源装置(UPS)、インバータ、太陽光発電システム用パワーコンディショナなど、山洋電気のパワーシステム製品を総称するブランドです。

 

 パワーシステム製品「SANUPS」は、災害対策用を中心に、生産設備や社会インフラ向けの需要が増加しました。また、半導体製造装置、医療機関向けの需要は堅調に推移しました。一方、再生可能エネルギー向けの需要は、投資の先送りを受け低調でした。
 その結果、売上収益は7,423百万円(前年同期比0.5%増)、受注高7,613百万円(前年同期比11.0%減)、受注残高3,192百万円(前年同期比6.3%増)となりました。

主要製品
UPS(無停電電源装置) インバータ
パワーコンディショナ 無瞬断切換装置
グリッド管理装置 防災用ディーゼル発電装置
瞬時電圧低下補償装置

  

サーボシステム事業

SANMOTION(サンモーション)は、サーボモータ・アンプ、ステッピングモータ・ドライバ、コントローラ、エンコーダなど、山洋電気のサーボシステム製品を総称するブランドです。

 

 サーボシステム製品「SANMOTION」は、EV、リチウム電池の生産設備、ウェハ搬送ロボット向けの需要が増加しました。また、射出成形機、工作機械、ロボット向けの需要も堅調に推移しました。一方、半導体製造装置向けの需要は前連結会計年度に引き続き堅調に推移していたものの、年度末にかけて減退が見られました。また、中国市場の景気減退の影響により、電子部品実装機、金属加工機向けの需要は低調でした。
 その結果、売上収益は63,988百万円(前年同期比14.3%増)、受注高68,431百万円(前年同期比11.9%減)、受注残高42,076百万円(前年同期比11.8%増)となりました。

主要製品
ACサーボシステム ステッピングシステム
DCサーボシステム モーションコントローラ
リニアサーボシステム

  

電気機器販売事業

電気機器販売事業は、産業用電気機器、制御機器、電気材料などの販売をおこなう事業です。

 

 半導体業界、医療機器向けの需要の増加により、産業用電気機器、制御機器、および電気材料の販売は増加しました。一方、太陽光発電向けの需要は低調でした。
 その結果、売上収益は4,881百万円(前年同期比5.3%増)、受注高4,689百万円(前年同期比10.9%減)、受注残高1,424百万円(前年同期比11.9%減)となりました。

   

電気工事事業

電気工事事業は、産業用コントロールシステムの設計、開発、施行、保全工事を提供する事業です。

 

 主要顧客である鉄鋼業界からの需要は堅調に推移しました。一方、電気工事の需要は従来の水準に回復するまでには至らず、低調でした。
 その結果、売上収益は1,216百万円(前年同期比18.9%減)、受注高1,311百万円(前年同期比8.1%減)、受注残高566百万円(前年同期比20.0%増)となりました。

   

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2023/06/15 12:00:00 +0900
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