事業の経過及び成果

 当連結会計年度の世界経済は、コロナ禍からの経済活動の正常化に支えられた景気回復が継続した一方で、エネルギーや部材の価格上昇などのインフレと世界各国の金融引き締めにより、景気回復ペースの鈍化が顕著となっています。当社グループの主力事業であるリチウムイオン二次電池セパレータ事業においては、自動車業界全体で部品不足が続いている中でも、各国の環境政策等によるEV市場の安定成長に支えられ、当連結会計年度の販売数量は主要顧客の需要は計画通りの増加となりました。その結果、車載用電池向けの売上高は22,741百万円となり前年同期比49.7%の増加となりました。また、民生用途も電動工具、コードレス家電およびE-Bike用のハイエンド電池向けの需要は安定して増加しており、民生用電池向けの売上高は22,359百万円となり前年同期比51.4%増加して推移しております。これらの要因により当期連結売上高は45,100百万円となり、前年同期比15,134百万円(同50.5%増)の増収となりました。
 顧客別には、韓国顧客に対して車載用電池向け及び民生向け需要が引き続き増加しており、売上高は43,695百万円となり、前年同期比14,871百万円(同51.6%増)の増収となりました。
 営業利益に関しては、売上高が前年同期比15,134百万円の増収となった一方で、販売数量の増加に伴い原材料費1,925百万円、減価償却費1,439百万円、人件費1,284百万円など、売上原価等の費用が前年同期比9,203百万円増加しました。なお、当連結会計年度に負担が大きかった水道光熱費は、前年同期比2,702百万円の増加となりました。また、研究開発費に関しては、車載用途新モデルの開発費及び生産性改善のための工程テストの費用を中心に前年同期比409百万円の増加となりました。また、世界的なコスト上昇が継続している中、生産性の改善は継続して行っております。
 これらの結果、当連結会計年度の営業利益は前年同期比で5,931百万円増加し、7,829百万円(前年同期は1,898百万円)となり、営業利益率は17.4%(前年同期は6.3%)となりました。
 製造の状況に関しては、W-SCOPE KOREA CO., LTD.(以下、WSK)においては引続き生産効率改善に取り組み、W-SCOPE CHUNGJU PLANT CO., LTD.(以下、WCP)においては前連結会計年度から量産稼働を開始したWCP第5・6(当社グループ累計第14・15号)の生産量も安定したことから、製膜ライン生産数量を大きく増やしております。また、WSK,WCPのコーティングラインでは新規ラインの増設及び既存ラインの製造工程改良に取組んでおり、これらにより生産性が大きく向上しております。
 営業外収益は米ドル建て債権債務で為替差益318百万円を計上しており、営業外費用として支払利息358百万円、転換社債型新株予約権付社債に係るオプション評価損17百万円などがありました。結果として、税金等調整前当期純利益は8,294百万円(前年同期は税金等調整前当期純損失2,940百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,413百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失2,943百万円)となりました。
 当連結会計年度の平均為替レートにつきましては1米ドルが131.30円、1,000韓国ウォンが101.7円となりました。

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2023/03/30 12:00:00 +0900
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