対処すべき課題

 当社グループは、「自然と人、人と人をつなぎ、人間性を回復する」という社会的使命を果たすとともに、持続的な成長を成し遂げるため、以下のことに注力してまいります。


国内・海外における成長戦略

 成長戦略については、各国において市場の成熟度が異なるため、取るべきアクションは異なりますが、いずれの市場においても、新規キャンパーの創出とロイヤルカスタマー化の実現を目指してまいります。
(1)国内
 「拠点」、「体験」、「コミュニティ」の3つの軸を中心に強化を進めてまいります。拠点については、キャンプフィールドを中心とした体験拠点の開発を進め、2025年までに直営キャンプフィールドを合計1,000サイト追加する予定となっております。また、出店計画を策定する際は、キャンプフィールドと店舗間の導線を考慮した立地にすることで、キャンプフィールドへのアクセスを容易にいたします。体験については、提供サービス商品の拡充及びイベント数の増加を図ることで、より幅広い層のお客様にアプローチし、体験への誘導強化を図ってまいります。このように拠点と体験の強化を図りつつ、リアルイベントやデジタルツールを活用して、コミュニティ育成を強化し、顧客創造の好循環を創出いたします。
(2)米国
 世界最大のアウトドア市場ではあるものの、ハイキングなどのアクティビティを中心とした市場が大きな部分を占めており、スノーピークのキャンプスタイルの根幹にある、アウトドアでの豊かな時間を楽しむスタイルとは異なっております。そのため、まずはスノーピークのキャンプスタイルの浸透を実現するべく、キャンプブランドとしての認知の向上を目指してまいります。また、体験提供の強化を通じたスノーピークのキャンプスタイルの可視化及び販売網の拡張・強化を進めてまいります。体験提供の強化に関しては、2023年下期に直営のキャンプフィールドをオープンする予定になっており、それを核に体験誘導の強化を進めてまいります。販売網の拡張・強化については、卸売事業と直販事業に分けて進めてまいります。卸売事業については、スノーピークのブランドを表現できるショップインショップの拡張を進めます。直販事業については、直営店の新設に加えて、店舗スタッフの育成に注力してまいります。
(3)中国
 キャンプ文化が発展段階にあるため、米国と同様にまずはスノーピークのキャンプスタイルの浸透を図り、キャンプブランドとしての認知の向上を目指してまいります。それに対する施策についても、大きな方向性としては米国と同じく、体験提供の強化を通じたスノーピークのキャンプスタイルの可視化及び販売網の拡張・強化を進めてまいります。体験拠点開発の第一弾として、2024年前半の開設を目標に中国国内でのキャンプ場の開発プロジェクトを進めており、このプロジェクトを通じて、中国における体験拠点のフラッグシップモデルを確立して参ります。それ以降については、中間所得者層をターゲットとして、それらの人々が集中している1級都市及び新1級都市の郊外を中心に開発を進めてまいります。販売網の構築・強化について、卸売事業は沿岸部を中心に新規アカウントの拡大を図ってまいります。合わせて外部ECの立ち上げを進め事業基盤の構築を進めてまいります。2024年以降は、内陸部を中心に拡大を進めていく計画となっております。直販事業については、自社ECの開設及び沿岸部の1級都市に直営店の開設を進め、ブランドポジションの確立を図ってまいります。


経営基盤の強化

 経営基盤強化では、筋肉質な経営体質の実現を果たすために、「サプライチェーンの最適化」、「経営管理体制の強化」、「人財戦略の強化」及び「販売網の見直し」の4つの項目について注力してまいります。
(1)サプライチェーンの最適化
 これまでは、主に日本市場を需要の中心地として、サプライチェーンの構築を図ってまいりましたが、今後は米国、中国を中心としたグローバル市場の需要に合わせたサプライチェーンの構築が必須になると考えております。その実現に向けて、供給、物流及びオペレーション面に対して、グローバルの観点から管理体制の強化を実現してまいります。具体的には、供給については、今後需要拡大が見込まれる米国、中国市場に対応できる供給体制の強化を地政学的リスクを考慮した上で、構築してまいります。また、デジタルの活用を進め、生産状況や納期情報の管理体制強化を図ることで、調達業務全体の効率化及び正確性の向上を実現してまいります。物流及びオペレーションについては、生産国から販売国までの物流網や情報管理体制を強化することで、物流効率及び販売効率の向上を図り、グローバル基準の体制を構築してまいります。
(2)経営管理体制の強化
 特定の分野に偏ることなく、組織・人財面から財務、戦略、ブランドなど経営全般を対象として進めてまいります。
 まず、組織・人財管理については、戦略と組織の整合性を定期的に見直し、それに合った適切な人員体制を実現することで、効率的且つ無駄のない組織体制を構築してまいります。財務管理については、財務体制強化及び収益性の向上を実現するために、予実管理体制の強化や社内配賦ルールの見直し、投資基準の厳格化など、主に管理会計の視点から改善を進めてまいります。戦略管理については、各年の業務計画や中期経営計画で立てたプランの実行を定期的にレビューし、実行フェーズの進捗管理を強化いたします。
 知財・ブランド管理については、今後グローバルでの事業拡大を念頭に、ベースとなるルールの確立及び管理体制の強化を図ってまいります。ESG対応については、推奨項目の適切な開示及び定期運用への仕組みの構築を進めてまいります。
(3)人財戦略の強化
 店頭におけるスノーピークらしい接客や、スノーピークらしい価値提供を長期的に継続するために、人財育成制度の強化及び処遇面の見直しによる職務環境の改善を中心に構築してまいります。人財育成については、採用活動の強化、研修プログラムの体系化及びキャリアデザインの促進を進めてまいります。職務環境改善については、処遇面の改善を実行してまいります。2023年2月より第一弾として、全社員向けのベースアップや、顧客接点の最前線にいる営業スタッフに対しての各種手当の拡充を図りました。これにより、長期的に安心して仕事に取り組める環境づくりを目指しております。今後も、スノーピークがお客様に提供している価値に見合った処遇を目指し、引き続き改善に向けての検討を進めてまいります。
(4)販売網の見直し
 収益改善と販売チャネル戦略の見直しの観点から検討を進め、持続可能な販売網の構築を進めてまいります。収益改善については、低採算店舗を中心に、収益性のみではなくブランディングへの効果も含めた上で、総合的に勘案し閉店を含めた策を検討してまいります。業態変更については、飲食事業において既存のレストラン形態から固定費負担の低いカフェ形態への見直しを進めてまいります。販売チャネル戦略については、直販事業と卸売事業の両面から進めてまいります。直販事業においては、卸売形態との出店比率の見直しや新規出店時の基準の厳格化を進めてまいります。卸売事業においては、ショップインショップ形態を中心にブランドを表現できる店舗の拡張を進めてまいります。


ご参考 中期経営計画

 当社グループは、2023年度の中期経営計画では、2025年までに連結売上高500億円、営業利益97億円を計画しております。また、2025年までに、海外売上比率40%、ROE16%以上の達成を計画しております。

※ ROE=当該年度の当期純利益÷当該年度の株主資本(純資産 - 新株予約権 - 非支配株主持分)
※ 為替レート($/¥)前提:2023年 130円|2024年 125円|2025年 120円


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2023/03/29 12:00:00 +0900
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