第1号議案
取締役8名選任の件

「新・中期経営計画2020」はまだ１年を終えた段階で、第82期からの２年目、最終年度と確実な目標達成を果たすためには、環境変化に対し迅速な意思決定を通じて機会を得ることが求められます。基盤となるESGの一層の向上に努め、社訓にございます顧客満足度の向上やさらなるグループ力の強化、新規ビジネスの育成に注力し、目標達成に向けて取り組んでまいります。

私はディスクロージャー研究部門、J-Adviser業務と内部監査部門を担当しております。当社グループでは、変化の激しいディスクロージャーを巡る制度や要請に対応した即時、適切な情報提供と顧客の作成される開示書類に最新の法令や慣行に則したチェックに努め、信頼を高めるとともに、TOKYO PRO Market上場会社の発掘、内部統制の充実を図り、当社グループの企業価値向上に寄与してまいります。

「新・中期経営計画2020」を達成するためには、「グループの力を結集し何がなせるか」、そのために新しい機会に対してアンテナを張り、全社でスピード感を持った進化を果たすことが重要だと考えます。このような視座に立って、多くの部門業務にかかわってまいりました私自身の経験を活かし、さらなる成長に向けて取り組んでまいります。

ディスクロージャー＆IRの社会的な要求、制度面の見直しが進められる中「新・中期経営計画2020」の１年目は順調に滑り出しました。当社では従来業務を一層手厚くご提供することに加え、社会全体ならびに発行企業体、株主・投資家の希求に応えるべく新規業務に全社を挙げて対応してまいります。特に営業部門においては一人一人が感性を研ぎ澄まし、各所のご要望を察知し、サービスの提供を具体化してまいる所存です。

環境変化のスピードが増す中、今までとかわらぬ常識や視野をベースに経営を考えていくことは難しいと考えます。一方で「新・中期経営計画2020」を達成するためにはこうした変化やニーズに柔軟に対応していくことが求められます。私はこれまでの職歴に基づく経験と人脈を活かし、経営や営業にかかわるアドバイスやビジネスチャンスを発展させる活動に一層注力してまいります。

独立社外取締役は、社内取締役とは異なる独自の立場を有しています。求められる役割はその独自性に由来していると私は考えております。開示サービスを通じて証券市場の透明性を確保するという公共的使命を担う宝印刷は、常に有用な社会の一員であることが求められています。私は、独立社外取締役の視点から、企業市民たる宝印刷の企業価値がさらに高まるよう、引き続き努めてまいります。

20年以上前からAIの技術を応用し企業の倒産兆候を財務数値から予見するモデルの開発、また自然言語処理を用いた企業の開示文書の解析に取り組んできました。我が国では近年、CGコードやESG報告など、企業に求められる開示情報の範囲が広がっていることから、宝印刷が社会へ貢献できる機会が増えています。これまでの知見を活かして適切なアドバイスができるよう努めてまいります。

この度、宝印刷の新任取締役候補者に選定され身の引き締まる思いです。ディスクロージャー＆IRを取り巻く環境変化は著しいものがあります。当社は既存ビジネスを環境変化に適応させながら発展させていくと同時に、海外を含めた新たな市場開拓および新規ビジネスの開発によってさらなる成長を続ける必要があります。私は総合企画部と国際部門の担当役員として「既存ビジネスの変化への適応と新規ビジネスによる成長」に取り組んでまいります。