第53回定時株主総会招集ご通知 証券コード : 8153
当連結会計年度においては、雇用・所得環境の改善による個人消費の持ち直しや、インバウンド需要の拡大により外食需要の回復が見られました。一方で、不安定な国際情勢による景気減速リスクに加え、原材料及びエネルギー価格の高止まりや為替変動による調達費用の上昇など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような環境の中、基幹事業である国内モスバーガー事業においては、消費の二極化に対応した商品として、プレミアム価格帯の新たな定番商品や期間限定商品を発売いたしました。レギュラー価格帯を含めた価格のグラデーション化によりお客様の選択肢を増やすことで、より幅広い層のお客様の獲得に繋がりました。さらに、全社的に費用対効果を意識することで販管費の抑制を徹底したほか、在庫回転率向上による保管費の減少、移送の効率化などコストの抑制に取り組みました。海外事業では、既存店の強化に努めるとともに、不採算店舗の閉店や価格改定、本社経費の抑制など収益性の改善に取り組みました。
また、ESGの観点から当社グループのマテリアリティ(重要課題)を、①食と健康、②店舗と地域コミュニティ、③人材育成と支援、④地球環境の4つに定め、事業活動を通じて社会に向けた価値創造に取り組んでおります。
これらの結果、当連結会計年度の連結業績は、売上高961億85百万円(前年度比3.4%増)、営業利益52億23百万円(同24.8%増)、経常利益55億69百万円(同26.8%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は31億50百万円(同22.4%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
国内モスバーガー事業では、お客様のニーズに合わせた商品開発、マーケティング展開に加え、お客様との接点の質と量を強化し、地域に密着した店舗運営を推進したことで、既存店売上高・客数・客単価が前年度を上回りました。
当連結会計年度においては、日本の食文化を大切にした商品開発と、「和ごころエンジョイ」をキャッチフレーズにしたマーケティングを展開いたしました。
居心地の良い店舗空間づくりを推進したほか、カフェ需要に対応して、ドリンクやスイーツを充実させました。さらに、店舗スタッフの業務手順の見直しや、焼成などオペレーションの時間短縮が可能な厨房機器を導入することで生産性を向上させ、お客様への商品提供時間の短縮に取り組みました。また、店舗看板を視認性の高いシンプルなデザインに順次リニューアルしております。
デジタル技術を活用し、CX(お客様の体験価値)とEX(社員や店舗メンバーの働きがい)の向上を目指しております。お客様の利便性向上に向けた取り組みとしては、レジに並ばず注文できる「お席で注文」を全店に導入いたしました。さらに、将来の人手不足を見据えた対策として「フルセルフレジ」の導入や、デジタルサイネージを活用したドライブスルーでの注文時間の短縮に取り組みました。
マーチャンダイジング事業では、ECサイト「モスライスバーガー専門店」において、海外の料理をヒントに開発した新商品を販売し、商品ラインナップの充実を図っております。また、新たなチャネル獲得の取り組みとして、当社監修商品を他社チャネルで販売いたしました。
今後も取り組みを拡大し、ブランドの価値向上とともに、新たな収益源へと育ててまいります。
モスグループの各事業を通じて社会課題の解決に貢献するために、環境・社会・ガバナンス(ESG)の観点から4つのマテリアリティ(重要課題)を特定し、サステナビリティ経営を通じてさらなる企業価値の向上を推進しております。
以上の事業活動の結果、国内モスバーガー事業の売上高は766億26百万円(前年度比4.4%増)となり、セグメント利益(営業利益)は63億89百万円(同9.0%増)となりました。
海外事業では、商圏の変化及び人流の変化に合わせた不採算店舗の閉店や既存店の改装、本社経費の抑制など、収益性改善に取り組み、セグメント利益(営業利益)は前年度を上回りました。
マーケティングは、日本の食文化を大切にした定番商品に加え、現地の嗜好を取り入れたローカライズ商品を販売するなど、地元のお客様にも愛される、地域に根差した店舗展開を進めております。
※海外事業に属する関係会社の当連結会計年度は2024年1月から12月であるため、同期間の情報を記載しております。
※選択と集中の結果、中国の店舗は2024年7月をもって、オーストラリアの店舗は2024年9月をもって全店閉店しております。
以上の事業活動の結果、海外事業の売上高は166億8百万円(前年度比1.2%減)、セグメント利益(営業利益)は4億86百万円(同4億62百万円の利益増)となりました。
その他飲食事業は、不採算店舗の閉店や商品力の強化、サービス品質の向上を図り、収益性の改善を進めております。
9月に関東初出店となる「カフェ山と海と太陽アトレ亀戸店」をオープンしたほか、10月には、モスバーガーとミスタードーナツのコラボレーション店舗「MOSDO(モスド)ららぽーと新三郷店」をオープンいたしました。3月には、こだわりの玄米定食が気軽に楽しめる「玄米食堂あえん川口駅前店」をオープンいたしました。
以上の事業活動の結果、その他飲食事業の売上高は18億5百万円(前年度比1.8%減)、セグメント損失(営業損失)は1億9百万円(同17百万円の損失増)となりました。
連結子会社の株式会社エム・エイチ・エスは衛生管理、株式会社モスクレジットはFC加盟店を対象とした機器レンタルや保険・金融、株式会社モスシャインはグループ内業務のアウトソーシング等により主に国内モスバーガー事業やその他飲食事業を支援しております。
これらによるその他の事業の売上高は11億44百万円(前年度比11.5%増)となり、セグメント利益(営業利益)は5億91百万円(同18.5%増)となりました。
なお、当社グループの事業セグメント別の売上高及びセグメント利益又は損失(△)は、次のとおりであります。