当社のコーポレートガバナンスに関する取組について

当社のコーポレートガバナンスに関する取組について

 1  コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方

当社は、池田泉州銀行などを子会社とする持株会社であり、「幅広いご縁」と「進取の精神」を大切に、お客さまのニーズに合ったサービスを提供し、地域の皆さまに「愛される」金融グループを目指すことを経営理念に掲げ、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るため、次の基本的な考え方に沿って、コーポレートガバナンスの充実に取組んでおります。

(1)株主の皆さまの権利を尊重するとともに、平等性の確保に努めます。
(2)ステークホルダーの利益を考慮するとともに、適切な協働に努めます。
(3)会社情報を適切に開示するとともに、その会社情報の透明性の確保に努めます。
(4)取締役会及び監査役会は株主の皆さまに対する受託者責任を踏まえ、業務執行の監督及び監査の実効性向上に努めます。
(5)持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するため、株主の皆さまとの建設的な対話に努めます。



 2  当社の取締役会・監査役会について

当社の取締役・監査役候補者の指名を行うにあたっての方針について、以下のとおり基本方針を定めております。

〈取締役候補者の指名の基本方針〉
当社の経営理念に基づき、当社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上に貢献することを期待できる人物を取締役候補者として指名することとしております。
また、当社の事業やその課題に精通するものが一定数必要であることに加え、取締役会の独立性・客観性を担保するため、取締役会メンバーの知識・経験・能力の多様性を確保することとの観点から当社は、当社の事業やその課題に精通するものを経営陣幹部その他の業務執行取締役候補として指名するほか、多様な知見やバックグラウンドを持つ候補者を、社外取締役として指名することを基本方針としています。

〈監査役候補者の指名の基本方針〉
業務執行者からの独立性の確保と、当社の持続的成長と社会的信頼に応える良質な企業統治体制を確立する事を期待できる人物を監査役候補者(社外を含む)として指名することとしております。

当社は取締役会における実質的な協議・検討の様々な機会を確保するとともに、意思決定の迅速性を重視する観点から取締役会の員数を設定しており、現状、9名の取締役と4名の監査役を選任しております。
なお、独立社外取締役4名全員が他社での経営経験を有しております。
取締役の中には国際部門や海外勤務の経験者も在籍し、いずれも優れた知識・経験・能力を備えております。また、ジェンダー面では、女性社外取締役を選任しているほか、職務経験面では、報道関係の勤務経験者も在籍しております。加えて年齢面では50歳代3名、60歳代3名、70歳代3名(第3号議案承認後)とバランスよく選任し、多様性の確保に努めております。


 3  事業ポートフォリオに関する基本的な考え方

当社グループは、事業ポートフォリオに関する戦略の明確化や取締役会による監督の実効性向上を目的に「事業ポートフォリオに関する基本的な考え方」を2022年5月に制定いたしております。

事業ポートフォリオに関する基本的な考え方

  1. 事業ポートフォリオマネジメントの目的
    事業ポートフォリオマネジメントは、当社ならびに当社の連結子会社および持分法適用関連会社(以下「当社グループ」という。)全体の事業ポートフォリオの組み換えおよび経営資源配分を通じて、事業間のシナジーを発揮し、当社グループ全体の持続的な企業価値向上を図ることを目的とする。
  2. 事業領域の分類
    事業ポートフォリオマネジメントにおいては、当社グループの事業領域を、コーポレートソリューション部門、リテール部門、プライベートバンキング部門、地域共創部門およびその他(市場部門)に分類し、各部門を事業ポートフォリオにかかる経営判断の基本的な単位とする。
  3. 経営判断の種類
    事業ポートフォリオにかかる経営判断の種類は、次に掲げるとおりとする。
    (1)新事業への進出
    (2)既存事業の拡大、改善
    (3)既存事業の縮小、既存事業からの撤退
    (4)事業モデルの選択(自前または外部とのアライアンス)
    (5)その他当社グループの企業価値に影響を及ぼし得る規模での事業ポートフォリオの変更
    (6)(1)から(5)までの実施に伴う経営資源配分
  4. ガバナンス体制
    (1)当社取締役会は、事業ポートフォリオマネジメントに関する基本的な事項を決定し、事業ポートフォリオマネジメントの運用を監督する。
    (2)当社経営会議は、取締役会の監督の下で、事業ポートフォリオマネジメントの運用に関する重要事項を審議・決定する。
  5. 事業評価および非財務的価値の考慮
    (1)事業ポートフォリオマネジメントに際しては、各部門の収益性、成長性および他の事業とのシナジーを基本的な評価軸として、事業評価を行う。
    (2)事業ポートフォリオにかかる経営判断は、事業評価の結果を活用するとともに、経営理念との整合性や地域社会への貢献等の非財務的価値も十分に考慮して行う。
  6. 経営計画への反映
    中期経営計画その他の経営計画の策定・変更時には、事業ポートフォリオおよび経営資源配分計画の見直しの要否についても取締役会で審議したうえ、結果を経営計画に反映する。


 4  取締役会の実効性評価

当社は、取締役会の機能向上を目的として、実効性について毎年分析・評価を行っております。2020年度からは、外部機関を活用して課題を浮き彫りにするような仕組みを確保したうえで、取締役・監査役を対象とした「取締役会の構成と運営」「経営戦略と事業戦略」「企業倫理とリスク管理」「経営陣の評価と報酬」「株主等との対話」の5項目から構成されるアンケートを実施し、自己評価を行っております。

【前年度課題と取組内容】
2022年度は以下の6項目を課題として設定し、取組みを実施・検討することにより、取締役会の実効性向上に努めてまいりました。

  1. 取締役会資料における論点の明示と分量・構成の改善
    取締役会運営の改善に向けて、2021年度に一部の取締役会報告資料にサマリーを導入しております。2022年度は議論するポイントが明確になるよう「論点」を明示することを試行いたしました。取締役会の監督・議論を支えるため、引き続き、分量・構成の改善に取り組んでまいります。
  2. 実践的な議論高度化に繋がる役員トレーニング
    役員トレーニングの年間スケジュールを作成し、「人的資本経営」「サイバーセキュリティ」「アンコンシャス・バイアス」「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策」について、役員向けセミナーを実施いたしました。各セミナーには社内外の役員が出席いたしました。社外役員が営業現場の理解を深めることを目的として、子銀行の店舗視察を2ヶ店実施し、社外取締役4名、社外監査役2名、子銀行の社外監査役2名が参加いたしました。
  3. 重要議案の審議時間の確保
    2021年度に池田泉州銀行との取締役会一部合同開催や、報告事項の事前提供による説明時間の短縮により、審議時間の確保に努めてまいりました。2022年度は、合理的な職務執行の実現に向けて、権限配分における「権限」や「責任」の考え方を整理し、議論いたしました。
  4. 人材戦略及びDX戦略推進にかかる議論の充実
    2021年4月に策定した「人材育成基本方針」に基づき、2022年6月に「知識と経験を兼ね備えたソリューション人材の育成」「1,800名体制に向けた人材育成」「挑戦や成長を促す組織風土づくり」「女性活躍推進と相互理解風土の醸成」からなる人材育成計画を決議いたしました。DX戦略に関しては、2022年度は4回の議論を重ね、2023年3月にDX計画を策定いたしました。
  5. 内部通報制度の運用状況にかかる監督の充実
    内部通報制度については、取締役会で3ヶ月毎に運用状況を確認いたしました。
  6. 株主・投資家との対話を踏まえた議論の充実と情報発信の強化
    新型コロナウイルス感染症予防のため、2020年度からWeb開催としていた株主懇談会を2023年2月に2日間にわたり、実開催いたしました。また、決算説明会を2回、機関投資家とのOne on One ミーティングを25社延べ42回実施いたしました。
    株主や投資家との対話内容については、取締役会で議論いたしました。TCFD開示など非財務情報の発信を強化するため、2022年6月に第1号となる統合報告書を発刊いたしました。

【当年度の評価結果】
2022年度についても、アンケート結果をもとに、2023年4月および5月の取締役会において分析・評価を行いました。アンケートでは肯定的な評価が大部分を占め、前年度の課題が改善されていることから、取締役会の実効性は十分確保されていることを確認しております。

『取締役会の実効性に関するアンケート』の実施要領

全項目評点:平均4.2pt(5pt満点)(2020年度4.5pt、2021年度4.4pt)
評価の割合:ポジティブ(評点5・4)87%、ネガティブ(評点2・1)3%

【さらなる実効性向上に向けた重要テーマ】
 2023年度は、以下の2項目を重要テーマと位置付け、取り組んでまいります。

  1. 人材戦略に関する議論の活性化や取組みの深化
    特に、人的資本経営を意識した議論に重点を置いてまいります。
  2. 内部統制に関する運用の厳格化および監視・監督
    著しい事業環境の変化を踏まえ、持株会社としてグループ各社の重要なリスクを正確に識別・把握し、より効果的に監督できる態勢の整備・運用に努めてまいります。特に、国際的な目線の高まりを踏まえ、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与防止について、さらなる実効性の向上を目指して取り組んでまいります。

これらの課題に取り組むため、監督・議論を支えるために取締役会資料の内容や分量の改善を図ってまいります。また、株主との建設的な対話の促進を行うことで株主意見の収集を強化し、中長期的な企業価値向上に繋げてまいります。

なお、当社の主要子会社である池田泉州銀行においても同様に分析・評価を行い、同行の取締役会においても実効性は十分確保されていることを確認しております。

 5  当社の政策保有株式に関する考え方

(1)政策保有株式に関する基本方針
2010年の銀行合併以来、株式保有リスクの縮減を目的に、政策保有株式を縮減してまいりました。
今後も、政策保有株式を縮減してまいります。政策保有株式の縮減は、株式保有リスクや資本の効率性等を総合的に検討の上で、取引先企業との十分な対話を前提に進めてまいります。
但し、当社グループおよび投資先の中長期的な企業価値向上に資する、あるいは、地域創生および地域活性化にあたり必要と判断される場合には、限定的に株式を保有することがあります。

(2)2023年度政策保有株式の方針
2023年度末までに連結純資産に占める政策保有株式(みなし保有を含む)の期末帳簿価格を20%未満とすることを目標とし、政策保有株式の縮減を進めてまいりました(みなし保有を含まないベースでは連結純資産比10%未満を目標としています)。2022年度中に6銘柄・時価約45億円の売却を行いましたが、株式時価の増加により期末の連結純資産比率は、22.6%となりました。2023年度も同目標の達成に向け、縮減を続けてまいります。

(3)政策保有株式の保有状況



 6  役員報酬の決定方針について

当社の個別役員報酬の決定方針の詳細については、招集通知64頁をご覧ください。

 第15期(2023年度)の役員報酬について

 決定方針の下での第15期の役員報酬の内容については以下の通りとなります。
 株式会社池田泉州銀行との兼務者にあっては、同行から支給される金額を含んでおります。

1.報酬の全体像
 役員報酬は基本報酬、業績連動報酬、ストック・オプションで構成される。

2.基本報酬
 基本報酬の金額は、役位、職責等に応じて定める。

3.業績連動報酬
 第15期における業績指標は下記の通りとし、達成率に応じて業績連動報酬額が変動する。なお達成率が設定範囲を下回った場合は、あらかじめ設定した業績連動報酬額の下限額を、上回った場合は上限額を支給するものとする。各指標の目標値については取締役会で定める。

 また、社長・会長以外の取締役については、業績連動報酬のうち一定比率を各個人の職務遂行状況に応じた定性評価により決定する。職務遂行状況の評価基準は取締役会が定め、当該基準に基づく個別の評価を社長に委任する。

4.非金銭報酬
 ストック・オプションとして付与する新株予約権の目的である株式の種類は当社普通株式とし、各新株予約権の目的である株式の数は100株とする。
 新株予約権の払込金額に相当する額は、役位、職責、株価等を踏まえて決定する。その額をブラック・ショールズ・モデル等の公正な算定方式により算定された新株予約権の公正価格で除し株式数を算出し、株式数を100で除したものを新株予約権の個数とする。

 なおストック・オプションには、違法もしくは不正な職務執行、善管注意義務・忠実義務に抵触する行為、またはこれらに準ずる行為があると認められるときは、当社が該当する新株予約権者の保有するすべての新株予約権(当社の非金銭報酬として付与したものに限る。)を無償にて取得することができるクローバック条項を設ける。


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2023/06/27 11:30:00 +0900
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