事業の経過およびその成果

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、非常に厳しい状況となりました。また、先行きにつきましても、度重なる感染症の拡大に伴い、収束には時間を要するとの見方が強まっており、依然として不透明な状況が続いております。
 情報サービス産業界におきましては、景気悪化に伴う企業のIT投資の先送りや抑制など一部に慎重な動きが見られたものの、ウィズ/アフターコロナ社会を支えるサービスやソリューションの需要が急速に高まり、IoT、AI、5G/ローカル5Gなどのデジタル技術を駆使してビジネスプロセスや業務プロセスを大きく変えていくデジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル変革)の取り組みが加速しました。
 このような状況のもと、当社グループは、お客様のDX実現のベストパートナーを目指す中期経営計画(2019年4月~2022年3月)のもと、長年培ってきた幅広い業種・業務知識やノウハウと最新のデジタル技術を融合し、お客様のビジネスモデル変革と業務プロセス改革に貢献することにより、事業拡大と収益力強化に取り組んでまいりました。
 当連結会計年度の業績につきましては、受注高は399億34百万円(前年同期比3.6%増)、売上高は392億82百万円(同2.6%増)、営業利益は41億97百万円(同8.7%増)、経常利益は42億40百万円(同8.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は27億65百万円(同3.6%増)となりました。
 なお、当連結会計年度におきましては、受託したシステム開発に関連して発生した損害賠償損失および和解金等を特別損失に計上しております。

 当連結会計年度のセグメント別概況は、次のとおりであります。

<ITソリューション>
 当セグメントは、ビジネスソリューション事業、金融・公共ソリューション事業、システム機器販売事業で構成しております。ビジネスソリューション事業では製造業、小売業、物流業などのお客様業務を支援するITソリューションを提供しております。金融・公共ソリューション事業では保険業、銀行業などの金融分野や、官公庁・団体などの公共分野のお客様業務を支援するITソリューションを提供しております。システム機器販売事業では各ソリューション事業に伴い必要となるPC・サーバーなどの機器を納入しております。
 売上高につきましては、小売業向けシステム機器販売などが堅調に推移しましたが、ビジネスソリューションにおける一部案件が開発フェーズの谷間に当たることや、前期の不採算案件による機会損失、官公庁・団体向けシステム開発の反動などが影響し減収となりました。利益につきましては、不採算案件が減少したことなどにより増益となりました。
 これらの結果、受注高は130億83百万円(前年同期比0.9%減)、売上高は132億2百万円(同1.6%減)、営業利益は12億98百万円(同7.7%増)となりました。

<サービスソリューション>
 当セグメントは、デジタルソリューション事業、クラウド・インフラサービス事業で構成しております。デジタルソリューション事業ではIoT&AIサービスやWebサイト・EC構築などの業種共通ソリューションを提供しております。クラウド・インフラサービス事業では、パブリック・プライベートクラウドの環境構築サービスや自社データセンターによるハウジング・ホスティングサービス、お客様の情報システムの運用設計から構築、管理を行う総合的なマネジメントサービスなどを提供しております。
 売上高につきましては、上期は案件の一時中断やスライドなどが発生したものの、下期に入りIoT&AIサービスや産業用スマートグラス「RealWear」などの新サービスを中心としたデジタルソリューション事業が伸長したほか、クラウドサービス事業が堅調に推移し増収となりました。利益につきましては、事業拡大に向けた体制強化などにより減益となりました。
 これらの結果、受注高は108億40百万円(前年同期比8.0%増)、売上高は103億80百万円(同5.4%増)、営業利益は5億64百万円(同10.5%減)となりました。

<プロダクトソリューション>
 当セグメントは、組込み開発事業、デバイス開発事業で構成しております。組込み開発事業ではオートモーティブ、産業機器向けなどのアプリケーションやミドルウエア、ドライバ開発を、デバイス開発事業では画像処理や通信関連などのLSIの設計やボード設計を行っております。アプリケーション、ミドルウエア、LSIの各レイヤをシームレスにつなぐエンベデッドトータルソリューションを提供しております。
 売上高につきましては、画像処理を中心とした半導体市場の伸びを背景にデバイス開発事業が堅調に推移したほか、組込み開発事業におけるオートモティブ分野や通信機器分野が拡大し増収となりました。利益につきましては、増収に伴う利益増などにより増益となりました。
 これらの結果、受注高は160億10百万円(前年同期比4.6%増)、売上高は156億99百万円(同4.6%増)、営業利益は23億35百万円(同15.4%増)となりました。

 報告セグメント別の売上高、構成比率は次のとおりであります。

(単位:百万円、%)

■セグメント別売上高

■売上高構成比

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2021/06/23 11:00:00 +0900
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