事業の経過及びその成果

 当連結会計年度における我が国経済は、企業収益は新型コロナウイルス感染症の影響が残る中で海外経済の改善や供給制約の緩和を背景に持ち直しの動きが続きましたが、ウイルス変異株による感染症流行の断続的な発生から個人消費や生産が足踏み状態となり、景気の回復は緩やかなものにとどまりました。
 建設業界におきましては、住宅建設は横ばい圏内で推移しましたが、企業の建設投資は事務所や店舗等が牽引するかたちで増加基調となり、公共投資も東日本大震災の復旧・復興需要の減少等により弱含みながらも関連予算の執行により高水準を保つなど、総じて事業環境は良好な状況にありました。
 このような経営環境のもと、当社グループは2021年5月に策定した①建設請負事業の深化、②建設周辺事業の進化、③新たな事業領域の開拓、④経営基盤の強化を基本方針とする『熊谷組グループ 中期経営計画(2021~2023年度)~持続的成長への弛まぬ挑戦~』にグループ一丸となって取り組み、持続的成長への挑戦を続けているところであります。また、株主還元の拡充並びに資本効率の向上を図るため総額100億円規模の自己株式を取得する方針を決定するとともに、当該方針に基づき、当連結会計年度において、約40億円の自己株式の取得を実施しました。
 当連結会計年度における当社グループの連結業績につきましては、売上高は、前連結会計年度比5.6%減の4,252億円となりました。利益は、売上高の減少並びに売上総利益率の低下に伴う売上総利益の減少等により、営業利益は227億円、経常利益は237億円となりました。また、法人税、住民税及び事業税等の計上などにより、親会社株主に帰属する当期純利 益は158億円となりました。
 当社の業績につきましては、以下のとおりであります。
 受注高は、土木工事、建築工事ともに増加し前年度比23.6%増の3,502億円となりました。このうち、土木工事は1,108億円、建築工事は2,394億円であり、これらの発注者別内訳は官庁27.3%、民間72.7%であります。
 売上高は、同8.1%減の3,310億円となりました。このうち、土木工事は940億円、建築工事は2,369億円であり、これらの発注者別内訳は官庁19.8%、民間80.2%であります。
 翌事業年度への繰越高は、同4.1%増の4,854億円となりました。
 利益につきましては、売上高の減少並びに売上総利益率の低下に伴う売上総利益の減少等により、経常利益は199億円、当期純利益は137億円となりました。

当社の部門別の状況は以下のとおりであります。
〔土 木〕
 土木の受注高は前年度比10.7%増の1,108億円となりました。
 主な受注工事は、中日本高速道路株式会社:東名高速道路(特定更新等)酒匂川橋他2橋床版取替工事(神奈川県)、中日本高速道路株式会社:名古屋第二環状自動車道西條高架橋他16橋耐震補強工事(愛知県)、株式会社ミダック:奥山の杜クリーンセンター第2・3・4工区埋立地建設工事(静岡県)、九州電力株式会社:黒川第一発電所総合更新(復旧)工事のうち土木本工事、土木除却工事(第1工区)(熊本県)等であります。
 完成工事高は同22.5%減の940億円となりました。
 主な完成工事は、西日本高速道路株式会社:中国自動車道(特定更新等)北房IC~大佐スマートIC間(上り線)(岡山県)、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構:北陸 新幹線、坂井高架橋(福井県)、東日本高速道路株式会社:東北自動車道 十和田管内高速道路リニューアル工事(岩手県~青森県)、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構:九州新幹線(西九州)、第1岩松トンネル外3箇所他(長崎県)等であります。

〔建 築〕
 建築の受注高は前年度比30.6%増の2,394億円となりました。
 主な受注工事は、アパホーム株式会社・アパマンション株式会社:(仮称)アパホテル&リゾート〈大阪難波駅タワー〉新築工事(大阪府)、西新宿五丁目中央南地区市街地再開発組合:西新宿五丁目中央南地区第一種市街地再開発事業 施設建築物等新築工事(東京都)、三井不動産レジデンシャル株式会社:(仮称)幕張新都心若葉住宅地区計画(B-5街区)(千葉県)、地方独立行政法人 那覇市立病院:新那覇市立病院(仮称)病院棟建設工事(沖縄県)等であります。
 完成工事高は同0.8%減の2,369億円となりました。
 主な完成工事は、東急不動産株式会社・株式会社NIPPO・大成有楽不動産株式会社・JR西日本プロパティーズ株式会社:(仮称)江東区豊洲五丁目計画新築工事(東京都)、住友商事株式会社・レンゴー株式会社:(仮称)レンゴー淀川工場跡地開発計画新築工事(大阪府)、森永製菓株式会社:森永製菓 高崎第3工場建設計画(群馬県)、医療法人徳洲会:(仮称)仙台徳洲会病院移転新築工事(宮城県)等であります。

(参考)当社の部門別受注高・売上高・繰越高

(単位:百万円)

(注)
  1. 翌事業年度繰越高に含まれる海外工事の繰越高について、為替相場の実勢を反映させるため、事業年度末レートで修正しております。
    この増加額は120百万円であり、(  )内は修正前であります。
  2. 収益認識に関する会計基準等の適用により、土木工事の前事業年度繰越高を当事業年度の期首において修正しており、この減少額は123百万円であります。


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2022/06/29 12:00:00 +0900
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