第23回定時株主総会招集ご通知 証券コード : 2158

事業の経過及び成果

 当社グループは「Bright Valueの実現〜集合知に埋もれたリスクとチャンスを見逃さないソリューションを提供し、情報社会のフェアネスを実現する〜」という企業理念のもと、方程式駆動型AI「KIBIT(キビット)」の提供を通じて、日夜、社会課題と向き合う各分野の専門家の判断を支援し、イノベーションの起点を創造することで、社会の様々な場面で必要かつ適切な情報に出会えるフェア(fair)な世界の実現を目指しております。

■各事業の当期のセグメント別活動状況は以下のとおりであります。
 当社グループは、中期経営計画(ステージ4)の達成に向け、ライフサイエンスAI事業を中核事業と位置付けております。2025年4月30日付で株式会社アルネッツ(以下、アルネッツ)を子会社化し製造業向けDX事業の強化を決定したことを背景に、当連結会計年度において、事業ポートフォリオの再編を実施し、報告セグメントを変更しております。

(ライフサイエンスAI事業)
 ライフサイエンスAI事業では、独自の自然言語処理AI技術を中核として、AI創薬及びAI医療機器の2つの分野で事業を展開しております。

 AI創薬分野
 日本政府は、2024年12月3日に「創薬力強化・後発医薬品などの安定供給確保に向けた政策パッケージ」を公表、さらに2025年6月には、内閣府が「創薬力向上のための官民協議会」*1を設置したことが象徴するように、創薬力の強化は日本にとって喫緊の国家課題となっております。一方で、新薬開発においては標的分子の枯渇や適応症探索の難易度の高さが課題となっております。これらの課題に対する解決手段の一つとして、当社は方程式駆動型AI「KIBIT」による自然言語処理AI技術を活用し、文献情報などの解析を通じて、文献に記載のない疾患と創薬標的分子の関連性を非連続的に発見する独自技術(特許申請済み)を確立しております。この技術を活用し、疾患関連性の高い未報告の標的分子の抽出に加え、その根拠となる疾患メカニズムの仮説提示を可能とする、AI創薬支援サービス “Drug Discovery AI Factory”(以下、DDAIF)を提供しております。
 当期においては、創薬プロセスの関与度や契約形態に応じた4つのAI創薬ビジネスモデルを構築し、短期収益から中長期の導出・ロイヤルティ収益までを組み合わせた収益ポートフォリオを形成しました。共創プロジェクト*2を基盤とした安定収益に加え、創薬開発の進捗に応じたマイルストーン収入や、パイプライン導出型のビジネスモデルを通じて、中長期的な非連続成長を目指しております。

 ① 共創プロジェクト
 製薬企業と当社創薬研究チームが密に連携(共創)し、特定ニーズを起点としたテーマ・プロジェクト単位でDDAIFを活用し研究開発を推進するモデルです。当期は、EAファーマ株式会社、中外製薬株式会社、マルホ株式会社、富士製薬工業株式会社、日華化学株式会社に加え、Meiji Seikaファルマ株式会社、株式会社S-Quatre、日本新薬株式会社、参天製薬株式会社、日本化薬株式会社との間で新たにプロジェクトを開始しました。第一三共株式会社においては、2024年11月に開始した「毒性試験報告書テキスト情報解析の取り組み」において有用性が確認されたことを受け、2025年より第2フェーズとして当該取り組みの拡大を進めております。UBE株式会社(以下、UBE)においても、2024年11月に開始したドラッグリポジショニングに関する共創プロジェクトを通じ、2025年11月には創薬シーズ*3の創出及びライセンスアウト(導出)を目的とした共同研究の基本合意を締結いたしました。当社の「標的分子探索」とUBEの「化合物探索・最適化」という強みを融合することで、創薬シーズのライセンスアウト(導出)までのプロセスを効率化し、実効性の高い創薬モデルの構築を実現しております。

 ② 包括的共創モデル
 中長期の業務提携を前提に、特定の疾患領域や研究部門に限定することなく、製薬企業の全社的な創薬戦略を横断的に支援するモデルです。2026年2月には、丸石製薬株式会社(以下、丸石製薬)と、戦略的業務提携契約を締結いたしました。丸石製薬が保有する独自の知見及びデータベース情報と、当社のDDAIFにより抽出した創薬シーズ解析情報を組み合わせることで、創薬シーズ導入*4判断の高度化及び効率化を図り、創薬研究開発全般に加え、育薬やライフサイクルマネジメントなどへと提携領域を拡張していく予定です。本モデルでは、解析費及びコンサルティングフィーに加え、導入後の研究開発及び販売段階に応じた成功報酬を受領します。今後は、上述した「共創プロジェクト」を起点として本モデルへと深化させる案件を増やし、成果に応じた非連続な収益獲得を見込んでおります。

 ③ DDAIF Innovation Bridge
 DDAIFと資金支援を組み合わせ、バイオベンチャーの創薬パイプライン価値最大化を支援するモデルです。1stフェーズではDDAIFを活用してバイオベンチャーのパイプラインに関する機序仮説*5を強化することで、研究の不確実性を低減し、成功確率の向上や研究進捗の改善につなげるとともに、検証や再実験を進めるための資金支援(出資を含む)を行います。2ndフェーズでは、研究環境や競争状況を踏まえ、パイプラインの見直しや新たな創薬戦略の再設計を支援します。このようなバイオベンチャーとの協業を通じて、パイプラインの共同導出やプラットフォーム事業展開などを推進することで、将来的なライセンス収益の獲得を見込んでおります。
 抗体医薬品*6研究開発を専門とする北海道大学発の認定スタートアップ企業である株式会社エヌビィー健康研究所とは、PoCを通じたシナジーが確認されたことから、2026年2月より2ndフェーズとして、既存パイプラインを対象とした新規適応症探索及びライセンスアウト(導出)に向けた共同研究と、新規抗体医薬品パイプライン創出に向けた共同研究を開始しました。これに続き、セルアクシア株式会社、タグシクス・バイオ株式会社、C4U株式会社、株式会社糖鎖工学研究所との取り組みも進行しております。

 ④ 自社研究・共同研究
 当社が主体となり、DDAIFを活用して仮説・創薬標的を提示し、自社研究及びアカデミア等との共同研究を通じて検証を進めライセンスアウトを目指すモデルです。2025年4月14日付で国立大学法人熊本大学と、新たながん治療法探索に関する共同研究を開始し、続く5月には国立大学法人東京科学大学(以下、東京科学大学)と双方の独自技術を活用した新規創薬標的分子の探索を目的とする共同研究を開始いたしました。また、近年世界的に注目を集めているマイクロバイオームを創薬に応用する取り組みとして、メタジェンセラピューティクス株式会社との共同研究も開始いたしました。
 2025年7月には、DDAIFを活用したすい臓がんの創薬標的分子候補の抽出及びin vitro(試験管)にてがん細胞の増殖抑制試験を実施し、一定の効果が確認されたことを発表いたしました。本実験では、DDAIFを活用し約2万遺伝子からわずか2日で17の標的分子候補を抽出しました。従来2年以上を要する標的探索と比較して大幅な効率化を実現しており、6遺伝子でがん細胞増殖抑制効果を確認しております。このうち4遺伝子は関連論文のない極めて新規性の高い候補であり、本技術の有効性を示す成果となりました。この検証結果は、方程式駆動型AI「KIBIT」が既知の文献から未知の創薬標的分子と疾患の関連性を体系的に発見できることを示すものであり、「標的探索」プロセスの大幅な短縮と創薬の成功確率を高める可能性を示しています。これらの成果を踏まえ、当社は今後の研究指針を策定し、細胞増殖抑制効果が確認された標的分子を起点に、既存薬の転用を含む新たな創薬候補化合物の発見に向けた取り組みを進めてまいります。
 また、AI創薬事業の米国市場への本格的な事業展開に向けて、米国コンサルティング企業であるQ Partners LLCと戦略的パートナー契約を締結し、米国市場における新規参入戦略の策定と実行を進めております。また、米国におけるAI創薬事業の展開に向けた第一歩として、米国オクラホマ大学との共同研究を開始いたしました。本研究では、当社のDDAIFと、全米屈指の医学研究機関であるオクラホマ大学医学部が有する高い臨床研究能力やウェットラボ機能、世界的に評価されている医学的知見を融合させ、アンメット・メディカル・ニーズ*7の高い疾患領域において、有望な創薬標的を効率的に同定することを目指します。
 さらに、DDAIFの基幹技術に関する研究開発については、作用機序(薬物が作用を発現するメカニズム)に関する高度な理解及び解析効率の向上を目的とした取り組みを積極的に推進しております。2025年10月には、新たに2件の基幹技術開発について特許査定を取得しました。これらの研究成果は技術的優位性の確立に寄与しており、2025年12月末時点におけるDDAIF関連の特許は世界全体で23件となります。
 このように当社は、DDAIFを核とした、疾患領域やモダリティに応じた最適な共創パートナーとのエコシステムを構築することで、創薬の生産性の最大化、開発期間の短縮及び希少疾患を含む幅広い疾患領域への対応を図ってまいります。顧客とともにFirst in Classの医薬品を創出し、「日本を再び創薬の地へ」という理念のもと、医薬品産業を自動車、半導体に次ぐ基幹産業へと成長させることに貢献し、薬を必要とする全ての人に適切な薬が届けられるフェアな世界を目指してまいります。

*1 内閣府「創薬力向上のための官民協議会」, https://www8.cao.go.jp/iryou/kanmin_kyogikai.html
*2 共創プロジェクトとは、製薬企業と当社の研究チームが協調し新規標的探索や適応症の探索、バイオマーカー探索等、個別の研究開発を実施する形態。
*3 創薬シーズとは、医薬品研究開発の「ネタ」となる、疾患の治療に有効だと考えられる化合物や抗体、創薬技術など
*4 導入とは、製薬企業において、自社内で研究開発を行う形態のほか、他社・他機関から医薬品候補化合物などの開発権や販売権を獲得するケースがあり、後者を導入(ライセンスイン)と呼ぶ
*5 機序仮説とは、疾患の病態や薬の作用について、「どのようなメカニズム(機序)でその結果が引き起こされているのか」を、確定していないが、理論的に説明する答えのこと(仮説)
*6 抗体医薬品:抗原(体にとって異物となり、免疫反応を引き起こす物質。ウィルス、アレルギー原因物質、がん細胞表面の特徴的なタンパク質など)と結合して無毒化する「抗体」を、遺伝子組換え技術などを応用して人工的に作製し、医薬品としたもの。
抗原を持たない細胞や組織には影響を与えないため、副作用が少なくより高い治療効果が期待できる点が特徴とされる。
*7 有効な治療方法が見つかっていない疾患に対する、新しい治療薬や治療法などへのニーズ

 AI医療機器分野
 AI医療機器分野においては、2024年2月に塩野義製薬株式会社(以下、塩野義製薬)と「認知症・うつ病の診断支援AIプログラム事業に関する戦略的業務提携契約」を締結しており、共同開発を進めている「会話型 認知機能検査用AIプログラム医療機器(SDS-881)」は、厚生労働省より「プログラム医療機器に係る優先審査対象品目」に指定されております。その後PMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)への治験届提出を完了し、2025年5月より臨床試験を開始いたしました。現在、日本での製造販売承認取得及び社会実装に向けた開発は順調に進捗しております。
 非医療機器領域においては、産業横断アライアンスの一環として、塩野義製薬と、AI解析による会話型の「あたまの健康度」判定Webアプリケーションサービス「トークラボKIBIT」を共同開発し、2025年10月1日より提供を開始いたしました。「トークラボKIBIT」は、生活者が日常会話を通じて簡単に利用できる「あたまの健康度」セルフチェックツールとして、生活者が自身の状態を日常的に把握することで健康に関する意識向上を促し、生活習慣改善や健康寿命の延伸に貢献することを目的としています。本ツールは、2025年10月より日本生命保険相互会社の「ニッセイみらいのカタチ 認知症保障保険(認知症サポートプラス)」の付帯サービスとして提供を開始しており、ニッセイ情報テクノロジー株式会社が提供する「暮らしの脳トレ」と連動する形で社会実装されております。さらに、2026年3月には、朝日生命保険相互会社が開始する「みんなのあんしん100年プロジェクト」に参画し、同プロジェクトが構築するエコシステム内で提供開始することを発表いたしました。
 加えて、既存の技術を応用し、統合失調症やADHDなどの精神神経疾患領域を対象とする医療機器及び非医療機器の開発についても検討を進めており、対応疾患領域の拡大を目指しております。
 当社は引き続き、世界に先駆けた自然言語処理AI技術を用いた医療機器・非医療機器の開発及び事業化を推進し、早期の市場浸透と社会実装を目指してまいります。また、新規アライアンスの構築とパイプラインの拡充を通じ、非連続的な成長を目指してまいります。

*「トークラボKIBIT」の「あたまの健康度」とは、AIが会話中の文脈的つながりと語彙の多様性を解析し、記憶力・言語理解力・情報処理能力を総合的な指標としてスコア化するものです。疾病の診断を目的としたものではありません。

(リスクマネジメント事業)
 リスクマネジメント事業の各分野においては、従来からの強みを活かし、個々のソリューション導入やサービス提供に加え、各部門間の連携を一層強化しております。これにより、クライアントが直面する「平時」・「有事」並びに「内部」・「外部」における多様なリスク課題の解決に向けて、全体最適の視点から統合的なサポートを提供しております。

 ビジネスインテリジェンス・コンプライアンス支援分野
 ビジネスインテリジェンス・コンプライアンス支援分野においては、特に金融業界を中心に、ファイアウォール規制を含む各種金融業規制への対応強化が求められております。加えて、他産業においても、情報流出・品質不正・カルテル・ハラスメントなどの不適切な事業活動による企業価値の毀損リスクや、企業の信頼性に関わるレピュテーションリスクへの対応として、コンプライアンス体制の構築・強化が喫緊の課題となっております。
 一方で、コンプライアンス監査の対象となるデータ量及び領域の拡大に伴い、オペレーションは一層複雑化しており、人的リソースのみでは体制の維持・拡大に限界が生じています。このような背景から、拡張性と精度を兼ね備えたAI監査ソリューションの導入ニーズが急速に高まっております。
 当社は、「KIBIT Eye(キビット アイ)」及び「KIBIT Knowledge Probe(キビット ナレッジ プローブ)」を中心とした監査ソリューションを通じて、金融機関をはじめとする大手企業の法令・コンプライアンス全般並びに各種規制対応の高度化を支援しております。
 当期においては、みずほ証券株式会社において、通話音声のテキスト化データを高度に解析・検証することにより、金融サービス利用者の潜在ニーズをより的確に把握することを目的として「KIBIT Eye」が導入されました。また、信金中央金庫においても、メール・チャットのモニタリング強化及びコンプライアンス体制の高度化を目的として「KIBIT Eye」が導入されています。
 平時における不正リスクを予見し、未然防止を図るAIソリューションについては、特に金融機関中心に多数の導入実績(導入率:メガバンクグループ100%、5大証券会社80%など)を有しております。長年培ってきた高度なAI技術と専門的知見の融合が、当社ソリューションの競争優位性を形成しております。

 リーガルテックAI分野
 リーガルテックAI分野においては、国内を中心とした不正調査(デジタル・フォレンジック調査)及び電子データの保全・調査分析(eディスカバリ支援)を展開しております。
 不正調査(デジタル・フォレンジック調査)については、継続的なマーケティング活動の効果により、国内の弁護士事務所や企業からの問い合わせ・受注が堅調に推移しております。
 例えば、当社が独自に運営するポータルサイト「FRONTEO Legal Link Portal」において、2025年11月時点で公開動画コンテンツ数が1,000本を突破いたしました。同ポータルでは、オンラインセミナー、リアルセミナー、解説動画、オーダーメイド勉強会など、さまざまな形式を通じて情報収集・情報提供や課題解決をサポートしています。登録会員数は2万人に達しております。さらに、2026年1月に企業の法務・コンプライアンス担当者が企業の枠を超えて実践知や課題を共有し、リスクマネジメントの強化及び高度化を図ることを目的としたコミュニティ「Risk Initiative Community」を設立いたしました。
 当社は、方程式駆動型AI「KIBIT」を活用した国内デジタル・フォレンジック調査において、圧倒的な実績件数と、有事の際に設置される第三者委員会や特別調査委員会などでも採用される等の高い信頼性を強みとして、デジタル・フォレンジック調査やeディスカバリ支援事業を中心に、堅実な事業運営を継続してまいります。

 経済安全保障分野
 経済安全保障分野においては、世界情勢や社会構造の急激な変容を背景に、調達リスクや各国の規制に伴う制裁リスクが一層高まっております。国際的に事業を展開する企業では、リスク対策の不備や対応の遅れによる機会損失や信用低下への懸念が強まっており、サプライチェーンリスクの可視化や、制裁リスト対象国・組織による実質支配の把握ニーズが拡大しております。
 また、重要技術の流出防止や情報漏洩リスクへの対応を含めた包括的なリスク管理体制の整備が喫緊の課題となっています。近年、国際的な研究活動においても、外国からの不当な影響(FOCI:Foreign Ownership, Control, or Influence)への懸念が高まっており、政府においても、2025年12月に「研究セキュリティの確保に関する手順書」が策定されるなど、対策強化が進められています。一方で、研究機関の現場では、研究者本人や共同研究先、研究インフラ、資金源等に関する膨大な確認作業が負担となり、研究時間の圧迫や国際共同研究への参画意欲低下といった新たな課題が顕在化しています。
 こうした背景のもと、当社は「日本の科学技術は日本の技術で守る」というコンセプトに沿って、「KIBIT Seizu Analysis(キビット セイズ アナリシス)」を活用したサプライチェーン解析、株主支配ネットワーク解析、最先端技術・研究者ネットワーク解析ソリューションを提供しております。さらに、これまでの支援実績を基盤として、2025年4月より、企業が自律的に経済安全保障対応を運用できる「経済安全保障室」の業務設計を支援する「経済安全保障対策コンサルテーション」を提供しております。
 当期においては、住友重機械工業株式会社においてサプライチェーンの強靭化を目的とした、「KIBIT Seizu Analysis」の導入が進んだほか、官公庁向けでは、内閣府「研究セキュリティ・インテグリティに関するリスクマネジメント体制整備支援事業」の一環として、「研究セキュリティ・リスクマネジメントシステム」の開発を実施しました。
 さらに、「KIBIT Seizu Analysis」の機能強化として、デューデリジェンスの効率化並びに高度化を目的に、制裁リスク等の情報を統合した新データベースを構築するとともに、取引ネットワークを可視化・分析するモニタリング機能を追加しました。これにより、企業、研究機関、行政機関は、経済安全保障リスクに対応するための情報収集・分析プロセスの効率化・高度化し、サプライチェーン全体の透明性向上とリスクアセスメント体制の強化を実現することが可能となります。今後も当社は、経済安全保障分野におけるAIソリューションのリーディングカンパニーとして、リニアな成長の実現とリカーリング収益基盤の強化を推進してまいります。

(DX事業)
 日本においては、デジタル・トランスフォーメーション(DX)の必要性が長年にわたり指摘されているものの、その導入効果を十分に実感できていない企業が依然として散見されます。その背景には、既存のレガシーシステムの刷新が進まず、社内に分散するデータのデジタル化及び統合が十分に進捗していないことが、主な要因として挙げられます。
 こうした課題に対応すべく、当社は2025年4月30日に子会社化したアルネッツが提供するソリューションを活用して、企業内に分散するデータの統合及びデジタル化を実現し、企業のDX推進のための基盤整備を進めております。さらに、当社のプロフェッショナル支援ソリューションを組み合わせることで、DX推進の初期段階からAI導入・高度化に至るまで一貫した支援を提供し、DX事業の持続的な成長に向けた取り組みを加速させてまいります。

 以上の結果、当連結会計年度の連結業績は、売上高7,643,356千円(前年同期比25.3%増)、営業利益739,353千円(前年同期比40.1%増)、経常利益675,093千円(前年同期比24.1%増)となりました。
 また、ストックオプションの権利行使期間終了に伴い、未行使分に関する新株予約権戻入益62,654千円を特別利益として計上いたしました。一方、前期に実施した米国子会社の事業撤退に関連し、撤退費用の一部を海外子会社事業整理損51,451千円として特別損失に計上しております。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は544,244千円(前年同期比2.0%減)となりました。

連結業績ハイライト(単位:百万円)

■各事業の当連結会計年度のセグメント別及び連結業績の概況は以下のとおりであります。

ライフサイエンスAI事業
 AI創薬分野につきましては、前期を大幅に上回る「共創プロジェクト」案件の積み上げに加え、2026年2月に発表した「DDAIF Innovation Bridge」案件の早期収益貢献により、売上高は751,823千円(前年同期比511.7%増)と大幅な増収となりました。
 AI医療機器分野につきましては、既存案件の順調な進捗に加え、「トークラボKIBIT」の収益化により売上高は281,414千円(前年同期比21.5%増)となりました。
 これらの結果、ライフサイエンスAI事業全体の売上高は1,033,237千円(前年同期比191.4%増)となり、事業の成長が顕著に現れております。
 営業損益につきましては、将来の成長に向けた人材への先行投資の加速及び、売上高増加に伴う本社費用配賦の負担増加があったものの、増収効果により前年度から大幅に改善し、16,185千円の営業損失(前年同期は231,654千円の営業損失)となりました。

分野別売上高

リスクマネジメント事業
 ビジネスインテリジェンス・コンプライアンス支援分野につきましては、不正検知システム「KIBIT Eye」のリカーリング収益は堅調に継続したものの、新規案件の獲得が伸び悩み、売上高は1,338,203千円(前年同期比8.2%減)となりました。
 リーガルテックAI分野につきましては、米国子会社の事業撤退の影響により、売上高は2,136,044千円(前年同期比38.8%減)となりました。
 経済安全保障分野につきましては、地政学リスクの高まりや、各国の規制による制裁リスクへの対応需要の増加を背景に、官公庁及び企業からの受注が堅調に推移し、売上高は545,694千円(前年同期比28.2%増)となりました。
 これらの結果、リスクマネジメント事業全体の売上高は4,019,943千円(前年同期比25.2%減)となりました。営業損益は、リーガルテックAI分野における米国子会社の事業撤退に伴う営業損失130,295千円の計上がありましたが、606,037千円の営業利益(前年同期比8.1%減)となりました。

分野別売上高

DX事業
 DX事業につきましては、アルネッツの買収・統合により、DX事業全体の売上高は2,590,175千円(前年同期比598.9%増)となりました。営業損益は149,501千円の営業利益(前年同期比49.6%増)となりました。

分野別売上高

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