事業の経過及び成果

① 事業の状況
 当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症パンデミックは、ワクチン接種の普及とともにピークを脱した感はありますが、国内個人消費の回復には遠く及ばず、また国内外サプライチェーンの寸断による経済活動への影響は色濃く残っています。また、既に顕在化していた米中経済摩擦等の地政学リスクに加え、2月に発生したウクライナ危機、3月以降の急激な円安により、世界的な原材料や資源価格の高騰も当面続くものと予想されます。
 食品流通業界におきましては、感染拡大に伴う行動自粛の影響から家庭内消費に関連する需要が堅調に推移する一方で、外食・業務用では飲食店を中心に度重なる緊急事態宣言等の発令により、昨年度以上に厳しい状況が続きました。また、人手不足に起因する人件費上昇及び原材料や原油価格高騰などの影響による商品価格の値上げは、今後も継続するものと考えられ、消費者の生活防衛意識は一層高まるものと予想されます。
 このような状況下、当社グループは引き続き食品流通の中核を担う卸売業として、感染拡大防止策と安全配慮策を講じながら食品の安定供給維持に努め、エッセンシャルワーカーとしての責務を果たすとともに、中期経営計画「Transform2022~領域を超えて~」で掲げた各重点施策を着実に推し進めることができました。具体的には、「DELISH KITCHEN」等のレシピ動画サイトを運営する㈱エブリーと連携した店頭サイネージの設置拡大や、消費者目線での新しい売場提案、㈱テクニカンとの共同冷凍食品ブランド「凍眠市場」の認知度向上や販路拡大等、新たな付加価値の提供に注力し、基盤である卸事業の強化に向けた取り組みを加速してまいりました。また、社会課題解決への取り組みとしてのダイバーシティの推進やガバナンスの強化、製・配・販で連携した物流効率化、温室効果ガスの排出削減策の検討等、マテリアリティの全社的な活動を推進し、今後益々、SDGsの深化を図ってまいります。

② 業績
〔売上高〕
 当連結会計年度の売上高は、CVS、ドラッグストア等との取引が堅調に推移しましたが、収益認識に関 する会計基準の適用に伴う減少により、612,658百万円となりました。
  なお、商品分類別の売上高は以下のとおりであります。

(注)
  1. 記載金額は百万円未満を四捨五入して表示しております。
  2. 発泡酒及びビール風アルコール飲料(第3のビール)の売上高は「ビール」に含んでおります。
  3. 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。上記の商品分類別の売上高は当該会計基準等を適用した後の金額になっており、対前期比増減率は記載しておりません。

〔経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益〕
 利益面では、家庭内需要の高まりならびに消費者起点のビジネスの推進等により取引が堅調に推移し、低重心経営をさらに徹底したことにより、営業利益は5,887百万円、経常利益は7,274百万円となりました。保有株式の評価減を計上するも、親会社株主に帰属する当期純利益は3期連続の増益となる4,315百万円となりました。

③ その他
 当社は事業上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを方針としております。主な資金需要は商品仕入費用及び物流センターの運営費用のほか、販売費及び一般管理費の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は事業領域拡大等のための投資有価証券の取得、物流センター等に係る設備投資、システム開発投資等によるものであります。
 当連結会計年度における投資有価証券の取得の総額は1,326百万円であり、その主なものは取引深耕・拡大を目的としたものとなります。当社は成長に向けた投資を今後も継続して行ってまいります。
 なお、設備投資に関しては「設備投資及び資金調達の状況」を参照ください。

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2022/06/23 12:00:00 +0900
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