事業の経過及び成果

 当連結会計年度(以下、当期という)は、中国経済の減速と米中貿易摩擦などによって、これまで堅調な消費により支えられてきた世界経済が、減速の兆しを見せ始めました。
 米国は、米中貿易摩擦のもたらす影響の不透明感や、上下院のねじれ構造を背景とした債務問題などから、一時株価が軟調に推移したこともありましたが、緩和を含めた柔軟な金融政策への方針転換、税制改革などに起因する底堅い個人投資や設備投資、及び、概ね安定した企業業績を背景に、経済は堅調に推移しました。一方で、米中貿易摩擦、イラン制裁強化などの米国の対外政策が、世界経済やコモディティ価格に影響を与える結果となりました。
 欧州は、米国の中国やEUに対する貿易摩擦、中国経済の減速を主因とした輸出の伸び悩みによりドイツを中心として経済成長が鈍化しました。米国、ドイツ間の貿易交渉の影響や、英国の合意なきEU離脱に対する懸念など、不透明感が増しています。
 中国は、インフラ投資や減税などの景気対策が打ち出されていますが、更なる経済の減速が懸念されます。米国との貿易摩擦の悪化・中長期の影響については、注視する必要があります。
 アジアは、米国の利上げ観測の後退から各国通貨が買い戻されたことに加え、中国経済の減速の影響を受けるものの比較的堅調な内需により経済は底堅く推移しました。
 日本は、中国経済の減速や米中貿易摩擦の影響を受けましたが、個人消費や設備投資が底堅く推移し、概ね安定的な経済成長となりました。

次の項目へ
2019/06/20 12:00:00 +0900
外部サイトへ移動します 移動 ×