第15回定時株主総会 招集ご通知 証券コード : 3099
株式会社三越伊勢丹ホールディングス【ご参考】総額売上高10,884億円(前期比119.3%)
当連結会計年度における世界経済は、2019年末より約3年間続いた新型コロナウイルス感染症の影響がようやく緩和に向かい、国を越えた行き来が活発化する一方、ウクライナ情勢・ロシアの紛争の長期化、世界的な資源や物価の高騰による世界的インフレや急激な円安ドル高、欧米各国の金融引締め等による世界的な景気後退懸念等、不透明感の中で経過しました。
我が国経済の状況は、コロナ禍による社会経済活動への制約が徐々に解消され正常化が進みつつある中、抑制されてきた消費は対面型サービスを中心に個人消費の持ち直しがみられました。2022年10月の海外からの水際対策緩和や円安の効果でインバウンド需要もコロナ前の水準に戻りつつあります。しかし、物価の上昇等による家計への影響もあり、消費者マインドに弱めの動きもみられており、消費動向は一進一退の中で進んできました。
上記環境の中で、当社は、目指す姿「お客さまの暮らしを豊かにする“特別な” 百貨店を中核とした小売グループ」の実現に向けて、中期経営計画(2022年度~2024年度)に沿って第一フェーズである「百貨店の再生」における重要戦略を徹底的に実行してまいりました。中期経営計画の初年度において「百貨店の再生」の確度を高めることに注力し、次期「展開(まち化準備)」フェーズを仕込み始める1年と位置づけ、各施策を着実に進めてまいりました。
コロナからの持ち直しによる一部旺盛な消費ニーズにお応えするため、顧客の識別化推進により、一人一人の「個客」に対して接点や事業機会を増やし、繋がりをグループ全体で意識することで、一人当たりの利用の拡大を図ってまいりました。また、科学的視点を取り入れ、経費や要員などをコントロールするための基準や規律を策定した手引書(百貨店の科学)により固定費削減に努め、損益分岐点売上高を引き下げたことにより一層の効率化を図りました。
上記の取り組みを進めた結果、百貨店業がけん引し、当連結会計年度におきましては、売上高は4,874億円、営業利益は296億円、経常利益は300億円、親会社株主に帰属する当期純利益は323億円となりました。
※「ご参考」として記載した「総額売上高」につきましては、「収益認識に関する会計基準」等の適用前の数値です。