第18回 定時株主総会招集ご通知 証券コード : 3135

事業の経過および成果

①当連結会計年度の経営成績の概況
 当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費については、当初、経済の正常化とともに緩やかにコロナ危機前の水準へと回復が見られましたが、原材料価格やエネルギー価格の高騰、さらには円安傾向の定着による物価上昇に賃金の伸びが追いつかない実質賃金のマイナス状態が継続し、現在、足踏み状態にあります。また、長期化するロシア・ウクライナ戦争や中東情勢の緊迫、中国経済の成長鈍化、世界的な金融引き締めに伴う金利・為替変動が実体経済に与える影響等、引き続き、顕在化する地政学リスクによりグローバル経済が不透明感を色濃くする状況がつづいています。
 このような状況下、個人消費につきましては、急激な物価高を背景に、従前にも増して節約や低価格志向が根強くなりながらもその動向は必ずしも節約・低価格の一辺倒なものではなく、個人の価値観や嗜好性に応じたメリハリのある消費スタイルが浸透し、特にインターネットを介した消費行動においてその傾向は顕著であります。
 そのような社会環境下、当社グループは「持続可能な社会を実現する最適化商社」をビジョンに掲げ、多様化する消費行動や様々な消費スタイルに対し、個々人そして一部の商品・サービスにおいては事業者や法人にまでその枠を広げ、インターネットを通じて最適な消費の選択肢を提供するべく事業を推進しております。その実現に向け、当連結会計年度に行った各事業(報告セグメント)における主な取組の内容は、次のとおりであります。

 これらの取組の結果、売上高は19,008,339千円(前期比24.6%増)、営業利益は298,759千円(前期比215.7%増)、営業外費用としてデリバティブ評価損を計上したこと等により経常利益は40,425千円(前期比85.5%減)、特別損失として減損損失を計上したこと等により親会社株主に帰属する当期純損失は476,300千円(前期は290,400千円の利益)となりました。

②セグメント別の概況
・ネット型リユース事業
 当セグメントでは、販売店舗を有せずインターネットに特化したリユース品の買取及び販売に関するサービスを展開しており、当社グループの基幹事業であります。
 買取においては「高く売れるドットコム」を総合買取サイトの基軸とし、商品カテゴリー別に分類された複数の買取サイトを自社で運営しております。販売において「Yahoo!オークション」をはじめ、「楽天市場」、「Amazon」、「メルカリ」、自社ECサイト「ReRe(リリ)」など複数サイトへ同時出品し、インターネットを通じて商品を販売しております。主に「大型」「高額」「大量」といった、CtoC(個人間取引)では梱包や発送が難しい商品を取扱い、CtoBtoCというプロセスで当社が取引に介入することで、品質担保をはじめ、リユース品の売買に対して顧客に安心感を提供しております。近年ではこれらで培ったナレッジ・ノウハウを元に農機具分野へ参入し、国内のみならず農機具輸出事業を展開するなど、既存事業とのシナジーを活かして商材の多様化に努めております。また、リユースプラットフォーム「おいくら」(全国のリユースショップが加盟し、売り手である一般消費者と買い手であるリユースショップをマッチングするインターネットプラットフォーム)の基盤拡充に向けた施策を行っております。なお、当連結会計年度の各分野における状況は、以下のとおりであります。

(個人向けリユース分野)
 消費者の旺盛な買取ニーズに対応し更なる商圏拡大と取扱量の増加に対応すべく2023年9月に広島リユースセンターおよび大阪リユースセンター東住吉店を、また、コンタクトセンターの能力増強のため2023年11月に錦糸町支社を、それぞれ新規に開設いたしました。このほか、商品買取に関する出張買取バイヤーの採用及び教育研修の強化等を行いました。これら投資によって各種リソースが整備されたことにより、引き続き出張買取の強化に取り組みつつ、お客様との重要なタッチポイントとなるコンタクトセンターを含めた営業人員配置の見直しおよび買取チャネルの最適化を図りました。加えて、上述の各種DX施策を推進したことで、当連結会計年度においては買取総件数の水準を維持しつつ買取1件あたりの収益増加を図っております。この他、2023年9月より新たな商材として中古自動車の買取・販売を本格的に開始しました。
 これらの取組の結果、個人向けリユース分野における収益力は着実に向上し、当下期における収益は中間期末時点における想定を上回って進捗しました。

(農機具分野)
 中古農機具については在庫収容能力拡充のため2024年1月に北関東第2ヤードを新規に開設しました。仕入高については、冬季の農閑期に売買の動きが鈍るといった季節要因はあったものの、法人買取を強化したことが奏功し、当期全体を通しては安定的に推移しました。売上については、海外販売について、期末にかけ海上運賃の値上がりが顕著になり一部で買い控えが見られるようになったものの、新規顧客の獲得等拡販施策を進めた結果、引き続き順調に推移しました。以上のように、仕入安定化のため継続的に法人買取を強化したことで粗利率が低下しましたが、売上高が伸長したことにより増収増益となりました。

(おいくら分野)
 「おいくら」については、リユースプラットフォームとしての中長期的な収益基盤拡充に向けた継続的なシステム改修や官民協働でのSDGsの実現(不要品の二次流通促進による廃棄物の削減及び環境負荷軽減)に向けた地方自治体との連携を推進し、その連携数は当連結会計年度末日現在で、142自治体(前期比92自治体の増加)と100自治体を超え、また、人口カバー率(日本の総人口に占める連携自治体の人口合計)は32.7%となり、初めて総人口の3割を上回りました。また、当第4四半期において、出張買取専門サービス「買いクル」を運営する株式会社RCと業務提携契約を締結し、加盟店数増加の弾みとなりました。このように、自治体連携の拡大を中心とした買取依頼件数増加のための取組が順調に進捗し、利益ベースでは買取依頼数の獲得コストが低下し利益体質の強化が進むとともに、「おいくら」が仲介する買取依頼数は引き続き増加が見込まれるため、今後も自治体連携数の増加に伴い加盟店および本分野における収益が増加していく見通しです。

 これらの結果、売上高は11,027,419千円(前期比31.4%増)、セグメント利益は554,739千円(前期比68.5%増)となりました。

・メディア事業
 当セグメントでは、賢い消費を求める消費者に対し、その消費行動に資する有益な情報をインターネットメディアで提供するサービスを展開しており、以下の8つのメディアを運営しております。
・モバイル通信に関するメディア:「iPhone格安SIM通信」「SIMチェンジ」
・モノの売却や処分に関するメディア:「高く売れるドットコムMAGAZINE」「おいくらマガジン」
・モノの購入に関するメディア:「ビギナーズ」「OUTLET JAPAN」
・モノの修理に関するメディア:「最安修理ドットコム」
・中古農機の買取・販売プラットフォーム:「中古農機市場UMM」
 当連結会計年度におきましては、従来より提供メディアの分散化や検索エンジンアルゴリズムに対応した掲載記事のメンテナンスといったリスク対策に取り組んできた一方、主にGoogle社が実施した検索エンジンにおけるコアアルゴリズム変更により良質なコンテンツの選別が進んだ結果、主要なメディアの検索ランキングに影響が生じたものの、当社メディアコンテンツの表示順位は一部で回復傾向となり、春の引越しシーズン特有の広告需要を適切に捉えるとともに、各種クリエイティブの製作についてより慎重にコストマネジメントを行った結果、事業収益には復調の兆しが見えはじめております。
 これらの結果、売上高は666,346千円(前期比14.1%減)、セグメント利益は342,855千円(前期比22.7%減)となりました。

・モバイル通信事業
 当セグメントでは、連結子会社の株式会社MEモバイルが、通信費の削減に資する低価格かつシンプルで分かりやすい通信サービスを展開しており、主力サービスとして、「カシモ(=” 賢いモバイル” の略称)」というブランド名のもと、主にモバイルデータ通信のサービスを提供しております。
 当連結会計年度におきましては、メディア事業との連携により自社通信メディアからの送客を図るとともに、新たに2024年2月から4月にかけ試験的にTVCMを開始するなど他社が運営するメディアの積極的活用を図ったことから認知度が向上し、新規回線の獲得に大きく貢献しました。また、既存契約回線(5G NSA)の契約期間が満了するユーザーに対し、後続となる5G SA回線への変更を訴求することで、1ユーザー当たりの契約期間延長を図りました。これらの結果、その保有回線数は2024年6月末日時点において10万回線を超え、引き続き契約回線数の積み上げによる安定的なストック型収入(ユーザーとの契約期間において月ごとに計上される収入)の確保と、新規回線獲得によるショット型収入(新規回線獲得時に一括して計上される収入)の確保により収益拡大を図ってまいります。
 これらの結果、売上高は7,398,558千円(前期比19.2%増)、セグメント利益は456,290千円(前期比0.5%増)となりました。

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2024/09/27 15:00:00 +0900
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