事業の経過及びその成果

 当連結会計年度の業績につきましては、売上高32,789百万円(前期比14.0%増)、営業損失1,850百万円(前連結会計年度は営業利益8,205百万円)、経常損失1,722百万円(前連結会計年度は経常利益8,173百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益3,267百万円(前期比52.7%減)となりました。
 なお、各セグメントの売上高の金額は、セグメント間の内部売上高を含めない数値を記載しております。当社グループの報告セグメントは、業績評価、事業戦略の構築、経営資源の配分等を行ううえで重要性の高い区分を基に決定しており、「エネルギー事業」、「自動車事業」、「レジリエンス事業」、「金融関連事業」及び「その他事業」の5つで構成されております。

(エネルギー事業)

 エネルギー事業は主に、電力小売業を営んでおります。当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和されるなど、社会経済活動の再開が見られる一方、ロシアのウクライナ侵攻などに端を発したエネルギー価格や原材料価格の高騰や、急速な円安の進行など、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
 このような状況下、当連結会計年度における電力市場価格は、前半と後半とで大きな違いを見せました。2022年7月、8月、9月の一般社団法人日本卸電力取引所(以下、「JEPX」といいます。)におけるシステムプライス月平均は、それぞれ24.80円/kwh、25.52円/kwh、24.02円/kwhと比較的高水準であり、また2022年12月の同システムプライス月平均が25.04円/kwhであったことから、その後の価格高騰も危惧されておりましたが、2023年1月、2月、3月の同システムプライス月平均は、それぞれ19.56円/kwh、15.06円/kwh、9.81円/kwhと、異常な価格高騰が生じることなく前連結会計年度と比べても低水準で推移いたしました。
 当社は、前連結会計年度より電力需要の高まりに備え、JEPXの電力取引価格が高騰しやすい夏季や冬季だけでなく、それ以外の時期も電力先物取引を用いて調達電力の一定割合の固定価格化を進めることで、電力調達価格と販売価格が逆ザヤになるリスクを抑制してまいりました。電力先物取引はデリバティブ取引に該当するため、会計上は時価評価の対象となり、評価差額が損益計上されることから、当連結会計年度中その時々の電力先物取引価格の状況によって、損益が大きく変動する場面もありました。
 当連結会計年度においては、JEPX価格がこれまでに比べて高水準であったこと、また需要家の増加により売上高が大きく伸長する一方で、前期末に評価益を計上した2022年4月限月以降の電力先物取引が当連結会計年度のセグメント利益を押し下げたこともあり、セグメント損失となりました。
 以上の結果、当セグメントの売上高は25,269百万円(前期比99.4%増)、セグメント損失(経常損失)466百万円(前連結会計年度はセグメント利益(経常利益)1,670百万円)となりました。

(自動車事業)

 自動車事業においては、中古車販売事業者との中古車売買及び中古車売買に関するコンサルティング等を行っております。中古車売買事業は、業者間売買であることもあり粗利率は低いものの、仕入から販売までの決済回収期間が短いため、資本回転率の高いビジネスを実現しております。当連結会計年度においては、前年と比して、販売台数が増加したうえ、利益率の高い高価格帯の取引が増えたことから、当連結会計年度は増収増益となりました。
 以上の結果、当セグメントの売上高は5,911百万円(前期比30.1%増)、セグメント利益(経常利益)23百万円(前期比22.5%増)となりました。

(レジリエンス事業)

 レジリエンス事業は、感染症対策関連事業、蓄電池事業及び省エネコンサルティング事業から構成されております。当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症の感染者数の減少により、感染症対策に対する関心が薄れてきたこともあり、感染症対策関連事業の主力商品であるMA-T System関連商品(「すごい水」シリーズ)の売上も引き続き低調に推移いたしました。このような事業環境の変化を受け、商品評価損149百万円を計上いたしました。また、蓄電池事業においては、これまで世界的な半導体不足の影響から生産が滞り、JET認証の取得も後ろ倒しになっていたことから、販売体制の本格的な構築が遅れていた家庭用蓄電池システム(remixbattery)についても、販売活動が徐々に稼働し始めました。また、省エネコンサルティング事業においては、主要な補助金の採択からの収入が前連結会計年度と同程度に推移いたしましたが、当連結会計年度は前連結会計年度と比して減収し、損失金額が減少しました。
 以上の結果、当セグメントの売上高は637百万円(前期比8.9%減)、セグメント損失(経常損失)162百万円(前連結会計年度はセグメント損失(経常損失)228百万円)となりました。

(金融関連事業)

 金融関連事業の売上高はこれまで、金融関連事業の中核事業であった株式会社ビットポイントジャパン(以下、「BPJ」といいます。)の売上高が大半を占めておりましたが、2022年7月1日付で同社株式の51%を譲渡したことによって、第2四半期連結会計期間より、連結子会社から外れ、同社の業績が持分法投資損益として営業外損益の区分で計上されることとなりました。その結果、金融関連事業セグメントの売上高は、主に当社の100%子会社である株式会社ビットポイント・ホールディングス(以下、「BPH」といいます。なお、2023年4月1日付で「イプシロン・ホールディングス株式会社」へ社名を変更しております。)の売上高と当社の金融関連事業部が行っている暗号資産関連事業に関する投資収益から構成されることになりました。BPHは、BPJに使用権を付与しているシステムを保有しており、BPHの売上高は主に、BPJから受け取るこのシステム利用料収入と保有暗号資産の評価損益からなっております。第2四半期連結会計期間以降、システム利用料収入は160百万円で(これに対応するソフトウェアシステムの減価償却費は139百万円で販管費の区分で計上されております。)、保有暗号資産の評価損は74百万円でした。また、当社の金融関連事業部が行っている暗号資産関連事業に関する投資には2023年3月末時点で、gumi Cryptos Capital1号ファンド、gumi Cryptos Capital2号ファンド、B Cryptosファンド、BLOCKTOWER CAPITAL LLCの4つがあり、当期において、これらの投資からの収益は合わせて△14百万円で、投資残高(連結貸借対照表価額)は355百万円となっております。また、営業外損益の区分で計上されるBPJの持分法投資損益は104百万円の損失でした。
 以上の結果、当セグメントの売上高は928百万円(前期比91.4%減)、セグメント利益(経常利益)15百万円(前期比99.8%減)となりました。なお、2023年3月31日に、BPJ株式残り全てをSBIホールディングスのグループ会社に譲渡するとともに、これまでBPHで保有していたBPJ向けのソフトウェアシステムもBPJに譲渡したことにより、当期末をもって、BPJは持分法適用関連会社から外れ、また翌期からは、システム利用収入及びそれに係る減価償却費もなくなることから、金融関連事業セグメントは当連結会計年度で終了を予定しております。これに伴い、当社の金融関連事業部が行っていた暗号資産関連事業に係る投資に係る損益は、2024年3月期からは、営業外損益の区分に計上される見込みであります。また、BPHが保有する暗号資産に係る損益も営業外損益の区分に計上される見込みであります。

(その他事業)

 その他事業は、マーケティングコンサルティング事業のほか、新規事業を含んでおります。当連結会計年度においては、マーケティングコンサルティング事業及び新規事業が低調に推移したほか、貸倒引当金92百万円を計上したことにより、対前年同期では減収減益となりました。
 以上の結果、当セグメントの売上高は41百万円(前期比40.7%減)、セグメント損失(経常損失)53百万円(前連結会計年度はセグメント利益(経常利益)0百万円)となりました。

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2023/06/28 12:00:00 +0900
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