株主のみなさまへ

「社会にとってかけがえのない存在」となる企業を目指して、SDGsを羅針盤とした様々な社会課題の解決に挑戦するとともに、社会の要請を的確に反映したコーポレートガバナンスの高度化に努めてまいります。

 株主のみなさまにおかれましては、平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申しあげます。当社の第162回定時株主総会招集ご通知をお届けするにあたり、ひとことご挨拶を申しあげます。

2021年5月


代表取締役会長  山本  学(左)
代表取締役社長社長執行役員  今井 俊夫(右)

 2020年度は、国内では、新型コロナウイルスの感染拡大により経済活動全般が大きく制限され、個人消費や輸出を中心に大きく落込み、景気は厳しい状況となりました。また、世界経済も、中国など一部を除いて感染症の拡大が続き、欧米を中心に景気が悪化しました。化学工業界におきましては、期前半には感染症の拡大による需要の減少がありましたが、その後自動車や半導体向けを中心に回復し、全体として企業収益は底堅く推移しました。
 このような経済環境のもと、当社グループは、企業理念“The Denka Value”を実現すべく、3つの成長ビジョン「スペシャリティーの融合体」「持続的成長」「健全な成長」を掲げ、2018年度より5ヵ年の経営計画「Denka Value-Up」における2つの成長戦略「事業ポートフォリオの変革」と「革新的プロセスの導入」を推進し、業容の拡大と収益性向上に注力いたしました。
 この結果、当期の業績は、電子・先端プロダクツ製品の伸長やヘルスケア分野での新製品の寄与がありましたが、全体的には世界的な景気後退による需要減のため販売数量が減少しました。また、一部の製品では原材料価格の下落に応じた販売価格の見直しがあり、売上高は減収となりました。利益面では、成長分野向けの高付加価値製品の伸長や固定費の削減などにより、営業利益は過去最高を更新し、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益はそれぞれ前年同期を上回りました。

 「Denka Value-Up」の中間年度であった2020年度は、プロセス革新の確実な進捗とあわせて、ヘルスケア分野や環境・エネルギー分野を中心に、これまで積み重ねてきた成長戦略の成果が着実に表れ、営業利益は過去最高となりました。成長ビジョンとして目指している「スペシャリティーの融合体」への道のりを順調に歩んでおり、当社がこれまで進めてきた「Denka Value-Up」の方向性が正しかったことを改めて確認いたしました。本年度も含め「Denka Value-Up」計画の最後の2年間につきましては、次期経営計画のありたい姿へ飛躍するための大切な準備期間と位置付け、「社会にとってかけがえのない存在」となるための第一歩として、「事業」「環境」「人財」に関する3つの「Value-Up」の取り組みに注力します。具体的な内容に関しましては、こちらをご参照下さい。

 当社は本年4月より、昨今の未曽有の環境変化に対応していくため、経営トップの交代をおこない、あわせて事業のさらなる最適化や拡大促進を図るため、事業部門体制の再編を実施しました。さらに、本定時株主総会でご承認いただくことを前提に、取締役会における議論のさらなる実効性向上と意思決定の一層の迅速化を目的として、取締役の人数を12名体制から9名体制とし取締役会と執行体制の役割の明確化に見合った陣容といたします。加えて、社外取締役の比率を高め、社外取締役の取締役会への関与度合いをさらに強化いたします。
 また、来春見直しが予定されている東京証券取引所の新しい市場区分であるプライム市場には、より高いガバナンス水準を備えることが求められるなど、ガバナンスに対する社会的要請はますます高まっております。今後とも、これらの要請を的確に反映したコーポレートガバナンスの高度化に努めてまいります。

 当社は、引き続きグループ全体の変革と連携をさらに深め、デンカでなければできない方法で、SDGsを羅針盤とした様々な社会課題の解決に挑戦し、社員やステークホルダーのみなさまが誇りに思い、「社会にとってかけがえのない存在」となる企業を目指してまいります。株主のみなさまにおかれましては、一層のご理解とご支援を賜りますよう、お願い申しあげます。


2021/06/22 12:00:00 +0900
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