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デンカの新型コロナウイルス感染症への取り組み

■ 米国向けに新型コロナウイルス抗原迅速診断キットを供給
 デンカは、米国Xtrava Health社(本社:カリフォルニア州サンタクララ)と提携し、昨年8月より発売しております新型コロナウイルス抗原迅速診断キット「クイックナビ™-COVID19 Ag」を、「SPERA™ COVID19 Ag Test」として同社に供給いたします。
 現在、Xtrava Health社はPOCT(Point of Care Testing)用として本キットの米国食品医薬品局(FDA)緊急使用許可取得を目指して臨床試験を進めており、今年後半の販売を目標にしています。

■ 新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスを同時に診断するキットの国内薬事承認を申請
 当社は、新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスを一つのデバイスで同時に診断可能な抗原迅速診断キットを開発し、体外診断薬としての国内薬事承認を独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に2021年1月29日に申請いたしました。
 本キットはイムノクロマト法により1つのデバイスで新型コロナウイルス抗原およびインフルエンザウイルス(A型およびB型)抗原を検出し、短時間で陽性/陰性の検出結果を判定いたします。本キットの使用により、患者に対する適切な治療方法の適用および医療関係者の負担軽減につながることが期待されます。

■ 新型コロナウイルスの変異株検出システムの開発
 当社は、業務提携をしているPlexBio Co., Ltd.(本社:台湾台北市、以下PB社)と共同開発した新型コロナウイルスの変異株を検出する試験研究用試薬を用い、東邦大学医学部と変異株検出システムの検証実験を開始いたしました。本システムはPB社の高感度かつ同時多項目測定が可能なIntelliPlex™システムとπコード技術を応用しています。
 この変異株検出システムは、1種類の試薬で各変異株が持つ複数種類の変異部位を同時に検出でき、測定機関の手間の軽減や迅速な検出につながることが期待されます。
 当社は、試験研究用試薬の試作品とPB社の理化学用測定装置を用いて、東邦大学医学部の舘田一博教授・石井良和教授(微生物・感染症学講座)と共同で検証実験を開始し、その初期段階において良好な結果が得られています。1~2か月以内に、測定機関に向けて変異株検出システムとしての販売開始を目指します。
※IntelliPlex™はPlexBio社の商標です。



エボラウイルス抗原迅速診断キットの国内製造販売承認を取得

 デンカは、北海道大学の髙田礼人教授(人獣共通感染症リサーチセンター)と共同開発したエボラウイルス抗原迅速診断キットについて、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)による国内製造販売承認を本年3月に取得しました。
 当社は、現在でもエボラウイルス病の発生が確認されているアフリカでの感染拡大予防対策にさらに貢献すべく、アフリカ諸国の医療機関への本キット(「クイックナビ™-Ebola」)の情報提供を通じて正式供給の可能性を探ると同時に、WHOによる緊急使用承認の2022年取得を目指してまいります。


ヘリコバクター・ピロリ抗原迅速診断キット「クイックナビ™‐H.ピロリ」を発売


 デンカは、糞便中のヘリコバクター・ピロリ(以下ピロリ菌)抗原の有無をイムノクロマト法により迅速に判定する診断キット「クイックナビ™-H.ピロリ」を本年4月より全国の医療機関向けに発売しております。
 ピロリ菌は胃の粘膜に生息しているらせん形をした細菌で、これによる胃の粘膜の炎症で、胃炎や胃潰瘍・十二指腸潰瘍が起きると言われており、さらに喫煙や食生活の乱れ、ストレスなどの外的要因が加わると胃がんの発生リスクが高まるとされています。


カーボンニュートラルの実現と取り組み

 デンカは、SDGsを羅針盤に、2050年までに温室効果ガス排出をネットゼロとするカーボンニュートラル実現に向けてクリーンエネルギーのさらなる利用拡大の検討、当社の特色を生かした環境貢献製品の開発など、様々な環境保全・保護に関する取り組みを進め、地球環境に配慮した企業活動を通じて、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

新青海川発電所送電開始

~2050年のカーボンニュートラル実現に向けクリーンエネルギーの利用を拡大~


 当社は、新潟県糸魚川市内に新たな自家水力発電所として竣工した「新青海川発電所」の送電を2021年1月29日より開始しました。
 本発電所の建設にあたり、長期安定操業や台風・集中豪雨等の自然災害に耐えられるよう、最新の遠隔操作機能の導入や発電所設備の高強度化を図り、関係官公庁や地元関係者の協力・支援のもと、約6年間の工期を経て完成しました。本発電所の稼働により年間約13,000tのCO2排出量削減に貢献いたします。
 当社は現在、新青海川発電所を含む自社水力発電所を姫川流域、青海川流域等に計16ヵ所保有しています。全自家水力発電所合計で最大出力12.6万kWの能力は民間企業では国内屈指の規模であり、約17万世帯の電力に相当します。
 さらに、当社と北陸電力株式会社との共同出資会社である黒部川電力株式会社を通じて同市内に「新姫川第六発電所」(2022年4月送電開始予定)の建設も進めており、稼働後は年間約22,000tのCO2排出量削減に貢献し、自家水力発電所合計の最大出力は14.0万kWとなる見込みです。

CO2削減に貢献する高断熱ボード・成形体を開発


 当社は、CO2削減に貢献する高断熱ボード・成形体を開発しました。高温環境下で長期間使用可能な高断熱素材として、2021年度上期より試験販売を開始いたします。
 本開発品はデンカアルセン(*1)に、無機材料設計の基盤技術を応用し自社開発した高耐熱・多孔質セラミックス材料:CA6(カルシウムヘキサアルミネート)を複合させることで、固体・気体熱伝導を低減し、これまで技術的に困難とされていた1,000℃以上の高温下での良好な断熱性を持ち、従来耐火材と比較して、約60%のCO2削減効果が見込まれます。また、CA6を有効に適用したことで酸化鉄による耐浸食性も改善されることから、鉄鋼業向けへの採用も期待できる環境貢献製品と位置づけています。
(*1) デンカアルセン
 アルミナ、シリカを主成分とする結晶質アルミナ短繊維。工業炉用耐火断熱材だけでなく自動車から排出される粒子状物質や窒素酸化物などの大気汚染物質の排出規制強化に対応するため、自動車の排気ガスを浄化する触媒担体やフィルターを守る保持材に使用され、環境負荷低減に貢献しています。



xEV向けに異種金属接合が可能な新放熱基板を開発

 デンカは、xEV(*1)向けの新たな放熱材料として異種金属接合が可能な窒化ホウ素(*2)樹脂複合基板(以下、BN樹脂複合基板)を開発しました。
 BN樹脂複合基板は、主にxEV等へ搭載されるモーター駆動インバーター制御用パワーモジュール(*3)等に対応できるベース基板です。高機能性セラミックスの1つである窒化ホウ素の優れた熱伝導性、電気絶縁性などの特長を活かしながら、接着性樹脂を複合させることで従来の放熱基板では困難だった厚銅を含む異種金属の基板表裏への接合を実現しました。これにより様々な材料で構成されるパワーモジュールの小型化・軽量化や熱伝導性の向上などにつながることが期待されます。また、ユーザーの要求特性に応じて樹脂とBNの比率を変更し熱伝導率を調整できることから多様な設計が可能になります。
 当社は、経営計画「Denka Value-Up」において、5G・xEVを中心とした「環境・エネルギー」分野に注力しており、今後も新素材開発を進めてまいります。
(*1) xEV
 電気自動車(BEV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグイン・ハイブリッド自動車(PHEV/PEV)、水素燃料電池自動車(FCEV/FCV)の総称。
(*2) 窒化ホウ素
 機能性セラミックスの1つで燐片状の結晶構造を有する白色粉末。熱伝導性、電気絶縁性などの様々な特長を有し、絶縁放熱材フィラーをはじめ半導体製造装置の各種部品や高温炉の絶縁部材等に使用される。
(*3) パワーモジュール
 電源(電力)の制御・供給をおこなうパワー半導体を含むICを組み合わせ電源関係の回路を集積した部品。エアコンなどの家電製品をはじめ通信基地局や自動車のモーター駆動インバーターへ使用される。


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2021/06/22 12:00:00 +0900
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