インフルエンザワクチン 原液製造新棟稼働

デンカは国内におけるインフルエンザワクチンの主要メーカーとして、1972年からインフルエンザHAワクチンを製造販売し、安定供給の一翼を担っています。
感染症との戦いに打ち勝ち、人々の健康を守るために、デンカはワクチン事業の強化・拡大を図ります。


五泉事業所 新潟工場

インフルエンザワクチン
原液製造新棟42号棟が稼働

 デンカの五泉事業所・新潟工場内に、インフルエンザワクチンの原液を製造する新棟が竣工し、2022年3月に稼働を開始しました。これにより、デンカのインフルエンザワクチンの生産能力は大きく向上し、より多くの方々にワクチンをお届けすることが可能になりました。
 インフルエンザワクチンは複数のウイルス株を混合して作られますが、世界の流行動向をふまえ2015年より、それまでの3種(3価ワクチン)から4種(4価ワクチン)にすることが国のワクチン政策により定められました。旧製造ラインは3種を前提としていたため、4種になったことで生産性は下がり、需要に応える供給量を満たすことが厳しい局面もありました。また、ウイルス株は流行予測に合わせて毎年変わりますが、作りにくい株が選定された場合は生産量が減ってしまいます。そこで当社は2018年にインフルエンザワクチンの生産能力増強を決定し、新しい原液製造棟の建設に着手しました。
 2022年3月に稼働を開始した新しい原液製造棟は、旧製造ラインの2倍の生産能力を誇ります。生産能力が向上したことで、早い段階から、より多くの方がワクチンを接種し、インフルエンザの流行に備えることができます。

What is Vaccine? ワクチンとは

 感染症にかかると、原因となるウイルスや細菌などに対する免疫が体内に作られ、その感染症に再びかかりにくくなったり、かかっても症状が軽くなったりするようになります。ワクチンはこの体の仕組みを使ったものです。病気の基になる病原体を体内に入れて免疫をつけ、体内に病原体の型が記憶されることで、それ以後に病原体が体内に入り込んだときに、免疫が病原体を攻撃して感染防止や軽症化させる効果があります。
 国内のインフルエンザワクチンは、A型株(H1N1、H3N2)、B型株(山形系統、ビクトリア系統)の4つのウイルス型のワクチンを混合して作られます(4価ワクチン)。インフルエンザワクチンには、インフルエンザの発病の一定程度の予防、発病後の重症化を予防する効果があります。

デンカで製造する「インフルエンザHAワクチン」とは

 デンカが製造するインフルエンザHAワクチンは、雛鳥から成鶏まで育て発育鶏卵を用意するところから始まります。
 厳しい国家基準に従った管理のもと、ウイルス株の培養をおこなったのち精製したワクチン原液は、4株分(A型2種類、B型2種類)を混合し、各バイアル(注射剤を入れるための容器)に小分けにします。その後、品質試験を実施した後に国家検定に提出し、包装した後、合格した製品を順次包装出荷します。


使用するのは一般的なニワトリですが、卵の汚染がないよう養鶏業者で鶏舎の清掃、消毒を徹底しています。


 ワクチンはウイルスや細菌を培養して原料とする製造方法が主流ですが、新型コロナワクチンで有名になったmRNAワクチンをはじめ新しい製造方法も出てきています。
 当社のインフルエンザHAワクチンは「不活化ワクチン」に分類されます。不活化ワクチンの製造には、増殖させたウイルスや、細菌がつくる毒素を不活化(感染力をなくす)したものを使用します。この種類のワクチンは、安全性が高いこと、 免疫を獲得するために複数回の接種が必要となることが特徴です。
<例> ジフテリア・百日咳・破傷風・不活化ポリオ4種混合ワク チン、インフルエンザHAワクチン、肺炎球菌ワクチンなど



広報誌『The Denka Way』では、当社と関わりのあるすべてのステークホルダーのみなさまへ向け、グローバルな事業活動を通じた企業姿勢やビジョンを発信し、独自の技術を通じて成長を遂げるデンカの姿を季刊でお伝えしております。
https://www.denka.co.jp/corporate/thedenkaway/

前の項目へ次の項目へ
2022/06/22 12:00:00 +0900
外部サイトへ移動します 移動 ×

カメラをかざして
QRコードを
読み取ってください

{{ error }}