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スペシャリティー事業(5G・xEVおよびヘルスケア関連等)の成長加速に向けた取り組み


シンガポールでの球状アルミナ新製造設備の本格稼働と球状シリカ製造設備の増強決定

 デンカは、シンガポールの連結子会社であるDenka Advantech Pte. Ltd.のトアス工場で建設を進めてきた球状アルミナの新製造設備の本格稼働を開始いたしました。
 当社の球状アルミナは、高熱伝導/放熱材料としてリチウムイオンバッテリーをはじめ、車載、通信など高速・大容量データ通信(5G)や自動車の電動化(xEV)のメガトレンド用途で広く使用されており、近年需要が急拡大しています。
 本設備の本格稼働により、これまでの生産拠点である大牟田工場とあわせ、当社の球状アルミナの生産能力を、2018年度比で約5倍に増強し、世界シェア約6割を占める圧倒的なトップメーカーとなります。
 また、当社は同工場での球状シリカの製造設備増強をおこない、グループ全体の球状シリカの生産能力を約3割増強する戦略投資を決定いたしました。
 当社は現在、球状シリカを大牟田工場とシンガポールの2拠点体制で生産をしており、世界シェア約3割を占めるトップメーカーです。当社の球状シリカは、半導体封止材料や半導体パッケージ基板、各種樹脂への充填材として使用され、球状アルミナ同様5G・xEV向けに近年需要が増加しています。
 今回の球状アルミナと球状シリカの生産能力増強により、今後の5G通信や自動車の電動化に必要不可欠な関連製品の世界的需要拡大への迅速な対応を図るとともに、大牟田工場とシンガポールの2拠点生産による中長期的な安定供給体制を構築し、BCP対応をさらに強化いたします。

球状アルミナ


約110億円の戦略投資により抗原検査キットを含む検査試薬製品の生産能力増強を決定

 デンカは、ヘルスケア事業のさらなる成長を目的として、検査試薬の製造拠点である五泉事業所鏡田工場に約110億円の戦略投資を決定しました。本投資により、抗原迅速診断キットの生産能力を約2.5倍に、検査試薬の生産能力を約2倍に増強するとともに、デジタライゼーションによる業務・生産・物流プロセス改革を通じて競争力を強化することで拡大する検査需要に対応し、世界の人々のQOL向上に貢献いたします。

戦略投資による強化ポイント
❶新型コロナウイルスをはじめとする抗原迅速診断キットの生産能力を約2.5倍増強
❷ 検査試薬の生産能力を約2倍増強
❸ デジタライゼーションによる業務・生産・物流プロセス改革・自動化を通じたコスト競争力強化



新事業開発部門の新設と研究開発体制の再編により、新事業創出活動を強化

 デンカは、次世代に向けた新事業創出活動の強化および既存事業の持続的な発展を目的として、本年4月1日付で「新事業開発部門」を新設するとともに、全社の研究・新事業開発体制を再編いたしました。
 これまでデンカイノベーションセンター(東京都町田市)を中心に、産学官とのオープンイノベーションを推進し、新事業開発部やAutomotive Materials & Solution開発推進部等を通じて新事業開発創出活動をおこなってまいりました。
 2023年度からスタートする次期経営計画を見据えて、研究開発のゴールはあくまでも新事業開発であることを再認識し、「新事業開発部門」の傘下に、主に基礎研究を担当する「デンカイノベーションセンター」をはじめ、事業構想からコンセプト検証、インキュベーション、事業化までの一連のプロセスを一貫して遂行する組織を配置し、新事業開発における責任・運営体制を明確にいたしました。
 また、従来、既存事業のスペシャリティー化を担当してきた各研究部は、各事業部門の傘下とし、責任体制の明確化と開発のスピードアップを図ります。
 

サステナビリティに関する取り組み


新たな水力発電所の稼働により、クリーンエネルギーの利用を拡大


 デンカと北陸電力株式会社との共同出資会社である黒部川電力株式会社は、新潟県糸魚川市内の新たな水力発電所「新姫川第六発電所」の営業運転を本年4月5日より開始いたしました。
 新姫川第六発電所は最大出力27,900kW、年間最大で約8,770万kWhの発電量(純増)を見込んでおり、水路式の発電としては有数の能力を有しています。本稼働により年間約41,000tのCO2排出量削減となり、2050年のカーボンニュートラル実現に向けたクリーンエネルギーの利用拡大に貢献します。
 100年以上にわたり自家水力発電所を運転してきた当社は、黒部川電力社を含め、自家水力発電所を姫川流域、青海川流域に計16ヵ所保有しています。今回の新姫川第六発電所を加えると合計17ヵ所、最大出力は合計で約18万世帯の電力に相当する約14万kWと、民間製造業においては国内第2位の規模です。
 当社は今後もSDGsを羅針盤に、カーボンニュートラル実現に向けてクリーンエネルギーのさらなる利用拡大の検討を進めてまいります。


使用済みポリスチレン樹脂のケミカルリサイクルプラント建設を決定

 デンカと関連会社である東洋スチレン株式会社は、使用済みポリスチレン樹脂のケミカルリサイクルプラント建設(年間処理能力:約3,000t)を決定しました。当社千葉工場敷地内に建設し、2023年度下期の稼働開始を予定しています。
 脱炭素・循環型社会構築のためには、石油資源の新規投入量を減らして廃プラスチックを再資源化することが求められます。ケミカルリサイクルはマテリアルリサイクルと異なり再利用用途に制限がなく、何度でも再生できるだけでなく、ポリスチレンの他のプラスチックと比較して、ポリマーからモノマーに熱分解し易いというスチレン系樹脂の特徴を最大限活かすことができる手法です。
 東洋スチレンでは今後、世界で初めて使用済みポリスチレンをスチレンモノマーに変換するケミカルリサイクルプラントを事業化した米国Agilyx(アジリックス)社との技術ライセンス契約に基づき、ケミカルリサイクルプラントを建設し、ユーザーからのポストインダストリアル材の回収事業を開始いたします。
 デンカグループはSBC樹脂やMS樹脂などの透明樹脂から、高機能樹脂、食品包装材料・容器まで、スチレンチェーンで繋がる様々な製品を供給しており、自動車から家電、食品まで幅広い用途で使用され人々の生活を支えています。石油化学系製品を製造する企業としての社会的責務を果たすため、スチレンチェーン全体でのケミカルリサイクル活用を目指し、脱炭素・循環型社会の早期構築に貢献してまいります。


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2022/06/22 12:00:00 +0900
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