事業の経過および成果

 当連結会計年度における国内経済は、情報・通信業において堅調に推移しましたが、緊急事態宣言の発令や、まん延防止等重点措置の適用を受け、外出の自粛が強まり、宿泊・飲食などサービス業における消費は低迷しました。国内自動車生産の回復に伴い、輸出は持ち直しの動きが見られました。企業の設備投資は先送りしていた投資を再開するなど、製造業、非製造業ともに積極的な投資姿勢に転じました。
 海外では中国において、新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込み他国に比べ経済成長を維持しました。また、生産制限をもたらした電力不足が緩和されたことで、製造業の生産稼働は回復しました。欧米諸国においては、ワクチンの普及を受け経済活動の再開が進む一方、新型コロナウイルス感染症の再拡大や原材料・半導体などにおける供給制約の長期化が製造業の生産回復の足かせになっています。
 当社グループを取り巻く事業環境は、5Gの商用化・IoT・テレワークをキーワードに、技術革新及びデータ通信量の増加が進み、5G関連部品、データセンター等のインフラ、高機能電子デバイス向けのプリント基板の需要が増加しました。また半導体産業の力強い成長に伴い、半導体パッケージ基板の需要も好調に推移しました。自動車産業は、需要の拡大や一時的に半導体不足の緩和が見られ、主に中国において自動車の生産・販売台数が増加しました。
 その結果、当社グループの売上高は242億56百万円(前連結会計年度比14.5%増)、営業利益は89億90百万円(同32.2%増)、経常利益は92億31百万円(同33.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は63億70百万円(同35.3%増)となりました。
 セグメント別の状況は次のとおりであります。

薬品事業

主要な事業内容
国内・海外市場における表面処理薬品の開発・製造・販売、及び関連資材の販売

 電子分野におきましては、中国ではタブレットなどの高機能電子デバイス、サーバー向けプリント基板の需要が増加しました。新規に獲得したラインでの稼働が本格化したことで、薬品需要は大幅に増加しました。台湾では高機能電子デバイス、サーバー向け半導体パッケージ基板の需要が増加しました。新規ラインの獲得により、薬品需要は増加しました。韓国では半導体需要が旺盛なことを受け、半導体パッケージ基板の需要が増加しました。新規ラインの獲得により、薬品需要は増加しました。
 装飾分野におきましては、国内は半導体などの不足により、自動車産業の回復基調は鈍化傾向にあるものの、第2四半期までは好調に推移したことで、薬品需要は増加しました。中国では半導体などの不足が自動車の生産稼働に影響があったものの、自動車産業の回復基調が継続し、薬品需要は大幅に増加しました。
 その結果、薬品事業の売上高は229億48百万円(前連結会計年度比19.9%増)、セグメント利益は100億7百万円(同28.5%増)となりました。

装置事業

主要な事業内容
国内・海外市場における表面処理装置の設計・製造・販売、プラズマ技術を利用したプリント基板洗浄装置の販売、太陽光装置の施工・販売、太陽光発電による売電等

 装置事業におきましては、自動車部品用めっき装置において、履行義務の充足に係る進捗が遅れたことで売上高は大幅に減少しました。しかし、先送り案件の再開、及び電子分野めっき装置の新規投資需要の増加により、受注残高は大幅に増加しました。
 その結果、売上高は13億6百万円(前連結会計年度比35.8%減)、セグメント損失は88百万円(前連結会計年度はセグメント損失108百万円)となりました。新規受注に関しましては、受注高は31億99百万円(前連結会計年度比250.9%増)、受注残高は20億76百万円(同1,473.1%増)となりました。

その他

主要な事業内容
ワイン製造用ブドウ・苗木の育成・販売等

 その他におきましては、売上高0百万円(前連結会計年度比96.9%減)となり、セグメント損失は17百万円(前連結会計年度はセグメント損失57百万円)となりました。

(注)

セグメント利益は、営業利益ベースの数値であります。

 設備投資の状況
 当連結会計年度において実施いたしました設備投資の総額は431,150千円で、その主なものは次のとおりであります。
 当連結会計年度に取得した主な設備
 当社 総合研究所 実験設備の取得 114,242千円
 当社 生産本部 生産設備の改修 85,252千円
 JCU表面技術(湖北)有限公司 実験機器の取得 22,077千円
 当社 電話設備の更新 18,200千円

 資金調達の状況
 当期の資金調達は、経常的な資金調達のみで、特に記載すべき事項はありません。

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2022/06/28 11:00:00 +0900
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