対処すべき課題

 当社グループを取り巻く環境は、装飾分野の自動車部品向け薬品は、短期的には半導体不足、部材不足などによる影響があるものの、長期的には微増基調で推移するものと予想されます。電子分野向け薬品は、5Gの普及、及び更なる技術革新に伴い、半導体パッケージ基板を中心に需要が拡大することが予想されます。
 このような状況を踏まえ、当社グループは長期的に目指すべき姿を「持続可能な成長を続けるグローバル企業」とし、事業をESG、SDGsに結び付けて経営する企業、どの国でも生き残ることができる企業を目指します。これを実現するために、中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)「Next 50 Innovation 2nd」を策定し、「コア事業の強化」、「ESG視点での経営基盤構築」を基本方針としました。
 「コア事業の強化」においては、マーケティング戦略、開発戦略、販売戦略を最優先課題とし、組織的にマーケティング活動を行い、入手した情報に基づいた開発戦略、販売戦略を策定し、グループ間の連携の下、コア事業を強化します。また、グローバルでの重点地域戦略を構築し、以下の取り組みを推進してまいります。
 開発
 当社は研究開発型企業であり、世の中のニーズに合致した新製品を、常に市場に投入していかなければなりません。そのために、マーケティング結果に基づき環境・コスト・健康を意識した、競合他社を凌駕する製品開発を推進してまいります。特にプリント基板業界は、技術革新のテンポが非常に早く、常に次世代技術の動向を注視し、市場の要求に応えた製品を提供できるよう取り組んでまいります。
 薬品営業
 プリント基板向け薬品、及び自動車部品向け薬品等の海外拡販を進めてきた結果、海外売上高比率は7割を超えるまで成長を遂げました。今後も持続可能な成長を続けるため、グローバル販売戦略の構築による組織的、効率的な販売活動を行ってまいります。世界中どの地域でも同じ品質、サービスを提供しながら、開発、生産、及びグループ間で連携した価格戦略、広報戦略を組み込んだ施策で売り上げの向上を目指します。
 装置営業
 当社グループ設立以来の考え方である「装置と薬品の一体販売」に基づき、薬品の研究開発に装置部門が参画することで、薬品性能を最大限に引き出す装置の開発、販売を推進してまいります。薬品だけでは達成できない技術的課題を装置機構の側面から検証し、最高のパフォーマンスを提供する差別化された装置の市場投入を目指します。
 生産
 当社グループのマザー工場である新潟工場、及び2021年1月に本格稼働を開始した、技術サポート機能を兼ね備えた中国湖北工場を中心に、顧客要求を満たす高品質な製品を安定供給し、災害、地政学リスクにも対応できるグローバルな生産体制を確立してまいります。
 マーケティング
 今後も成長を続けるためには、最新の市場ニーズを把握することが必要不可欠であると考えております。効率的な情報収集を実施し、入手した情報に基づいた開発戦略、販売戦略を策定、グループ間の連携の下、コア事業を強化してまいります。

 「ESG視点での経営基盤構築」においては、グローバル業務の拡大と企業を取り巻く環境の変化に対応できる経営基盤を構築します。そのための人材育成を最優先課題として取り組み、ESG視点の経営を積極的に推進してまいります。特に人材育成においては、当社に必要な人材像として、高い開発力のある人材、高いサポート力のある人材、グローバルに対応できる人材、経営視点を持つ人材と設定し、グローバル体制に適したキャリアパスへシフトしてまいります。
 また、気候変動リスクに対応するため、当社はCO2削減の具体目標に、新潟工場における「CO2ゼロ」を設定いたしました。2031年3月期までに、新潟工場で排出される分のCO2年間排出量を全てオフセットすることを目指します。

 株主の皆様におかれましては、今後ともご支援を賜りたくお願い申し上げます。

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2022/06/28 11:00:00 +0900
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