事業の経過およびその成果

当期の経営成績

 当社グループの当期業績につきましては、販売数量の増加や販売価格の値上がりにより、売上高は前期と比較して552億円(27.0%)増の2,601億円と過去最高となりました。売上高の内訳は、鋼カンパニーで995億円、ステンレスカンパニーで363億円、鍛カンパニーで1,030億円、スマートカンパニーで189億円、その他で22億円となっております。
 利益につきましては、販売数量の増加や販売価格の値上がり、連結子会社の増益など増益要因がありましたが、鉄スクラップ等購入品価格の高騰に対し、販売価格への反映が追いついておらず、大きな減益要因となり、営業利益は前期比7億5千7百万円(21.2%)減の28億6百万円となりました。また、経常利益は前期比7億4千万円(17.4%)減の35億8百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比21億1千6百万円(69.4%)減の9億3千3百万円となりました。
 なお、お客様への価格反映に関する理解活動は今後も粘り強く継続してまいります。

ご参考



 特殊鋼の販売数量の増加と販売価格の値上がりにより、当期の売上高は、前期と比較して、313億4千8百万円(46.0%)増加し995億6千4百万円となりました。

〔主な取組み〕
① 主要顧客の需要変動に対応し、工程スルーでのプロセス全体最適な生産性向上活動、TPSによる労働生産性向上活動など、生産上方・下方弾力性の向上に取り組み、お客様への安定供給を実現してまいりました。また、購入品価格の上昇に対し、コストミニマムとなる鉄源の選択や科学的アプローチによる電力使用量の低減などに取り組み、過去最良の電力原単位(生産量当たりの電力使用量)を達成するなど大きな成果をあげました。
② 世界の中で、自動車業界の成長により特殊鋼需要の更なる拡大が期待されているインドにおいて、当社は2019年8月に同国の特殊鋼メーカーであるバルドマンスペシャルスチール社に対して資本参加して以降、技術支援を続けており、計画通り、品質面や生産性の向上が進み、競争力が高まってまいりました。2023年度中に、インド国内の特殊鋼ユーザーやアセアン地域での当社鍛造事業拠点への特殊鋼の供給体制を確立することを目指しており、グローバルでの特殊鋼の品質・コスト競争力向上による連結収益力向上につなげてまいります。



 ステンレス鋼の販売価格の値上がりと販売数量の増加により、当期の売上高は、前期と比較して、35億7千5百万円(10.9%)増加し、363億3千2百万円となりました。

〔主な取組み〕
①「安全な職場、成長する職場、活気ある職場」を目指し、健全な成長を実現するため、相互研鑽による安全最優先の職場づくり・良品条件を確立した自工程完結による品質第一のものづくりの実現、CO2削減に向けた省エネ活動推進、老朽化設備の計画的な予防保全・更新に取り組み、モノづくり力を着実に向上してまいりました。
② 水素社会化やインフラ老朽化対応に向け、ステンレス鋼材・エンジニアリングでサステナブル社会実現に貢献するため、ステンレス部材・部品分野の強化に取り組みました。
 その結果、愛知県国際展示場内に設置されたステンレス製垂直緑化ユニットが昨年5月には「国際ステンレススチールフォーラム」において「Best Development Award(開発賞)」を、本年3月には「ステンレス協会賞優秀賞」を受賞いたしました。本ユニットには、当社ステンレス鋼が使用されるとともに、当社はステンレス鋼構造物エンジニアリングとして設計協力、工場製作および現場施工を手掛けており、施工後のメンテナンスコスト低減を図りつつ、異種金属接触による腐食を防止するなど、安全・安心で環境にやさしく、意匠性の高い垂直緑化ユニットを実現できたことから、受賞に至りました。



 鍛造品の販売数量の増加と販売価格の値上がりにより、当期の売上高は、前期と比較して、170億2千8百万円(19.8%)増加し、1,030億4千万円となりました。

〔主な取組み〕
① 主要顧客の生産量の増減に対し、労働生産性マネジメントをはじめとする限量経営で対応し、上方・下方弾力性を継続的に向上しました。具体的には工場、生産技術が一体となった型寿命の向上活動や過去最良を更新する不良ロス低減活動に取り組み、大きな成果を上げました。
② 今後の需要増が見込まれる電動車搭載部品の新規開発と量産体制整備を積極的に進めており、電動車用駆動ユニット「電動アクスル」向け新部品生産ラインを本年1月に竣工致しました。当ラインは、長年培ってきた高度な鍛造技術、お客様ニーズにお応えする優れた設計品質、全自動一貫ラインによる競争力強化を備えたものとなっており、電動車向け部品で要求される航続距離を延ばすための高強度・軽量化や、静粛性確保(ノイズ低減)のための高精度化に応えております。



 電子部品および金属繊維の売上の増加により、当期の売上高は、前期と比較して、34億9千4百万円(22.6%)増加し、189億7千万円となりました。

〔主な取組み〕
① 電子部品事業では、TPSを基軸とした生産性向上活動を通じ、ネック工程の生産性向上やサイクルタイムの改善により、出来高を大幅に改善するなど、着実にモノづくり力を向上し、HEV・BEVなどの電動車に不可欠なインバータ用放熱部品「パワーカード用リードフレーム」の更なる需要拡大に着実に対応しております。
② デンタル事業では、磁力により義歯(入れ歯)を維持固定する歯科用精密磁性アタッチメント(磁石式入れ歯)の、当社初の保険適用の新製品「マグフィット® M」の開発に成功し、昨年10月より販売を開始いたしました。

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2022/06/22 11:00:00 +0900
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